新日本フィルハーモニー交響楽団 第524回定期 1日目 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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朝からどんどん気温が下がる。15℃を超えると夏服になる、でも10℃を切ると冬服になる、私は 大変。天気予報を見ない私は無謀にも、夏服で出勤した󾍁
夕方の寒さは ナンジャイ󾬄

ひたすら屋外に出ないようにしながら、仕事帰りに向かったのは、


新日本フィルハーモニー交響楽団 第524回定期演奏会 第1夜


すみだトリフォニーホール。
今日は19時15分~


指揮:上岡 敏之



今 最も個性的できめ細かい演奏を聴かせてくれる実力派のドイツ在住の指揮者。今回のプログラムは私のお気に入りということもあり、今日、明日の同一公演の聴き比べで 半年前にチケット確保。

そうしたら、今日、上野で、やはりお気に入りの団体も公演があり、悩んだのですが、私のポリシー「チケットを無駄にしない!」に従い、新日本フィルにそのまま向かいました。


今日の席は前から2列目中央やや左、コンマスの真横の位置。コンマスは西江さんを期待したのですが、12月のリサイタルに合わせて? 案の定、崔 文洙さん。先日の大阪フィルに続いて、東西で連続してコンマスを聴くことになりました。またファゴットには河村さんの姿もなく、残念󾌹オーボエとフルートは古部さんに白尾さん。今日は古部さんのソロが凄かったです!

前半は

🎵シベリウス:交響曲第4番 イ短調 作品63

渋すぎるこの曲が単独で、つまりシベリウスの交響曲全曲チクルスなど以外で、プログラムに乗るなんて 滅多にない。私も実演では初めて聴く。シベリウスの交響曲は好きな方なので、今回はスコア持参で しっかりと準備。


コントラバスを舞台上手手前に配置、打楽器のうち チャイムを舞台後方のパイプオルガンの演奏者の歩くデッキの下手に配置していました。
第1楽章は冒頭のffの明快な音にびっくりしたものの、その後は霧の中にいるようなもわっとしたシベリウスの響きに浸れました。
上岡さんは各楽章の間にしっかりと休みを入れての演奏でした。
第2楽章は北の風景。モノトーンの変化のない風景。しかし同じような響きにリズムを繰り返すこの楽章に飽きることはありませんでした。

管楽器の素朴な音楽が生き生きと聴けた第3楽章。北欧の秋のような寂しさを感じていたのですが、最後、ppの音を目の覚めるような切り方で終わらせたのは 意外すぎる驚きでした。

第4楽章はグロッケンシュピールを前述のチャイムに替えていました。そのため、響きがものすごく豊かで伸びることになり、そして高い位置から鳴るので、教会の鐘のような清楚で 地平線まで響きわたるような感じが気持ち良かったです。また 最後のオーボエのfからpへの3回のソロ。特に最後のpは極限まで小さな音に唖然。強烈でした。3楽章と同じく、ズバッと音を切る終わりかたは今までの上岡さんのイメージと異なり 再度のビックリでした。

シベリウスの珍しい曲を 私の予想を遥かに超える表現でワクワク。オーロラの季節前のうす明るいツンドラの風景を感じることができました。


休憩のあとは

🎵ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調 作品68 『田園』

比較的速めのテンポでちょっぴりビックリ。上岡さんは拍を打つような指揮ではなく、流れるような表情豊かな指揮で最後まで通しました。

そのようなスタートだったので 冒頭、弦楽器がちょっぴり霧の中に入った感でしたが、すぐに持ち直し ホッ。

第1楽章は風景画、いや、実際に田園の風を浴びているかのような繊細な揺らぎが心地良い。提示部の繰り返しなしは今では珍しいかも!ただ、田園の自然の風景にはまったく同じことが2回現れないことを考えれば、さらっとした方が自然体。また、上岡さんの2回目に表情を変えるスタイルには、この美しい風景を さらに美しく変えてあらわすことは不可能だったのかもしれません!

そして 展開部に入って現れる、ヴァイオリンが(交互に)4小節伸ばす民族音楽のような響きが絶品でした。

第2楽章も 速めのテンポ。そして、各パートが生き生きとした表情で描写的。オーボエは すべてのフレーズが鳥の囀ずりの様。ホールの前後左右に鳥を飛ばしていました。
第3楽章はABABA´の前半ABの部分は繰り返ししましたが、案の定、1回目と2回目で大きく表現を変えて来ました。ひなびた感じの1回目に対して、ダイナミックな2回目にパンチをもらいました。
第4楽章はバランス良い響きで最後まで 丁寧に仕上げていました。音の洪水にならない、つまり音で圧倒させるようなことのない、すべての楽器が聞こえるような音楽になっていました。
終楽章は弦楽器の16分音符がスラーやスタカートの表情が本当に素敵でした。

明日はスコアは見ないで聴いてきますパー