東京藝大 うたシリーズ2015「山田耕筰没後50年」 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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そして、クラシック音楽も好きなもんだから、音楽会を理由に、日本国内を旅しています。
音楽と旅を中心に、日記を書いていきます!

今日はお昼から都内へ🚃
昼食に混んでいるカレー屋を避けて、小川町の大阪から来たお気に入りカレー屋に行けば あり得ない満席!なにかと思えば 先週の『神田カレーグランプリ』やらで優勝したらしい。これでお店は安泰ですが、混むのは勘弁だなぁ。
その後は神保町界隈で、山屋と古本屋と中古CD屋巡り。

そして今日の目的は

東京藝術大学奏楽堂
15時~

うたシリーズ2015
「山田耕筰没後50年」


大学のHPの案内は以下の通り。
『2015年は山田耕筰没後50年に当たります。定例となりました「うたシリーズ」でも今年は山田による日本歌曲を取り上げない訳にはいかない……との声楽科の想いから企画がスタートしました。日本歌曲というジャンルを明確に打ち立てたとされる山田ですが、《この道》《からたちの花》等名曲の数々、「幽韻」「AIYANの歌」等の聴く機会の多い連作歌曲に加え、ドイツ語・英語テキストによる歌曲も取り上げました。また器楽科教員による歌曲の器楽版作品も楽しみのひとつです。皆様と共にこの年この作品群を堪能したいと思います』

久し振りのうたシリーズ。今日も自由席なので安心して開場時間に行けば 長蛇の列。当日券で前から7列目。平戸間の真ん中に座れば、開演前には満席。前方サイドに空席があるものの、最後列までびっしり!
当日券 あって良かった、って感じ。

今日は2時間半のボリュームたっぷりなプログラム。出演者も藝大教授陣の豪華ラインナップ。因みにこれが2000円!めちゃお得!

最初は
🎵「この道」「葱坊主」「赤とんぼ」
平松英子:ソプラノ、高木由雅:ピアノ
山田耕筰を代表する有名な2曲。西條八十の葱坊主の詩は笑えました。

次は
🎵「鐘が鳴ります」「待ちぼうけ」「六騎」
福島明也:バリトン、植田克己:ピアノ
遅いテンポの曲が続いていたので「待ちぼうけ」の新鮮さが際立ちました。

🎵ピアノのための『からたちの花』
ピアノ:植田克己
こんな曲があるとは! からたちを鮮やかに変奏させている佳曲。聴けて良かった!

🎵「漁師の娘」「愛する人に」
佐々木典子:ソプラノ、千葉かほる:ピアノ
これはドイツ語の歌曲。R.シュトラウスの歌曲といえば私なら騙されそうな 美しい曲でした。

🎵「道成寺の鐘」「江戸の踊り子の歌」
甲斐栄次郎:バリトン、鈴木真理子:ピアノ
これはなんと英語の歌詞の曲。1918年にニューヨーク滞在中の作品だそう。安珍と清姫が英語で語られました。


🎵Sühne(贖罪)
寺谷千枝子:メゾソプラノ、鈴木真理子:ピアノ
ドイツ語の大規模な作品。これは聴き応えがありました。

ここから器楽曲で
🎵フルートとピアノによる「この道」を主題とする変奏曲
フルート:高木綾子、ピアノ:植田克己
なんと素敵な曲でしょう。フルートの楽器の特性を存分に聴くことのできる「この道」の8つの変奏曲でした。
『うたシリーズ』なのですが 私的には今日の白眉!

🎵ヴァイオリンとピアノによる《荒城の月》
ヴァイオリン:澤和樹、ピアノ:植田克己
山田耕筰と「荒城の月」といえば、半音下げちゃったことが有名。この曲でも しっかり下げた旋律を基に ヴァイオリンの技巧をみせられるように作られていました。山田の室内楽、なかなかいいです!

休憩のあと
🎵歌曲集『雨情民謡集』
「捨てた葱」「紅殻とんぼ」「二十三夜」「波浮の港」「粉屋念仏」
吉田浩之:テノール、千葉かほる:ピアノ
日本の薫り高い作品。歌詞も曲もそれは見事。

🎵歌曲集『幽韻』
「花の色は」「忘らるる」「あらざらむ」「玉の緒よ」「わが袖は」
菅英三子:ソプラノ、鈴木真理子:ピアノ
アメリカ滞在中に書かれた作品で最初は英訳に曲がつけられた様。百人一首の歌に曲がつけられていました。やっぱりこの歌詞ならば日本語がいい。

🎵歌曲集『風に寄せてうたへる春のうた』
「青き臥床をわれ飾る」「君がため織る綾錦」「光にふる日に舞へる」「たたへよ、しらべよ、歌ひつれよ」
櫻田亮:テノール、高木由雅:ピアノ
日本語の美しさが香り立つ詩につけられた曲。詩を語るように歌われる作品。無用なリフレインなどなく、詩を引き立たせるような曲が見事!

🎵歌曲集『AIYANの歌』
「NOSKAI」「かきつばた」「AIYANの歌」「曼珠沙華」「気まぐれ」
永井和子:メゾソプラノ、森裕子:ピアノ
これは山田を代表する歌曲。白秋の詩に最初に曲をつけたのがこの曲集とのこと。

🎵『ロシア人形の歌』
「ヴェドロ」「ヂェーウォチカ」「ニャーニュシカ」「カロゥヴァ」「ロートカ」
勝部太:バリトン、千葉かほる:ピアノ
なんとも面白い曲。解説によれば、 巴里 に行く途中で寄った莫斯科で約束をした、その帰りに開く演奏会のために作った子ども向けの作品。

今日は山田耕筰の歌曲を中心に多くの作品を知ることができました。
演奏は懐かしい方々があとからあとから、夢のような会になりました。
日本語の歌では、やはりビブラートは苦手。そのため女声が私には合わない感じ。私的には吉田さんの声(歌)が一番しっくりきました。また、懐かしい(私が合唱で唱った第9でソリストをしてくれた)勝部さんの熱演も素晴らしいものがありました。
そんな中、寺谷さんの素直な声が女声の中では光っていました。1曲だったのが 残念でした。
今日の曲では伴奏まで聴く余裕はありませんでしたが、終演後、高木由雅さんの名前を見て 名前にハッとしました。いつ どこで 何を聴いたのだろう?

次回 行く予定にしていた藝大公演のチケットを購入しようとしたら、なんと完売。あり得ない😱
参りました💦

暗くなった上野公園には日本の美、浮世絵の描かれた行灯のあかりが優しかったです。




↑浮世絵の松はこれ