モーツァルト・マチネ 第34回:ミューザ川崎 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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モーツァルト・マチネ 第34回

11時~
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:園田隆一郎
ソプラノ:田中彩子
管弦楽:東京交響楽団


今日はいつもはクローズされる後方席まで開放。4階席のみ閉鎖という盛況公演。やはりソプラノの田中さんを聴くためでしょう。テレビでの紹介のあと、関西方面で何度か大きな宣伝を見ていたこともあり、私も今日の演奏会は期待していました。

オケは10-10-6-4-3の両翼配置。ソプラノのソロの入る作品は、第1ヴァイオリンが6に縮小。

1階4列中央やや上手で聴きました。

まずは
🎵モーツァルト:歌劇「劇場支配人」 K. 486
序曲、アリエッタ「別離の時の鐘は鳴り」
園田さんの演奏は元気いっぱい。多めの弦楽器を思い切り弾かせる。聴いていて、とっても気持ちいい。ニュアンスはそれほど仔細につける方ではないので、ちょっとしたところで音を軽くした時の効果はしっかり。両翼配置のヴァイオリンのため、弦の旋律が明瞭に耳に届きました。反面、管楽器がちょっぴり弱く感じました。

拍手がはいったあと、オケの編成替えとソリストの位置を空ける作業のあとでアリアの歌唱。
期待の田中さん。初めて聴きました。
とっても身体の線が細くて、ヴィオレッタにうってつけの体型、と、私の第一印象。
このアリエッタ、短調から長調に移っていく曲。最初の静かな短調のところ、私の席からだと、どうにも声量がオケに負けている。情感豊かに歌おうとしているものの、その言葉がなかなか届いてこない。後半の長調のところでは 最後の高音でのコロラトゥーラのところがちょっぴり回せていないような感じも…
残念。

続いて
🎵アーン:オペレッタ「モーツァルト」序曲
これはとっても疑問に思っていた作品。だって(トマス)アーンって モーツァルトより先に亡くなっているはずなのに…???
プログラムを読んで納得。もうひとり(レオナルド)アーンって作曲家がいるみたい。19~20世紀にかけてのフランスの。だから『オペレッタ』なんだ! と、疑問氷解。
ピアノまで組み入れられた音楽。特徴あるリズムに揺られながらの明るく薄曇りのような暖かさの人畜無害的な音楽。モーツァルトの作品からの転用があるのかと思っていたら、薄曇りのまま終わってしまった。
オペレッタの本体が この音楽からはそこまで聴きたいとは思えない、が素直な感想。でもモーツァルトを描いた作品なので、劇としてはちょっぴり興味のわくところ。

続いて舞台配置を直して、田中さん再登場
🎵モーツァルト:アリア「私はあなたにうちあけたいのです、おお、神よ!」K. 418
アンフォッジのオペラへの挿入アリアだそう。
緩~急の2部からなる作品。
愛の悲しみを歌うアダージョのところ。田中さんはとても正確にキッチリと組み立ててはくるものの、訴えるものが弱い。声量の問題もありますが、こちらはオケの音も小さく 邪魔をするように感じることはない。つまり、声はしっかり届いてはいた。
より感情的にそれを訴える アレグロのところでは、田中さんのコロラトゥーラが冴えました。が今日はそこまで。
期待しすぎたのかもしれませんが、ホール後方まで入った聴衆にしては、拍手の力が小さかったのは、それが素直な感想なのでしょうね。
無名な歌手なら 違う反応になったかもしれません。ちなみに私は、サハリン出身の ユリア・レージネヴァ レベルを期待して行ったので…

最後にまたまた配置を動かしてのメインは
🎵モーツァルト:交響曲 第36番 ハ長調「リンツ」K. 425
両翼配置の『リンツ』といえば、私が初めて実演で聴いた両翼配置が、シティフィル(堤俊作さん)でのこの曲。その鮮やかなヴァイオリンの掛け合いと音の広がりに 驚いたのは もう30年以上前。
今日はヴァイオリンが多かったので、1曲目と同様、明るい弦の音が冴えました。園田さんは主旋律をしっかりと流れるように聴かせるタイプ。決して奇をてらうようなことはしない、安心して聴ける指揮者。
アンダンテの第2楽章は反復を前後とも省略したものの、速い楽章は(私の読んでいるベーレンライター版で)反復の指示のある前半はしっかり繰り返しました。反復前後ともほとんど同じ。スコアを外見的に深く読んだと思われるのはメヌエットのトリオで弦の数をほぼ半分に削ったことくらい。
明るく 初夏の風を感じる『リンツ交響曲』が聴けました。

今日はこのあと 職場の車の移動の仕事。もちろん休日にやるのだから、余計な楽しみを加えて…

まずはお昼に、じゃじゃ麺(横浜で本格的なのが食べられます!)。

次に相模原市民ギャラリーへ。
お友だちから「私好みだよ」紹介された
萩原 義弘『ヤマに在り ヤマに還る』展


日本の廃鉱(廃坑)の写真展。メインの展示場ではなく、そこに続くちょっとした展示空間(廊下と小部屋)だけだったのですが、すべての作品にめちゃ惹き付けられました。
廃鉱めぐり、また行きたくなりました。

そのあとは、もちろん温泉。
今日は神奈川県北の
藤野やまなみ温泉♨️
露天風呂がとっても気持ち良かったです。
今日はここで夕食。トンカツ定食でお腹いっぱいになりました。


最後にもう1回、露天風呂。
三日月に金星がとってもきれいに輝いていました。


帰りの車は 涼しい空気をいっぱい浴びての森林のドライブ。気持ち良かったです🌿