こんにちは、生殖心理カウンセラーの菅谷典恵です。

誰にでも忘れられない日にちというのはあると思います。うれしかったこともつらかったことも。
あの日はあの人の誕生日だなとか、免許を取った日だなとか、初めて海外旅行に行った日だな、あそこでデートした日だなとか色々ですね。

妊活に関しても、クリニックに予約を入れてみた日だな、初採卵した日だな、等たくさんあると思います。

今回は流産をイメージしたお話をしてみようと思います。

医師から陽性反応を告げられた時、同時に出産の予定日も告げられたと思います。とてもどきどきわくわくする日にちですよね。忘れられない日付になると思います。

しかし、それがわかってから流産になってしまった場合、なんとも切ない日にちになります。
流産後しばらく経ち、出産予定日だった日が近づいてくると気持ちが不安定になり、カウンセリングにお越しになる方が一定数いらっしゃいます。

「流産になっていなかったらもうすぐ生まれてくる頃だったんだな」
「あの妊婦さんくらいのお腹の大きさだったのかな」

予定日の後は、街で赤ちゃんを見かけると、
「生まれてきてくれていたら、ちょうどあのくらいの赤ちゃんだったのかな」
と赤ちゃんを目で追っている自分に気づきます。

「今日妊娠が分かったんだな」
「陽性反応もらった日は、この服着てたんだったな」
「このカフェでエコー写真見たな」
「こんな空気の感じで、この花が咲いていたな」

など傷ついたり、切なくなったり、涙が出たり、色々な感情に押しつぶされそうになることもあると思います。
これらは当然の心因反応です。それだけ悲しいことがあったのです。
心理学では「記念日反応」と呼びます。

自分だけこんななのかな、他の人は切り替えて前に進んでいるのかな、と不安になりますが、みんな心の中には色々な思いが渦巻いています。あなただけではありません。

「流産後、hCGの値がなかなか低下しなくて次の治療に進めず、流産に対してネガティブな気持ちを持ち、こんなことを思ったらあの子に申し訳ないなと思った。」

「陽性判定後は色々心配なことが多くあまり喜ばないようにしていたけれど、流産になってから、もっと喜んであげたらよかったな思った。」
というエピソードもお聞きします。これらも当然の気持ちですよね。

流産に関しては、あまり語られることがないので自分だけが経験しているように感じますが、人に話してみると、私も、私も、私も経験あるよ、となる話題です。それだけ少なくない方々が経験しているにも関わらず、人に話すことが難しい話題であるのですよね。

誰かに話すことは、自分を客観的に理解し悲しみを軽減することにつながります。少し時間が経ってからでも、身近な人やカウンセラーに話してみるということもお勧めです。

焦らずゆっくりとご自分の気持ちと向き合っていっていただきたいと思います。
 

 

最近心理カウンセリングの予約埋まりがちですが10/21はまだ空きがありますのでご予約お待ちしております