神戸市室内合奏団 特別演奏会:高槻現代劇場 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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~春は 成長の季節~

今日は14時~ 
高槻現代劇場

神戸市室内合奏団の演奏会



指揮:ゲルハルト・ボッセ
ライプツィヒで20世紀の巨匠の下で、長年コンサートマスターをつとめた巨匠。
ピアノ:岸本雅美

今日の曲は 
🎵クリスチャン・バッハ:交響曲ト短調 作品6-6
🎵W.A.MOZART:ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調
🎵J.HAYDN:交響曲第86番ニ長調
の3曲

最初のクリスチャン・バッハは先月、神奈川フィルの定期演奏会でボッセ先生が振ってます。あいにく私は 別の音楽会(京都市響のJ.HAYDN朝昼晩)と重なったので行けなかったのです。しかし 数年前には神戸でこの合奏団で聴いているので、今回は2回目。
そんなC.バッハの交響曲、とても丁寧な演奏は 以前と変わらず。バランス良く風通しの良い爽やかな響き。基本に忠実。音価とフレージングは厳しく徹底されていました。
ト短調の厳しさを打ち出した第1楽章。弦楽器だけの幽玄さを見事に醸し出した第2楽章。ソナタ形式の前後半を繰り返しても飽きさせない充実ぶり。16分音符をしっかり演奏できるテンポに設定した 終楽章は、音の強弱が波を打つように生き生きとした音楽。
素晴らしい演奏になりました。

続くビアノ協奏曲は温かい素敵な演奏。堂々とした第1楽章。調の色彩を鮮やかに描き分けた第2楽章。ハ短調からハ長調に転調した時の オーケストラの色彩の変化は、雪雲のなかから突然のぞいた太陽みたいでした。大好きな第3楽章は明るく軽快。中間部のテンポが落ちる部分は、思い切ってゆっくりとした弦楽器の弱音が、めちゃめちゃきれい。
ただ ピアノとオーケストラがフレーズの頭で揃わなかったり、何かとハラハラさせられ、イマイチ集中して聴けなかったのも事実。以前、素晴らしい演奏を聴かせてくれた岸本さんでしたが、今回は厳しいですが縦の線をもう少し意識しても良かったかも。

J.HAYDNは昨年の超名演奏をもう一度、と期待しました。
基本的な解釈は変わらないものの、前回の神戸新聞松方ホールに比べると、今日は大きすぎるホールゆえ、どうしても弦楽器が頑張り気味。結果 弦の音が荒くなってしまいました、この指摘は神戸との比較。初めて聴くのであれば、もちろん感動の演奏。今回も十分満足に値する演奏でした。

ボッセ先生は楽しそうに、流れるように、かつ 的確にオーケストラに指示を出しているのが印象的でした。
第3楽章のトリオでのファゴットが、優雅そのものでした。
終始フレーズを、楽器ごとに滑らかに繋げるのがとても印象的。現在 のぞみ得る 最高のJ.HAYDNの指揮者とオーケストラの組み合わせでした。

会場の入りが6割。拍手も人数にしては弱く、パラパラだったのが超残念でした。

開演前のボッセさんの話では 来年のJ.HAYDN没後200周年に向けて。J.HAYDNを紹介していくとのこと。神戸へのお出かけが増えそう。

アンコールはJ.HAYDNならこれと予想的中。
🎵ハイドン:交響曲第1番~第1楽章
生き生きと演奏されました。
ボッセ先生のJ.HAYDNは現代オーケストラの理想型だとと思います。

今回 昨年よりバラついた感は、コンマスを変えたからかも。今日は新日本フィルから若手のフォアシュピーラーを連れてきていたので… これからさらに研鑽を積んで成長していってもらいたいですね。

今年86歳になるボッセ先生。お名前を見かけたら ぜひお出かけください。素晴らしい指揮者であることは、間違いありませんから!