乾燥の極みにあった首都圏に 雪を降らせたあと、今度は南岸低気圧が北を通ったため、今朝から小雨の横浜。気持ちの良い湿気を帯びた空気に包まれました。
オリンピックで睡眠不足が続く7日目(カーリングは現地4日からなので!)の祝日、雨が止んだので傘無してみなとみらいへ。
国際音楽祭NIPPON フェスティヴァル・オーケストラ
指揮:サッシャ・ゲッツェル
国際音楽祭NIPPONフェスティヴァル・オーケストラ (コンサートマスター:白井 圭)
ヴァイオリン:諏訪内 晶子
今日はハイドンとモーツァルトに 現代音楽のペルトを加えたプログラム。オーケストラは日本人中心の 7-6-5-3-2のチェンバロ無しの小編成。チェロとコントラバスを下手に置いた両翼配置。
今日は1階7列目、ほぼど真ん中という文句無しの席で聴きました。
プログラムは
🎵ハイドン:交響曲第39番 ト短調 Hob.I:39
🎵ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第3番「メルク」 イ長調 Hob.VIIa:3
ヴァイオリン:諏訪内晶子
🎵アルヴォ・ペルト:フラトレス
ヴァイオリン:諏訪内晶子
🎵モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 K.550
最初の曲は
🎵ハイドン:交響曲第39番 ト短調
古典派のト短調交響曲として モーツァルトの25番と並ぶ秀作(私的には、クリスチャン・バッハとコジェルフも加えたい!)。
第1楽章は、要所要所に挿入される1小節の全休符が効果的な強い緊張感を作り出す、ハイドンの初期~中期にかけての秀作ですが、演奏が始まるや その柔らかな音色に心が暖まりました。速めのテンポでしたが、休符の緊張感やト短調の激しさとは無縁のスタイルで、優しいまなざしの、まるでハイドンの60~70番代の交響曲を聴いているかのようでした。そして これは今日の全体に亘るのですが、ビブラートを抑えた演奏で 木目調の暖かみのある音が素敵でした。
弦楽四部で演奏されるAndanteの第2楽章。こちらはリズミックで軽妙な表情に微妙な陰影をつけた演奏が素敵でした。
ト短調のメヌエットに対してト長調の管楽器の幸福感に満ちた響きに癒されるトリオとの対比が鮮やかだった第3楽章。1小節を滑らかに一振りするリズムがとても心地好かったです。
終楽章は第1楽章に匹敵する強い集中力を要するト短調のAllegroですが、ここでも厳しさより 襟を正したような端正な演奏が良かったです。
ゲッツェルさんの弱音から強音に変わる箇所で、その間の経過句(接続部)に中音で繋いだところが印象的でした。
次は
🎵ハイドン:ヴァイオリン協奏曲第3番『メルク』 イ長調 Hob.VIIa:3
この作品は1976年12月17日に 神奈川県立音楽堂の『音楽鑑賞の夕べ』で、ハイドンの交響曲第73番とともに日本初演が行われました。そこで初めて聴いた 忘れられない作品(この時の配布プログラムを(↓)下に載せます)。
今日はオーボエとホルンの加わる版での演奏が聴けました!
附点リズムが生き生きとしたソナタ形式の第1楽章。それに対して重音の古風な響きが印象的なソロは 他のハイドンのヴァイオリン協奏曲と異なるところ!諏訪内さんの まるでガット弦を弾いているかの様な雅な響きに魅了されました。
3連符が印象的な2/4拍子の第2楽章。Adagioですが、耳にはAndanteのように聴こえるのがミソ。諏訪内さんの丁寧なフレージングの 繊細な感情の移ろいが素敵でした。
そして端正で歯切れの良い古典派らしいAllegroの終楽章で締めました。
オーケストラの問題の管楽器については、あくまでも弦楽器の香料的な色合いの変化に留めていました。
プログラム後半の前に、諏訪内さんとゲッツェルさんによる、プログラムと演奏曲目についてのお話がありました。
🎵アルヴォ・ペルト:『フラトレス』
プログラムによると、「フラトレス」というタイトルは ラテン語で「親族」「兄弟」という意味とのこと。
弦楽器と打楽器による伴奏にソロヴァイオリンによる静謐な音楽。暖かな春の日差しの中から、一気にタイガの森の中に入ったような空気に変わりました。打楽器の響きが幽玄さを醸し出していました。
最後が
🎵モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 K.550
オーボエ(クラリネットの入っていない)版での演奏でした。
ハイドンの交響曲と同様、速めのテンポで爽やかなモーツァルトが聴けました。両翼配置のヴァイオリンの掛け合いと広がりが めっちゃ愉しく聴けました。
ハイドンでは、メヌエットとトリオを滑らかに繋げて(一気に)演奏をしたのに対して、こちらでは メヌエットとトリオの間を明確に分けて描き分けていました。
神奈川フィルで良く振っていたゲッツェルさんの指揮を聴くのがほぼ10年振りでしたが、引き締まった古典派の音楽作りが良かったです。そして諏訪内さんは2002年の仙台フィル定期以来ですが、その時のプログラムがベルクだったので、まったく印象に残っていませんから、初めて聴くようなもの。装飾を加えたりと、古典派の様式にはまってはいませんてしたが、スコア通りの端正な演奏て聴くハイドンとしては 素晴らしい音を聴かせてくれました。
オリンピックシーズンで、ちょっぴり起きていられるか心配しましたが、すぺての音に集中して聴くことができました!




