なかなか妊娠しない時に、とりあえず検査に行かなきゃとは誰しもが思うのですが、そこでハードルになるのが「痛み」。特に、子宮卵管造影(HSG)って痛いんですよね、というのは、よくある質問です。

 

子宮卵管造影が痛いパターンというのはいくつかあって、

 

1)生理痛が重い方

2)子宮の痛みを感じやすいタイプの方

3)卵管が詰まっている方(検査してみないと分からない)

4)緊張しやすい方・痛みを感じやすい方

5)子宮頚管を見る器具(クスコ)が苦手な方

6)前屈・後屈が著しく強く検査しにくい場合

7)担当医がヘタクソ

 

大体この7通りのうちのどれかです。

 

皆さん、痛みに強いとか弱いとかよくおっしゃいますが、場所によっても結構違います。痛みといっても、痛みの種類(針を刺す系、重い痛み系など)、場所(卵巣・子宮・採血等)などで、得手不得手はありますので、注射が苦手な方がみんな子宮卵管造影も苦手、とは限りません。

 

緊張については、緊張すると卵管が攣縮といって本当は通っているのにきゅっと縮んで詰まっているように見えてしまうことがありますので、できるだけリラックスして臨んでいただくことが重要です。

 

クスコが苦手な方は、小さいクスコを使ったりいろいろな工夫でだいぶ違ってきます。前屈・後屈についても、移植とはまたちょっと技術的なコツが異なりますが、こうやれば痛くないといったポイントはあります。あんまり医師によって上手だ下手だと、こんなこと書いちゃっていいのか分かりませんが、とか言いつつ書いちゃうと、クスコが苦手、あるいは前屈・後屈が強い方に対する子宮卵管造影の力量は医師やクリニックによって結構差があります。

 

同じクリニック内であれば、そうしたコツの共有あるいは教育ができますので、さほどクリニック内の医師で力量の差が出ることはありません。当院の医師は子宮卵管造影はみんな上手だと思います。前の病院でめちゃくちゃ痛かったという方が当院でやったらほぼ無痛、というようなことは少なからずあります。

 

当院では、ほぼ毎日子宮卵管造影検査がありますが、もちろん当院でも痛みを感じられる方はおられますが、強い痛みを感じられる方は月数人いるかどうかです。「一度も性交渉できたことがない」という方も妊娠を希望する以上は卵管の確認は必要ですが、(私たちはめっちゃ気を遣うし、ちゃんと準備して体制整えながらやりはしますけど、その結果)ほとんど全員、普通に卵管造影を実施できています(エコーもちゃんと声かけして優しくやれば皆さんちゃんとできます)。

 

卵管が閉塞していると妊娠率が低下するだけでなく、両方閉塞していれば自然妊娠や人工授精での妊娠は全く期待できません。もし閉塞していた場合、卵管を開通させる手術を受けることによって自然妊娠可能な状態にすることもできますので、まずは初期検査として、卵管造影(と精液検査)はできるだけ早く受けるようにしていただけるとよいと思います。

 

 

子宮卵管造影についての過去ログはこちら。ぜひご覧ください。