日生劇場:モーツァルト 歌劇『ドン・ジョヴァンニ』 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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久し振りの雨。生憎というより 植物にとっては恵みの雨☔今日はさすがにシャツだけでの外出は無理。カーディガンを引っ張り出しました。

日生劇場
14時~
🎵モーツァルト 歌劇『ドン・ジョヴァンニ』

指揮:広上 淳一
演出:菅尾 友
管弦楽:読売日本交響楽団
合唱:C.ヴィレッジシンガーズ

美術:杉山 至
照明:吉本有輝子
衣裳:堂本教子
映像:須藤崇規
ドラマトゥルク:長島 確
演出助手:喜田健司
舞台監督:幸泉浩司
合唱指揮:田中信昭
コレペティトゥア:平塚洋子、矢崎貴子

ドン・ジョヴァンニ:加耒 徹
騎士長:斉木 健詞
ドンナ・アンナ:中江 早希
ドン・オッターヴィオ:金山 京介
ドンナ・エルヴィーラ:林 美智子
レポレッロ:久保田 真澄
マゼット:桝 貴志
ツェルリーナ:見角 悠代


毎年秋の恒例、日生劇場の学校向け公演の一般公開。今年の一般発売はダブルキャスト各1回公演。今日、明日の公演で発売早々に完売。私は発売当日に2階の9列目の中央右ブロック、B席 5000円を入手。後ろから3列目ですが、舞台までの距離感はあまり感じられない しっかり観ることのできる位置でした。



今日は開演前に、菅尾さんと長島さんの30分のプレトークがあるとのことなので参加しました。
菅尾さんの演出に当たっての思いが語られましたが、
・ドン・ジョヴァンニを女たらしではなく、自由な騎士として描いていく。当初はサッカーのロナウドと考えた。その後はピーターパンになり…
そこでレポレロの位置を従者というより、ロナウドのファン。ゴールシーンを収集するのが カタログに当たると!
・蘇る騎士長は、自由に対する世間の声、今でいうならTwitterやFacebookの炎上。そのためドン・ジョヴァンニが消えていく!
・衣裳は伝統を尊重しつつ、モダンな色彩を加えた 丸いシルエット。
・舞台は奥行きを最大限利用した回転装置に階段を舞台上に設えた。
・回転しながら舞台から去る時の照明の当て方も照明さんの拘りがある。
・映像の使用は最低限、ドン・ジョヴァンニの地獄落ちの場面でのみ。映像に頼らない演出を心掛けた。
・舞台(歌)では、ドン・ジョヴァンニがいない場面での他の6人の思いがポイントだと思う。果たしてドン・ジョヴァンニは実在の人物なのか?まで 追求してみたい。
・最後に、今回のチラシのドン・ジョヴァンニの『ヴ』の下を伸ばしたのは、ピーターパンをイメージしたものです!



等…

演出家によるお話だけに、観る手助けになる内容でした。

以上、鑑賞前に書いたところ!
ここから観終わって。17:40に拍手が引けました。

幕が開く最初のアリアで、一言一言大きな間を空けて言葉を大切に始まるので、これは… と思うも、ここだけ。あとはモーツァルトの音楽を忠実に!
8人の歌手は皆さん水準以上の充実したレチタティーヴォとアリアを聴かせてくれました。音楽的には日本で聴ける最高水準に近いレベル。歌唱では文句無しでした。
ただ 残念だったのが忠実すぎて 有節のアリアなど同じ旋律が2度出てくる曲で 2回目も同じ旋律で歌われたこと!装飾を入れるなどの歌手の自発性を生かすことが行われていませんでした。古楽系で活躍している歌手も入っていたので、これは指揮者(演出?)からの縛りでは?と…
オケは健闘。様々な位置で歌うアリアにもしっかりとつけていました。弦はビブラートを掛けない雅な音が素敵でした。とても風情がありました、が、第2幕に入ると、ちょっぴり音が安定しなくなってきた(疲れ?)のが残念でした。

舞台は袖の高い位置からの階段が回転舞台のところに3段階の高さで伸びており、舞台中央の回転する階段がそこに接続するというもの。それで舞台の風景を観る人がイメージしながら…というもの。
私はどうにもこのオペラはストーリーが気に食わず、どんなに良い舞台を観ても満足いかないという症状を持っています(CDを聴くだけなら、最高!なんですけど…)。今回はドン・ジョヴァンニ読み替えをしているとあったので 期待したのですが、それを感じられたのは 最後、地獄に落ちたあとの次の行き方を歌う終曲と時に、舞台後ろの高い位置を 吹っ切れたように明るく駆け抜ける姿が輝いていた、それだけ!そう、それこそがピーターパンに通じるものとして捉えられました。
そして私が最後まで残念だったのは階段の使い方。階段を差別化せずに使っていたこと。確かプレトークで階段はヨーロッパの通りをイメージした、というのを聞いたような… ならば尚更、階段を色分け(例えば誠実、貞節、利己、愛欲…などと)しておけば とても分かりやすかったのに… 時には回転しながらや階段をあちこち動きながらの歌唱が 煩わしく思えました。
つまり、折角の階段がただの移動手段、鑑賞者の場面変化の手助けだけだったので 私にはロナウドやピーターパンに通じるヒントが見つけられませんでした。つまり、最後の最後まで従来のドン・ジョバンニの印象のまま観ることになりました。プレトークで期待した分、ここは逆にマイナスの印象となってしまいました。

それにしても 一番高い階段は5mくらいの高さ。そこの端に立って歌う場面『シャンパンの歌』などは 怖くないのかな? と こちらが心配しちゃうほど。
今回は階段上でストーリーが進むため、1階席の前方などでは 音が頭の上を飛んで行っちゃったのでは?と思うほど。1階のS席を買わずに正解でした!歌手全員の声がしっかり聴こえましたから!

照明はスポットライトも多用。出演者を追いかけを丁寧にやっていました。細かいライティングまでしっかりとしていました。

今回 無料でプログラムが配布されましたが、幕毎のアリアの説明が無し。演出やドン・ファンからドン・ジョヴァンニへのストーリーの変遷など、とても参考になる内容でしたが、オペラ初心者にはちょっぴり不親切な感じもしました。学校鑑賞ではきっと違うプログラムでしょうね。

今日は未明から喉の痛みで目が覚めてしまい、熱っぽいのと眠いののダブルパンチ😷ちょっぴり頭が冴えない状況で、風邪薬と栄養ドリンク2本で頑張りました。感想にその影響がないとは言えません💦

今日は真っ直ぐ帰宅して早寝します😌🌃💤