リプロダクションクリニックには

毎日たくさんの患者さんが来られて

 

陽性が出て喜びを爆発される方。

妊娠して卒業で涙される方もたくさんおられて・・・

 

それはとっても喜ばしいこと

 

でも、そういう人はどこのクリニックにもいるんだ

 

結果が出れば

そりゃ医師みょうりに尽きる

嬉しいに決まってる

 

卒業の時に涙されればもらい泣きすることもある

 

でも、それはそれ

 

 

 

だけど

 

そんな人ばっかりじゃないよね

 

移植したけど妊娠できなかった方

 

いや今月の卵胞すら育たなかった方

 

ホルモン値が芳しくない

エコー所見が今一つ

今月も見送りですね

採卵できたけど凍結できなかった

できてもグレードよくない

 

そんなことを繰り返している方も

たくさんおられる

 

 

医師だってかける言葉は限られてる

 

1カ月2カ月くらいなら

色々かける言葉もある

でも、そんなの何カ月も続いたら

かける言葉も

だんだんなくなってくるじゃない

 

 

でも、私は1つだけ決めてることがあって

 

患者さんが希望を持って頑張ってる以上は

絶対に逃げないってこと

 

 

AMH低いせいですね、

年齢的に仕方がありませんね

って言っちゃうのは簡単

 

たしかに実際にはそういうこともあるでしょう

 

でもそんなこと言ったって

患者さんは百も承知

分かりきったこと言っても

どうにもならない

 

患者さんの自尊心傷つけて

奇跡の芽を摘んで

それだけじゃないか

 

 

 

患者さんと一緒に現実受けとめて

どうしようって、

どうしたらうまくいくかなって

 

少しでもできることはないか

できることはあんまりないかも知れないけど

一緒に考えよう

 

 

医師が悩んでる姿が

どれほど患者さんの励みになるか

 

筆者の個人の感想でしかないけど

そんな時にしか奇跡は起きない

 

 

AMH低いせいですね

年齢的に仕方がありませんね

もう年だから

まだ若いから

まあそうなのかもしれないけど

 

そのあたり全く分かってなくて

仕方なく一度だけのつもりで

そういうこと言うこともあるけど

でも違うかもしれないじゃん

 

 

私は言い訳じみたことは

逃げ口上みたいで

できるだけ言わないことにしている

 

そんなこと言ったって

なんの解決にもつながらない

諦めろって言いたいのか?

 

そんな方にもなんとかして

悩んでもがいて苦しんで

結果を出そうと全力を尽くすのが

医師の仕事

 

 

そりゃ最終的に結果が出ないことだって

たくさんある

そんなことは医師も患者も分かってる

 

 

全員に結果を届けてあげたいと思って

仕事してるど

そりゃ叶わないことだってあるよね

 

 

さすがに、ここまでやってうまくいかないという時

治療はいつかは終結を迎えます

 

 

でも、そんな時

せめて

 

全力でやりきった

やりきってくれた

そんな証は残してあげたい

 

がんばった証が

今後生きていく上で

どれほど重要か

どれほど支えになるか

 

 

そういう気持ちで治療をしているつもり

 

妊娠の結果を出すの同じくらい

いやそれ以上に、

結果が出なかった時の終わり方って、

ほんと大事なんだよ・・・

 

医師にはそういう気持ちが

大事なんじゃないかと思います

 

 

私は患者さんと向き合うことから

決して逃げない

絶対に逃げない

 

そう思って日々の診療にあたっています

 

それがリプロ・イズムだと信じています