解説するまでもない、坂本龍一の代表作であり、名曲中の名曲、戦場のメリークリスマス。感じ方は様々だろうが、題名のネーミングセンスも実にいい。英訳だと "Merry Christmas, Mr. Lawrence”になるのは不思議だが、そのアンバランスさも副題的な何かを感じて、趣がある。

 

筆者は喜怒哀楽を顔に出すタイプじゃないので、ポーカーフェースとか無愛想とか色々言われますが、記事書くにあたって一杯ひっかけながらこの曲聞いたら、もう心に沁みて沁みて、まあヤバかった・・・。小学校のころ、音楽の授業のあとにこの曲を飄々と弾いてクラスの女の子の注目を浴びていたのはウン十年前、私も年取ったな。一説によれば坂本自身、作曲中に何度もぽろぽろ泣いたそうだから無理もないか。

 

音楽の持つ力は大きい。悲しみも怒りも喜びも幸せも、美しい旋律やポップなリズムに散りばめられ、時には悦びを爆発させ、あるいは激情や哀しみの昇華に、そして時には癒しになる。

 

不妊治療をしている間は、次々と押し寄せる現実と嵐のように押し寄せる自分の気持ちを受け止め切れなくなる瞬間もあるでしょう。あるいは何もないのに自分の中で大暴れする感情を持て余した経験のある方は少なくないはず。はっきりした理由はある時もない時もある。周囲と比べて自分の運命を恨み、平穏な日々を待ち望めば待ち望むほど、幸せがどんどん手が届かないところに行ってしまう気がして・・・そんな小さな自分がどんどん嫌になる、その無限ループ。

 

音楽が全てを解決してくれるわけではないけど、そんなあなたの癒しになってくれるのは間違いない。好きだったけど最近聞いていないあの曲を、空を眺めながら聞いてみてはいかがだろうか。ブランコに揺られながら黄昏るのもお勧め(ブランコはいつもやるとちょっとアブない感じだからたまにね)。

 

クリスマスも終わり、今年もあと1週間。今年はどんな1年だったかな。来年はどんな1年になるかな。・・・来年が今年より少しでもいい一年になりますように。

 

帰り際のサンタさんを見つけたら、おーいトナカイちょっと待ってくれって声をかけて、今から来年のお願いでもしてみますか。