PMFオーケストラ演奏会 川崎公演:フェスタ サマーミューザ特別公演 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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今日も仕事上がりに音楽会。
帰りの時間もまだ快晴。雨の心配は無さそう。それにしても暑い暑い。


PMFオーケストラ演奏会 川崎公演
フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2017 特別参加


19時~
ミューザ川崎シンフォニーホール
 
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
PMFオーケストラ
ヴァイオリン:ダニエル・ロザコヴィッチ


PMFのホームページの紹介文
『約1カ月の会期の最後に満を持して登場するのは、芸術監督ワレリー・ゲルギエフによるシューベルトの大作、交響曲第8番「ザ・グレイト」。シンプルなモチーフの中に秘められたロマンチックな美しさは、今も多くの人を魅了してやみません。また、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番ト短調のソリストでは、若き才能としてヨーロッパ全土を席巻する注目のヴァイオリニスト、ダニエル・ロザコヴィッチが日本デビュー!PMFオーケストラ「集大成」の演奏にどうぞご期待ください。』

私にとってみれば、初 ゲルギエフ!
実演どころかCDも持っていないので、興味津々。私の知ってるゲルギエフは、指揮者の形態模写の役者さんの芸の中で出てくる 髪の毛の薄い指揮者という程度。今日の先入観は髪の毛だけで、音楽については真っ白な状態で聴ききました。

今日の座席は舞台後方の(Pブロック)4列目 上手寄り。


最初の曲は
🎵ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲(ドレスデン版)
ワーグナーの版のことは わかりませんが、この頃、少し身近になってきたワーグナー。2回 オペラを観ているものの、記憶にまったく残っていない タンホイザー。
弦の響きは草の生い茂る草原を流れる風の様。ホワッとしたぬくもりを感じました。ゲルギエフさんの音楽はメリハリのあるわかりやすい組み立て。ワーグナーの歌が気持ちよく流れました。

続いては
🎵ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ト短調 作品26
なんと昨日聴いたばかりじゃあないですか。2日連続で異なるソリストと楽団で聴けるとは!
昨日より繊細なppのオケに乗ってソロヴァイオリンが語りだしたのですが、私にはダメでした。ビブラートがあまりに大きく、音がフニャフニャしているように聴こえてしまったから。そのビブラートが特定の音にのみではなく、すべての長めの音にまんべんなく掛けられていたから。
それを除けばとても叙情的で、農村地帯の風景の中にいるみたいな 広々としたのどかさを感じさせる音楽。特に中低音の包容力のある音や、第2楽章の自然への讃歌のような懐の大きな音楽が印象に残りました。
スウェーデン出身の16歳(名前を聞けば中欧の方かと思ってしまいます)。ビブラートの使い分けができれば、これからの活躍も期待できそう。

アンコールは
♪バッハ:無伴奏ヴァイオリンのパルティータ第2番~アルマンド
この演奏ではビブラートは控え目で、清々しい演奏が良かったです。

ブルッフのビブラートは何だった?
舞台後方でしたが、ヴァイオリンの音はしっかりと聴こえました!

休憩のあとは
🎵シューベルト:交響曲 第8番 ハ長調 D. 944 「ザ・グレイト」
私の好きな曲。実演ではサッパリとして全声部均質な演奏が記憶に残っています(マーク/都響、外山/読響)。
さて、ゲルギエフさんの今日の演奏は、一言でいうと『堅実』。極めてオーソドックス。第1楽章の提示部も反復。反復後も同じ繰り返しの様でしたが、ゲルギエフさんのちょっとしたアクションに敏感に反応するため、細かなバランスは反復前後で変わってきていました。
第2楽章では中間部以降のトランペットがハッキリとした旋律を絡ませるのがしっかり聴こえたので 大満足。これは私の座席ためかもしれません。
悠然とした第3楽章は、第1主題を提示したあとの3つの音(レ、#ファ、ソ~27,28,29小節)。そのあとの休符をゆったりと取って、ホールの上から反響音が下りてくるのが聞けたこと。思いきって音のシャワーをしっかり浴びれるテンポにしても良かったのでは…と思うのですが、このホールだけの公演ではないので、難しいでしょうね。
第4楽章では 対旋律まで豊かに聴かせてくれました。

若手の特別編成を短期間で仕上げたのですから、オーソドックスで仕方のないこと。ゲルギエフさんの堅実な音楽の中で 好反応をしたオケの真摯な演奏は楽しめました。きっと1回1回進化しているのでしょう。

今日はホールの入りが芳しくなかったのが残念。明日、都内で公演があるので 伸びなかったのかもしれませんね。

初ゲルギエフ、あの棒でオペラを指揮しちゃうとは… ビックリでした。