日本テレマン協会 第228回 定期演奏会J.S.バッハ マタイ受難曲 :いずみホール | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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今日は焼津から東海道本線の各駅停車で出発。豊橋と米原の乗り換えで大阪まで。豊橋の乗り換え時に、コンビニで天むすを仕入れて朝食。

お昼過ぎに天王寺の旅館に荷物を預けて、ビジネスパークでお友達4人と待ち合わせ。昼食とお茶。

そして
いずみホール
16時~

日本テレマン協会 第228回 定期演奏会
J.S.バッハ マタイ受難曲 BWV244



以下はHPにあった この公演の紹介文
『日本テレマン協会は室内オーケストラと合唱団を擁し、バロックから古典派の音楽を専門とする団体として、カトリック夙川教会での教会音楽シリーズではG.F.ヘンデル作曲「ブロッケス受難曲」、G.Ph.テレマン作曲「マタイ受難曲」など、多数の宗教曲を演奏してきたが、宗教曲としては定番であるJ.S.バッハのマタイ受難曲を取り上げるのは意外な事に13年ぶりとなる。音楽監督であり指揮者でもある延原武春がこれまで追い求めてきた「バッハ像」と、マタイ受難曲の持つ、ある意味「華美」とも言える一面が相いれなかったことがその一因である。しかし、延原は近年、これまで取り上げて来なかったブラームスやドヴォルザークなど、ロマン派の作品に多く触れ、殊に19世紀にマタイ受難曲の復活上演を果たしたメンデルスゾーンのオラトリオ「パウロ」と「エリヤ」を演奏することで、それらの曲の「原点」とも言うべきマタイ受難曲の演奏に踏み切るに至った。昨年10月の定期演奏会では、同曲からの引用が多数見受けられるC.P.E.バッハ作曲「マタイ受難曲」の関西初演も果たしており、音楽史上での同曲の位置付けを確固たるものにした上での、満を持した取り組みと言える。
 また延原は、マタイ受難曲にはその華やかさから、オラトリオ的な性格があると考えており、今回は「バロック風ジェスチャー」付きの公演となる。舞台の中央を広く空け、イエス役の高曲伸和がそれぞれの場面に応じた振りを披露する予定となっている。』

今日の席は 1階の前方が2ランクある下のランクの席とのことだったので、センターブロックを確約して、当日チケット購入。なんと1列目のど真ん中でした!

モダン楽器で左右に第1と第2のオケと合唱が配置されました。
バロック楽器を期待もしたのですが、モダン楽器で 特に管楽器の音が安定したのが良かったです。

🎵J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV244
指揮:延原 武春
福音史家/新井 俊稀
イエス/高曲 伸和
ピラト/篠部 信宏
カウンターテナー/M.テイラー
ソプラノI/渡辺 有香
テノールI/眞木 喜規
バスI/篠部 信宏
ソプラノII/高津 綾子
アルトII/塩見 典子
テナーII/鹿岡 晃紀
バスII/林 康宏
合唱:テレマン室内合唱団
管弦楽:テレマン室内オーケストラ

今回、HPにあったように 振りをつける云々とありましたが、それはとても小さいもの。期待して行けば「幻滅」、期待しないで行けば「なかなかやるやん」というレベル。最初の試みとしては、やり過ぎと感じることもなく、これからのオラトリオの演奏会に期待ができるスタートが切れたのではないでしょうか。私は以前から、オラトリオに演技を入れて『見たい』と思っていたので、この試みはもろ手をあげて賛成しちゃいます。

今日は休憩20分で終演が19時30分前という長丁場。
マタイだけあり、飽きることなく、特に第2部はその程よい緊張感もあり、あっという間の3時間になりました。

その演出ですが、そのコンセプトは『現代で受難の物語を思い出す』とのこと。福音史家から白い衣装を渡されて、その人が『イエスの役』を演じることから 始まる。私的には その後のイエスの動きは小さく やるならもう少し!とちょっぴり物足りなさも感じられました。

延原さんの音楽作りは、キビキビした揺れの少ないテンポで、装飾も加えない、バッハの音楽をそのまま描いた演奏でした。

オケも健闘。第2部での第1オケのヴァイオリンソロ、浅井さん、は安定した見事なオブリガートを聴かせてくれました。それに続く第2オケのヴァイオリンソロ、三谷さん、も表情豊かなソロ。この2曲だけ、ソロが舞台前に立っての演奏。他のソロは自席でおとなしく演奏したのがちょっぴり残念でした。そんなソロで最も光ったのは、第2部でのヴィオラ ダ ガンバのソロ。第2部でオケの中に入り、コラールでチェロのパートを弾いていたのも良かったのかもしれません。速めのテンポでしたが安定した音で 安心して聴くことができました!

歌手陣は、ほとんどがテレマンのメンバー。カウンターテナーのテイラーさんは初めて聞く名前。特別に招聘したのか テレマンのメンバーなのかはわかりませんでしたが、今日の歌手の中では 抜群の張りと輝きの歌唱を聴かせてくれました。特に第2部、それまでの黒い服装から、シャツを真っ赤に替えての登場に 衝撃的でした。「憐れみたまえ」の歌唱は服装にも推されて、その緊張感は極限での素晴らしい歌となりました。

他の歌手も健闘。中には一言だけの役の方が輝いていた場面もありましたが…
ユダの林さん、ピラトの篠部さんが印象に残りました。
福音史家の新井さんも 冒頭の数分、喉が温まるまではハラハラでしたが、その後の長丁場の安定した語りは見事でした。ただ、私の本当に個人的な見方ですが、イエスの生涯を語る福音史家には『若すぎる』ように思えてしまいました。
同様のことはイエスの高曲さんにも。いずみホールに対して歌唱の弱さを感じられたのが残念でした。

しかし、自前のメンバーで十分なレベルの公演を完成させられるテレマン協会は 見事。これが4000円で聴けることに感謝です。

終演後、お友達2人と新世界へ繰り出して ふぐ料理で反省会。



バッハの🎼音楽と🐡フグで満たされた1日になりました。