仙台国際音楽コンクール ヴァイオリン部門 セミファイナル:第1日 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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旅と鉄道と温泉が大好き。
そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

厳戒態勢の新幹線。東京から『赤いこまち』で仙台へ。デッキと客室の間の扉に稲穂が!
東京駅で待っていたら 隣の『あさま』の725系の車番の前にWがあり、もしや!と思い車内をのぞけば やっぱり車内誌がJR西日本。直後に向かいのホームに入ってきた725系『はくたか』は頭にEがあり、これは電車のEではなく 東日本ってことかと納得。この頃 東北新幹線に乗る回数が減っているから ちょっぴり浦島太郎になっているようだ。JR西日本の車両が東京駅で見れるとは! 早く北陸新幹線が全通して、金沢経由 新大阪行き『白鳥』号が見たいですね。
因みに『白鳥』は当初、大阪から北陸経由の上野行きの特急の名前でした。

さて、今日は仙台。
町中をちょっぴり歩けば、食べる…



仙台での私のお決まり:その1

Suicaが使えるようになった地下鉄で旭ヶ丘まで移動。

仙台国際音楽コンクール ヴァイオリン部門 セミファイナル



第1日目
18:00~
日立システムズホール コンサートホール



指揮:広上 淳一
仙台フィルハーモニー管弦楽団
コンサートマスター:神谷 未穂

セミファイナル
次の①②の両方を演奏する。
① シューマン: ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
② 次の曲目から1曲を選択すること。
・サン=サーンス:序奏とロンド・カプリッチオーソ op.28
・サン=サーンス:ハバネラ op.83
・サラサーテ:カルメン幻想曲 op.25
・ラヴェル:ツィガーヌ


審査員
堀米 ゆず子(審査委員長)
堀 正文(審査副委員長)
ロドニー フレンド(審査副委員長)
ボリス ベルキン
マウリシオ フックス
ホァン モンラ
加藤 知子
ヤンウク キム
ギドン クレーメル
チョーリャン リン
レジス パスキエ
竹澤 恭子

前から4列目左ブロックの一番内側。ソリストを斜め前に見る絶好、音的にはちょっぴり前過ぎ、の位置で聴きました。



18:00~
青木 尚佳、AOKI Naoka:日本
・シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
安定した好演。
第1楽章の短調から長調に変わる瞬間の色の変化は絶妙。
ソロの分散和音的動きで旋律と伴奏を一緒に聴かせる部分では 旋律線をハッキリと描き出しました。

・サラサーテ:カルメン幻想曲 op.25
最初、ちょっぴりテンポが手探りって感じもありましたが、ハバネラからはオケとガップリ四つ! 高音の安定感と美しさは見事でした。とても楽しい演奏でした。

楽器の音は存分に出てはいましたが、音色がかなり硬かったのは 楽器の性質でしょうか…


続いて
18:40~
スティーヴン・キム、Stephen KIM:アメリカ
・シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
楽器の鳴りの良いこと!
ロマンティックな表現。分散和音的な部分では響きを醸し出すようにして、高音部をそれほど目立たせなかったのが、青木さんと対照的。

・サン=サーンス:序奏とロンド・カプリッチオーソ op.28
こちらもロマンティックで表現豊か。ただ呼吸とオケへのアクションが感じられない。なのでオケが大変そう。なので広上さんの見事な合わせ技が冴えました!って 違うでしょ!

ここで休憩。でも時間が押していて短いこと!
19:40~(実際には19:55~)
ユリエ・スヴィエツェナー、Julie SVECENA:チェコ
選択曲
・シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
テンポが遅めで 冒頭のオケの音の重たいこと!前半の2回と明らかに違う。それだけでワクワクしちゃう。もちろんそれに合った演奏が繰り広げられました。
16分音符ひとつひとつを丁寧に弾いていました。ただ 分散和音の件では逆に旋律と低音の音が連続してしまい、ジグザグ感いっぱいになっていたり。これはバッハを聴くようになった耳では、ちょっぴり不十分って捉えてしまう。
重心の低いどっしりとしたシューマンはスコアを見ながらは効果覿面。第2楽章の美しさが光りました。

・ラヴェル:ツィガーヌ
じっくり系のシューマンだったので、こちらも… と思っていたら、冒頭からガツンと重心は低いけど なかなかの速さにやられました。ただ チェコの方なので それぞれの舞曲を鮮やかに弾き分けるだろう…は 期待しすぎ。安定感重視の楷書的演奏って感じでした。


20:20~
アンナ・サフキナ、Anna SAVKINA:ロシア
・シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
スヴィエツェナーさんのあとなので、オケの入りが爽やか?に聴こえるのがおかしい。この曲に爽やかさなんて、ミジンコくらいしか無いのに…
ソロが出てきて、あれっ? 音が小粒。
フレーズ毎に細かい表情を織り交ぜてくる 安定した演奏。フレーズの最後をそっとオケに渡すような感じがオケとの一体感、そして安心感。分散和音の中から旋律が浮かび上がってくる感じもしっかり。
第2楽章のチェロソロ、第3楽章では管楽器との掛け合い、それぞれをしっかりと受け止めたサフキナさんの演奏は、私好みのものに仕上がってきました。
「ブラボー!」掛けました。

・ラヴェル:ツィガーヌ
冒頭の長いソロは安定感重視のような感じだったのですが、その後はそれぞれの舞曲ごとに 鮮やかに 民族色あふれる演奏が聴けました。


コンクールのセミファイナル初日。充実の演奏が聴けました。シューマンのヴァイオリン協奏曲を4回、スコアを持って行ったおかげもありますが、飽きることなく しっかり聴けました。
4人ともですが、みなビブラートが過剰気味だったのが気になりました。私は特に第3楽章の168小節と169小節の符点4分音符はどちらかをビブラート無しでと拘りたい場所のひとつですが…

仙台フィルと広上さんの4者4様の演奏の描き分けは 本当のファインプレーでしょう。

ファイナルに進める人は今日の中から出るだろうか?
私は終演後、サフキナさんの演奏のCDを予約しちゃいました(コンクールの演奏、CDが予約限定で買えるのです!)。

では、また明日💪