帰宅困難区域のバスに乗る旅 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

昨日のコンサートレポート等は(↓)こちらから😉

 


今日の予定を決める間もなく、昨日は日記を書いて寝てしまいむした。


今回のお出掛け、当初の予定は 昨日 常磐線でお昼に仙台入り。ただし 前日に湯本温泉泊で不通区間の代行バスに乗る予定でしたが、音楽会で変更。1日2往復の原発不通区間の代行バスは 朝イチ横浜発では間に合わないので諦めた次第。


今日は本来、仙台でオペラの予定でしたが、金曜日分の青春18きっぷが余ることもあり、新幹線代を考えると オペラは観なくてもいいかな…と考えていました。


そして今朝、起きると なんと9時前という寝坊。山形ビエンナーレの残りを観たいという気持ちも 来週からの愛知を見据えれば、無理する必要もないだろう。


と言うことで「青春18きっぷ」で横浜に帰ることにしました。


そこでどこをまわるか。
東北本線で 磐梯熱海温泉に寄り道か…
も ありましたが、十分な睡眠(寝坊)のおかげで、0時前帰宅でもいけそうなので、常磐線代行バスの旅にしちゃいました。

まずは仙台駅から、お昼過ぎの常磐線で亘理へ。




列車は浜吉田行きですが、相馬駅への代行バスは亘理駅での接続。ここは津波被害で 陸側に路線付け替えのため、開通が遅れている区間。


亘理駅から代行バス。2台で、先発が新地駅のみ寄るバスで後ろが各駅停車。私は先発のバスに乗り、17年振りに走る国道6号線。
途中、ここから先、津波浸水区域というような看板を見ながら相馬駅へ。海沿いを見れば 真新しいコンクリートの低めの高架橋の 新 常磐線が開通を待っていました。12/10開通の様ですね。




相馬からはまた列車。



原ノ町駅まで行くのですが、先日、原ノ町から2駅、南に伸びた区間、小高駅まで行く列車だったので 小高駅折り返しをしてくることにして乗りました。

この区間は両方向がバス代行となっている孤立した短い区間のため、電車内には広告のポスターがありませんでした。そしてそこには地元の小学校の児童の描いた絵が展示されていました。







またこの車輌も この区間だけの往復のため、洗車の設備が無いためか、窓ガラスの汚れは 相当なものになっていました。


原ノ町から先、小高までは荒れた風景の連続。除染で剥がされたままの庭。雑草が伸びきった耕作地跡。そして除染の土がはるか彼方まで積まさっている きっと使えなくなった耕作地あと。


南側の広野~竜田間と似た 寂しい風景になっていました。そんな中、除染の関係でしょう。真新しい真っ白なバラスト(線路を支える砂利)が煌めいていました。





列車の行かない次の駅は、素敵な木造駅舎のあった 桃内駅。震災前に その駅舎は壊されて、味気ない小さな待合室だけの駅になってしまいました。そこにはいつ、列車が走るのだろう~

そして 不気味な静かさな小高駅。





小高駅ではあっという間の折り返し。写真もゆっくり撮れませんでした。

原ノ町駅に戻って お昼。



食堂を探すも ここも人の居ない町。商店街を10分近く歩いた 町の小さな『ファミレス』

チキンチーズカツ定食を注文、セットのコーラが瓶で出てきたのにはビックリでした。



チキンかつに添えられたナポリタンが作りたてで温かく とても美味しかったのが めちゃ嬉しかったです。

時間まで 駅前のとってもおしゃれな南相馬市中央図書館で休憩。

そののち、16:55発の代行バスの竜田行きに乗車。この区間こそが 今回の目的。



原ノ町駅を出ると すぐの町外れに除染で出された土が、囲いの奥にたくさん置かれたままになっていました、



↑小高駅をバスの中から

小高の駅に寄った後は、乗用車以外、歩行者はもちろん自転車やオートバイも走行禁止の国道6号線を南下。福島第一原発による帰還困難区域を通るバス。ですから『窓を開けることが禁止』という条件もありました。



小高駅を過ぎると、国道から伸びる支道にはバリケードが築かれていました。




沿道の家には人気が無いどころか、地震で崩れたままの名残がある風景は、かなり異質。


また、ドラッグストアやコンビニの中には商品がそのままの店舗も散見。こうなると もう気持ち悪い世界。

バスの中には線量計があり、車内の線量と車の経路を通しての線量がテレビを通して道路地図の上に示されていました。線量は南相馬市では低かったものの、浪江町に入るくらいから値が上がり出して、第一原発のそばでは4マイクロシーベルト/時という値を示しました。


その急激な上がり具合を見る限り、この目に見えない問題の大きさを感じることができました。

↑福島第一原子力発電所の方に(から)延びる送電線

およそ1時間、無人地帯と化した国道6号線を走って、楢葉町の竜田駅に到着。



ここは今年の元日に 温泉に入りに来たところ。とても良いお湯の温泉が駅から歩いて30分ほどのところにあるのです。今日はもちろん寄る時間は無し。来年の元日にまた来ようかな~などと思い、ホームで30分待ち。日暮れの全町避難が解除されても まだ誰も戻らない町は 虫の声が響く秋の風が流れていました。

日暮れとともに、私は、いわき~水戸~上野~東京と乗り換えて、横浜には23:30過ぎの到着予定。
本を持ってきて正解。 ゆっくり帰ります!