こんにちは、生殖心理カウンセラーの菅谷典恵です。

「引き寄せの法則」のようなものを目にされたことがあると思います。
心で強く願うと、その願い事が叶いやすくなる、というものですね。

心理学にも「認知行動療法」というものが存在します。これは、「自分自身の凝り固まった思考のクセに気づき、もう少し柔軟に考えられたら快適ですよね、一緒に練習しましょう」という心理療法の一つです。うつ状態の治療法として開発されました。

スピリチュアル的なもののように感じられる方もいるかもしれませんが、目的は「自分の考えを楽なものに変えていく」ということであって、考えを変えて願いごとをこの手に掴みましょう、ということではないんですよね。

世の中には避けられない悲しいこともたくさんあります。いくら自分で気をつけていても大変なことが降りかかることもあります。気持ちによって引き寄せているとしたら、これらのことが説明できなくなります。

今までの言動に問題があった、赤ちゃんを願う気持ちが弱かった、あの時あの人に親切にしなかった、お酒をたくさん飲んでしまったというようなことが理由で、なかなか妊娠しないということは現実にはあまりないわけです。

妊娠はもっと生物学的な問題です。卵子と精子が出会い、受精して着床し、分割して子宮内膜に着床してくれて成立します。
大切なのは願うことだけではなく、この生物学的な一連の流れにきちんと近づけてあげることです。

早めに適切な検査を受け、それからご夫婦で治療についてお考えください。
そして、今までのご自分を振り返り、責めてしまうことを終わりにしていただければと思います。

ちなみに当院でも認知行動療法をご利用いただけます。どうして私はこんなにネガティブに考えてしまうんだろう、お悩みの方、ぜひ説明を聞きにお越しください。
お待ちしています。