「どのように考えたら、治療に関する意思決定を後悔なく下すことができるのでしょうか?ほかの方々はどうされているのでしょう?」
という質問を受けることがあります。
簡単にはお答えできない難しい問題です。
意思決定にはいくつか種類があると思います。
仕事のための意思決定では、感情を入れないことが推奨されると思います。冷静で現実的な判断を下す必要があります。
プライベートに関わる意思決定には感情が入ってくると思います。冷静さだけでは判断できないことが私たちの人生にはたくさんあります。
もちろん妊活においてもたくさんの節目というものが存在すると思います。
「夫は、受精卵は目標の個数貯められたから次は胚移植をしようと言うが、もう1回採卵しておかないと後悔する気がする」
「移植の前にER Peakをしておかないと万全の体制を取れていない気がする」
「治療を卒業したい気持ちもあるが、それも怖くてなかなかキッパリと決められない」
もちろん頭の中で描いたイメージ通りに決心する方もいます。しかし、頭の中ではこうした方がいいなと考えていても、気持ちがついていかないこともあると思います。
「なぜこんなに優柔不断なのでしょうか?きっぱりと決断できない自分が不甲斐ないです」
という言葉もよくお聞きします。
自分にとって大事なことだからこそ「きっぱりと」決められないのは当然なのです。決められない自分がダメなのではなく、そもそも決められなくて良いのです。それだけ自分自身に取って重大な事柄だということですね。
このような心情は人間として当然ですし、心理学的には「両価的、アンビバレント」といいます。人は矛盾した気持ちを持っていて何らおかしくないのです。
「きっぱりと」決断できない自分を責めないでください。ほかの方も同様ですし、それは自信を喪失する理由にはならないと思います。決断を下すと言うことはとても難しいことなのですよね。
気持ちはさまざまに揺れ動きます。無理することなく素直に揺れてみてください
両価的な気持ちをぜひお話をしにいらしてください。考えがまとまってなくて大丈夫です。
どうぞお気軽に。