フェスタ サマーミューザ 鈴木雅明オルガンリサイタル:真夏のバッハ III | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

今日は夕方から川崎へ🚃💨


フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2018
鈴木雅明パイプオルガン・リサイタル
真夏のバッハ III

18時~
ミューザ川崎シンフォニーホール


パイプオルガン:鈴木雅明
ソプラノ:澤江 衣里


HPの紹介文は
『日本が世界に誇るバッハの権威、鈴木雅明 ミューザのオルガンを弾く! しかもミューザのために考え抜かれた特別なプログラムとあっては聴き逃せません。壮大な世界を築き上げる「トッカータとフーガ ニ短調」ほかのオルガンの名曲に加え、バッハ・コレギウム・ジャパンで清らかな歌声を聴かせる澤江衣里を迎えての、心が洗われるアリアもお聴きいただきます。作曲者が見守るかのような威厳に満ち、神々しい天の声を全身で浴びるような、かけがえのない体験を約束してくれるはずです。』

まずは
17:20~
「オルガン・カフェ」
2階ロビー
ポジティフオルガン:大木 麻理
ソプラノ:澤江 衣里
🎵J.S.バッハ:マタイ受難曲~『憐れみたまえ』
🎵J.S.バッハ:ヴィヴァルディを原曲とする協奏曲 BWV973(オルガンソロ版)
🎵J.S.バッハ:コーヒーカンタータ~『なんてコーヒーは美味しいの』
ロビーがぎっしり!コーヒーを飲みながら…と 考えたのでしょうが、ここまで集まると…という盛況。
澤江さんの透明な声、ミューザ川崎のオルガニストの大木さんは、積極的なストップの選択、切り替えが 聴いていて とても楽しめました。注目してよい、若手のオルガニストが見つけられました。

その後、ホールに入って着席。今日はソプラノのソロもあるので1階9列やや下手の位置で聴きました。


前半はオルガンソロで3曲。
≪若きバッハの多面性に満ちたオルガン作品≫
鈴木さんは舞台後方のオルガン下で弾きました。
🎵J.S.バッハ:ピエス・ドルグ(幻想曲) BWV 572
3つの部分からなる作品。音の色彩感がはっきりと聴ける佳作。
そのあと、各曲の前に鈴木さんの解説が入りました。
🎵J.S.バッハ:パストレッラ BWV 590
4つの楽章からなる、足の鍵盤を使わない落ち着いた素敵な作品。第1楽章の低音の響きは バグパイプの様で、民族音楽への接近を感じました。
🎵J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565
バッハのオルガン曲といえば、これ!
鈴木さんは 一気呵成に、派手なストップ選択で 聴かせてくれました。
なお、鈴木さんのお話では、この作品はバッハの真作とは言い難く、敢えてバッハというなら、ヴァイオリン曲からの編曲では?と いうのが現代の音楽学での一応の結論らしい。

後半は、鈴木さんもソプラノソロがある曲は、1階席で演奏。鍵盤を舞台下手側が後ろになるように配置したので、手足の操作がよくわかりました。 
≪清らかさと華麗さを併せ持つアリア≫
また鈴木さんのお話が、なかなか丁寧なのが良かったです。
🎵J.S.バッハ:カンタータ『神よ、人は汝をひそかにたたう』から アリア「救いと祝福が」 BWV 120/4
バッハ全集 持っているのに 何も聴いてない証拠。私好みの穏やかで素敵な曲。澤江さんの真っ直ぐな声が、ホール全体に響き、上からオルガンの音とともに降ってくる瞬間の美しいこと!
🎵J.S.バッハ:カンタータ『楽しき狩りこそわが悦び』から アリア「羊は、たしかに草を食み」 BWV 208
有名なこの曲。文句なく楽しめました。敢えて言うなら、オルガンより管弦楽の彩りの方が いい、ってことくらい。
🎵伝J.S.バッハ(シュテルツェル):『アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集』から アリア『ただあなたが共にいてくだされば』 BWV 508
シュテルツェルにこんな素敵な曲があったとは!今日の白眉はここでした。真っ直ぐな声で聴いた時の美しさを堪能しました。
ここでソプラノのアンコール!
🎵J.S.バッハ:カンタータ第68番~『信仰深きわが心よ』
とても穏やかで、澤江さんの声にピッタリな曲。加えてのサプライズは、歌唱のあとの長い後奏で オルガンの助手をしていた、オルガンカフェ(プレコンサート)でオルガンを弾いた、大木さんが鈴木さんの隣に座って弾きました。そう、後奏はオルガン4手で弾いたのです。
今日、出場の3人の音楽、最高でした✨

澤江さん、華奢な身体に対して、ミューザの広い空間に遜色のない声は、嬉しい誤算(失礼な奴!)となりました。

ここからはオルガンソロの作品。鈴木さんはホール正面の階段を上がって、オルガン下の鍵盤で。
≪充実した創作期に生まれた劇的なオルガン作品≫
🎵J.S.バッハ:ただ愛する神に、委ねまつる者は BWV 642
🎵J.S.バッハ:いと高き所にては、ただ神にのみ栄光あれ BWV 662
2曲のコラール作品。どちらも穏やかで 美しい曲。
🎵J.S.バッハ:前奏曲とフーガ ホ短調 BWV 548
それに引き換え、こちらはダイナミックな曲。特にフーガは 重低音から響く多層的な厚い音のパイプオルガンに魅了されました。

最後のアンコールは
🎵J.S.バッハ:『主イエス・キリスト 我らを顧みたもう』BWV709
宗教音楽ともいえる、バッハのパイプオルガンの音楽で閉じられました。

鈴木雅明さんのオルガン、初めて聴きましたが、なかなかアグレッシブな音作りが とても若々しく感じました。

これで私の今年のフェスタサマーミューザはおしまい。昨年なみに もう少し積極的に行けば良かったかなぁ~とも思ったり…

本当にこの音楽祭は素晴らしい企画。今年も楽しめました🎉