≪中之島をウィーンに!≫日本テレマン協会第247回定期演奏会:大阪市中央公会堂 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

一昨日、4月のピリスさんのリサイタルのチケット取りに少し遅れたら、サントリーホールの1階の希望(許容範囲)の席が無い!タブレットで検索したら、P席(価格に対して許容範囲)で2席の空席があったので、それを購入。10000円予定が4000円で済んだので、今日、行きたかったけど『節約』で封印していた演奏会の封を切ってしまった😵💦

大阪のお友だちに
「行こうかなぁ~」と呟けば
「来ちゃいなよ~」に素直に従う。

ということで、昨日の勤務後、そのまま東海道本線に乗って、静岡の興津の駿河健康ランドへ。


一昨日の石和健康ランドでもらった割引券を活用。昨年末の自宅のボイラー壊れ騒動で、温泉(健康ランド)に気軽に行く姿勢が確立されちゃってる。

今朝は健康ランドを8時半に出発。東海道本線の各駅停車を乗り継ぎ西へ(年末にも2回通っている区間)。

↑富士山の頭がちょっぴり見える

お昼過ぎに大阪に到着。新今宮まで移動して、まずは新世界で散髪✂️✨


そのあと、たこ焼きとスマートボールに行くつもりがともにお休みという 残念なことになったので、車内がピンクの御堂筋線でなんばに移動。

今回は交通費分の大阪を観光しなきゃ、と、まずは自由軒へ。観光客ばっかりになってしまったうえに、観光地価格になってしまった(トンカツ定食より高い!)インディアンカレー(大盛り)。


ここは大盛りでも盛りは普通にしか見えないので、食事のハシゴは、大タコ。


昔は並んでいたのに この頃は周りのお店の方が混んでいる。安心できる味と大きなタコは変わらず。でも 観光地価格は致し方ない。
2ヶ所で食べてお腹が満足したので(淀屋橋)中之島へ。


 
協会創立55周年事業 ≪中之島をウィーンに!≫日本テレマン協会第247回定期演奏会 モーツァルト 協奏交響曲

18時30分~
大阪市中央公会堂 3階 中集会室

指揮:延原武春
ヴァイオリン:浅井咲乃
ヴィオラ:姜 隆光
テレマン室内オーケストラ(クラシカル楽器使用)


ここは1918年(大正7年)に竣工された、2002年に国の重要文化財に指定された、ネオルネサンス様式の建物。



この3階の大きな広間での音楽会は、モーツァルトの時代の公開演奏会により近い理想の環境。


テレマン協会らしいアットホームな雰囲気もいい。そして今日はクラシカル楽器での古典派のプログラム。これだと どうしても行きたくなっちゃいます。
オケは音の高さ順に並べる配置。
前から3列目中央の好位置で聴きました。

最初の曲は
🎵C.P.E.バッハ:シンフォニア 変ロ長調 Wq.182-2
音が出るまでどの曲かわからないスリリングさ。予想と違った曲でした。
第1楽章はエマニュエルらしい気分屋的な音楽で、頭の中が撹乱。でも 予想はできてるから 楽しい。
アダージョの第2楽章は、瞑想に耽るかの様な内面的な音楽。
終楽章のプレストは、明るくカッ飛ぶ。
ちょっぴりガット弦での演奏の弱さを感じるところもありましたが、楽章を追うごとに良い仕上がりになりました。

続いて
🎵W.A. モーツァルト:協奏交響曲 変ホ長調 Kv364
テレマン協会の浅井さんのヴァイオリンと姜さんの『スコルダトゥーラ調弦』のヴィオラ。姜さんのソロを聴くのは久し振り。
この曲の演奏で 必ずや問題にされるのが、ヴィオラの調弦。モーツァルトはヴィオラの弦をすべて半音上げるように指示して、そのように楽譜も書いている。ところが今では そんなややっこしいことはせずに、普通の調弦で弾くのが主流。ところが今日は、なんと、半音上げた『スコルダトゥーラ調弦』で演奏されました。つまり、変ホ長調の曲をヴィオラのソロの姜さんはニ長調で弾きました。


そのヴィオラの音色ですが、最初に耳にした時の違和感は、大きかったです。普通のヴィオラの音がテノールとすると、ここでのスコルダトゥーラ調弦の音は カウンターテナーくらいの違いになっていました。普通のヴィオラの音に慣れた耳には、男女の二重唱が女声の二重唱に変わったくらいの衝撃。今日1回では なかなか慣れなかったが素直な感想。でも曲が進むにつれて その違和感は小さくなっていきました。
演奏はキッチリとした端正な仕上がり。ソロの2人は、ソロに影響のない程度で トゥッティにも参加しながらの演奏は、内部のソリストらしいスタイル。
浅井さんのヴァイオリンは 特にクラシカル楽器らしい雅な音色が際立ちました。ヴィオラはスコルダトゥーラでそれどころではなかった💦
オケはオーボエとナチュラルホルンが健闘。安定感ある演奏は、クラシカル楽器を感じさせませんでした。その反面、各5のヴァイオリンがソロより弱かったのが残念。

休憩のあとは
🎵F.J. ハイドン:交響曲 第 103 番 変ホ長調 Hob.I:103「 太鼓連打」
コンミスに浅井さんが入って 6-5-4-3-2の編成。
冒頭のティンパニのソロは ロールだけでなく、カデンツァ風のダイナミックなもの。最後はロールをディミヌェンドしてオケに受け渡されて開始されました。それに対して ゴーダでのソロは、カデンツァのfのあとに直接オケに続けるスタイルは、音楽が締まりました。
ソナタ形式のアレグロの提示部の反復は省略はビックリ!聴衆のことを考えての判断でしょうか?
変奏曲の第2楽章では、ヴァイオリンソロの第4変奏で、オケのリピエノもソリ。ハ短調の厚い第3変奏との対比が際立ちました。ここでは反復はすべて実施しました(省略すると通作形式でハイドンが書いた変奏とのバランスが悪くなりますから、それはやはり無謀でしょう)。
メヌエットの第3楽章では、トリオで弦をすべてソリで弾かせて、弦とクラリネットとの絡み、受け渡しを明瞭にさせたので とても楽しく聴けました。
終楽章も堅実。初版ではなく通常版での演奏。音の綾がしっかり見える私好みのスタイルが良かったです。

フレージンクは私の持っているランドン校訂のフィルハルモニア版とは明らかに違うスタイルでしたが、とっても心地好い流れになっていました。
楽器の扱いでは、全体的に ティンパニを思い切り叩かせるアグレッシブな表現は延原さんならでは!また、ファゴットの強奏でビリビリという雑音まがいの(フォルテピアノのファゴットペダルの様な)響きが第2楽章や第3楽章で聴けました。とても鋭いスパイスとして効きました。
ただ、この作品は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの掛け合いが多いので、両翼配置だとさらに好印象だったかもです。

終演後、お友だちと大阪駅まで散歩。
そしてホームに上がってビックリ。もう21時ちょっと前じゃん。新大阪から新幹線の改札に入ると、終電一つ前ののぞみの発車まであと2分。食料を買うヒマもなく、グリーン車から自由席車まで歩くという忙しなさ。でも、しっかり窓側に座れました。平日の遅い新幹線はのんびりです。