神奈川フィルハーモニー管弦楽団 定期演奏会 音楽堂シリーズ第2回 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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夏 真っ盛り󾀀

今日は歩いて5分の神奈川県立音楽堂で
15時~
神奈川フィルの定期演奏会 音楽堂シリーズ第2回
指揮:鈴木 秀美


プレトークは20分たっぷり、E.バッハからハイドン、ベートーヴェンの関係についての興味深いお話がありました。

今日の弦は10-8-6-6-5という 低音まで充実させた両翼配置の編成。
プログラム前半 最初は

󾠓C.P.Eバッハ:シンフォニアニ長調 Wq.183-1🎵

チェンバロに上尾 直毅さんが入りました。
疾風怒濤のE.バッハらしい作品。この作品は92年に井上道義さんの東京フィルで名演を聴いたのを 昨日のように覚えている。
今回はそれを上回るアグレッシヴな解釈。厚い弦楽器が効果てきめん!
第1楽章の奇妙なシンコペーション、第3楽章の急停車と急発進を繰り返す、気ままな性格のメリハリを効かせた自信あふれる演奏は痛快でした。

続いては鈴木さんお得意の

🎵ハイドン:交響曲第88番ト長調 Hob.1:88「V字」

リベラ・クラシカの時と同様に生気溢れる表現。

この曲で最も光っていたのがティンパニ。七変化の音色を駆使し叩き分けたバロックティンパニは見事でした󾀍
第1楽章は後半も繰り返し。普段は意味を成さない最後の1小節の全休符が生きました!
性格の急変がE.バッハに似た第2楽章。今日のプログラムではピッタリ嵌まる感じがいい。
メヌエットのトリオでは両ヴァイオリンの旋律をソロにするなどの手を加えたり、ヴィオラのドローンを強調するなど民族音楽性を強調しており、各楽章の性格の違いを明確に出していました。メヌエットの後半も繰り返す完璧な演奏。

後半は

🎵ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 Op.67「運命」

まさに圧巻。

惜しむらくは 第1ヴァイオリンの、特に弱音で始まるフレーズの冒頭の音が不安定で濁るのが気になったこと。
冒頭の運命の主題、フェルマータを短め、最初のがほぼ2分音符の長さにはビックリ!第1楽章後半、オーボエのカデンツァは美しく じっくり󾭠また、小さな木のホールだから、再現部でのファンファーレがファゴットになるところでの貧弱さはまったく感じられない。
第3楽章はベーレンライター版、もしくはギュルケ版の様に、謎の2小節を解決させた、冒頭に反復する5部形式で演奏。気合いのトリオが2回聴けました。
そして、これぞハ長調の第4楽章。幅広い雄大な音楽にどっぷり浸れました。

演奏のあとは 40年通っている音楽堂で初めてってくらいの熱い拍手になりました。


この興奮の坩堝をクールダウンさせるべく、KKさんなら絶対にやらないだろうけど、鈴木さんは アンコールで

🎵ハイドン交響曲第77番 変ロ長調~第2楽章

演奏会のあと、素敵な曲だったね~、という声が聞こえたのがハイドン好きな私には 嬉しかったです。

演奏会後恒例のサイン会。私は持参のCDでしたが、聴衆の方々には ハイドンの交響曲第77番の録音があれば良かったのになぁ、と私の感想。

ビブラートを極端に減らした、でも一部にはバリバリビブラートかけている奏者もいたりと、ちょっぴり統一感の欠く神奈川フィル。鈴木さんの牽引には山形響や名古屋フィルに比べると明らかに重たかった感じがありました。


帰りも徒歩5分。今日はお出かけした気分が無い1日でした。