東北の素晴らしき仲間たち 神谷未穂 室内楽の薫りシリーズ | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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梅雨空の首都圏も午後から晴れたので 傘を職場に置いてのお出掛け。それにしても、今年は降らない。前線帯がすでに北にあるって 何? オホーツク海高気圧はどうなってるの?

そんな蒸し暑い首都圏で 今夜は

東北の素晴らしき仲間たち 神谷未穂 室内楽の薫りシリーズ
『ブーケ・ド・シャンブル Vol.2』
~フランスバロックの饗演~

近江楽堂
19時~

ヴァイオリン:神谷美穂、小池まどか
ヴィオラ・ダ・ガンバ:エマニュエル・ジラール
チェンバロ:梅津樹子


4月の仙台フィルの東京公演に入っていたチラシで知った公演。

神谷さんが最初に出てきて、今日の演奏会の趣旨をお話されてから、演奏が始まりました。

最初は 小池さん、ジラールさん、梅津さん
🎵マレ:聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘の音
実質、変奏曲形式のこの曲、小池さんのアクセントの効いたヴァイオリンの音と、徐々に加えられていく装飾の舞いが 鮮やかかつ華麗でした。小池さんのヴァイオリンの芯のある それでいて曲線的な演奏が素敵でした。そして この小さな反響豊かなホールでは、ガンバの音が豊潤すぎるくらい。

続いて神谷さんと梅津さんで
🎵ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 Op.9-3
この曲は他の演奏家の組み合わせでも聴いたことのある曲。
この美しい作品、特にガット弦のヴァイオリンの重音の美しさが傑出していました。
A(反復A)BA形式の終楽章では最後最後にちょっぴりアッチェレランドをかけてpで締めるお茶目さに ビックリさせられました。

前半の最後は4人で
🎵ルクレール:序曲とトリオ・ソナタ Op.13-3
3つの伴奏楽器つきヴァイオリンソナタって感じの 第1ヴァイオリンメインの曲。神谷さんのバロックヴァイオリンの安定した演奏は 本当に安心して聴けました。
私的には 伴奏組との掛け合いが無く、編成の面白さを十分に活かせてはいない作品って感じも… ヴァイオリンソナタの魅力とは格段に差を感じてしまいました。

休憩のあとは
ジラールさんと梅津さんで
🎵フォルクレ:ヴィオール曲集 組曲第4番~1-2-3-6曲
ガンバの魅力を存分に!ってところ。
第2楽章などはチェンバロ無しで聴きたいくらい、ガンバが充実した音を鳴らす曲。第6楽章では やはりパリの教会の鐘の音を描写するあたりは、今日の最初の曲との繋がりを感じさせる絶妙なプログラムづくり。

最後の曲は4人で
🎵テレマン:パリ新四重奏曲 第6番 ホ短調
小池さんが1stに入りました。
6つの性格のまったく異なる楽章からなる作品。この作品ではガンバが通奏低音から独立しており、すでに古典派の息吹が感じられる作風。
3つの弦の掛け合い中心に曲が組み立てられているので、そこでの対話が楽しめました。特に第2楽章の中間部では、チェンバロがお休みをして 弦3つの音のみでしたが、その調和した弦の響きの美しさは絶品でした。
小池さんの柔らかな装飾の まるで花火ような輝きが素敵でした。そしてそれにピッタリと和してくる神谷さんの演奏は そう、コンクールの時のコンミスの見事さに重なりました。

後期バロックのフランスをテーマにした とても粋なプログラムが楽しめました。唯一残念だったのは、チェンバロのソロの作品が無かったこと。ガンバを無伴奏の曲にして、チェンバロのソロの曲と組み合わせれば良かったのになぁ~ って。

近江楽堂という小さな空間での音楽会。やはりここは贅沢なホールですね。