NISSAY OPERA 2016~モーツァルト:オペラ『後宮からの逃走』 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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川崎へから有楽町へ。
危うく浜松町で山手線に乗り換えるのを忘れるところだった💦

駅から軽食をと思い、宝塚の方へ歩いていくと、入ろうとしたお店が無い! どうしよう…と考える間もなく、日比谷公園。すでに紅葉が始まっている。



ベンチで日向ぼっこをすればポカポカ☀
気がつけば、お昼を食べていないのに開場時間。

NISSAY OPERA 2016
モーツァルト作曲 オペラ『後宮からの逃走』全3幕(ドイツ語歌唱・日本語台詞)


14時~

日生劇場

指揮:川瀬賢太郎
演出:田尾下 哲
管弦楽:読売日本交響楽団

太守セリム:宍戸 開
コンスタンツェ:佐藤優子
ブロンデ:湯浅ももこ
ベルモンテ:金山京介
ペドリッロ:村上公太
オスミン:加藤宏隆
合唱:C.ヴィレッジシンガーズ

美術:幹子・S・マックアダムス
照明:沢田祐二
衣裳:前田文子
ドラマトゥルク:庭山由佳
演出助手:田丸一宏
舞台監督:山田ゆか
合唱指揮:田中信昭
副指揮:大川修司、鈴木恵里奈、水戸博之
コレペティトゥア:平塚洋子、矢崎貴子

先行予約で来た席は、なんと前から4列目の中央という、願ってもないところ。最高の席で観ることができました。

開演前に、演出の田尾下さんと ドラマトゥルクの庭山さんとのプレトーク。歯切れのいい 端的な舞台観劇のポイントの解説がありました。

田尾下さんの演出は、分かりやすくストーリーを描いた、観てわかる組み立て。椅子と机を様々に組み立てて 舞台を作り出していきました。その動きがテキパキとあっという間の舞台転換が利く リズミックさが、観ていてとても心地よかったです。

また今回も、序曲が始まるや 舞台が明るくなり、その中で オペラの伏線となるストーリー(セリムが元々、スペインに居り、ベルモンテの父に結婚間近の許嫁を取られて、追放させられた件)が、それが音楽にピッタリと合った動きで!、演じられたのが良かったです。

配役では、やはり宍戸さんが ずば抜けた演技力で舞台を締めました。台詞の間を限界まで開ける緊張感はさすがでした。

歌手は全体的にハイレベルでの好演で、バランスの良いアンサンブルを聴かせてくれました。特に高音域での張りのある歌唱は安心して聴けました。ただ 低音域ではかなり苦労しているところも散見。安定した低音を聴かせることもできれば文句なしでした。

ただ、ジングシュピールでは、特に日本語の台詞なので、語りがしっかりしてほしいところはあります。今回、宍戸さんと共演する中で、台詞になると声が届かない、小声での台詞が横向き姿勢なので 私の席でも聴こえにくい、など 歌では存在感たっぷりなのに、語りで不満を覚えるところがいくつかありました。きっとレチタティーヴォの作品であれば そんなことはなかったのかなぁと 思いますが、若手のキャスト、次の機会に期待したいと思います。

そして演技を引き立てたのが、川瀬さんの躍動的な、それでいて繊細な音楽づくり。決して満足なリハーサルの時間は取れていないハズですが、序曲はもちろん 歌の伴奏の場面でも、歌手に寄り添い、そして引っ張りの八面六臂の活躍が光っていました。

カーテルコールで、最後(真ん中)が宍戸さんという『劇』に重点を置いた演出がとても良かったです。

これで9000円。お得すぎる公演、3時間10分を存分に楽しみました。