こんにちは。生殖心理カウンセラーの菅谷典恵です。

 

(こちらの記事を見つけてくださった男性の皆さま、以下の内容は、一般的に「多くの女性はこのように感じているものなのだ」ということを書いたものです。どちらの家庭も同様なんだな、と受け止めていただけましたら幸いです。もちろん例外もたくさんありますが、男性の皆様が傷つくことではないということをお伝えしておきます。誰が悪いのでもなくこうした状況は世界共通です。)

 

コロナが猛威を振るっていますが、これから帰省をする方もいらっしゃると思います。

一般的に、久しぶりに会う方々が集まる機会には、普段あまり話さない話題が登場しやすいですね。

したがって聞かれたくないことを聞かれてしまう可能性がある→行きたくないな、という心境になります。

もちろん顔を見せて、きちんとした生活を二人で送っていることを示したい気持ちもあります→ですが・・・→やっぱり行くのはこわい、ですよね。

 

聞かれたくないこと、触れられたくないこと、自分の気持ちがざわざわしてしまうことを避けたいと思うのは自然なことです。しかし、あちらも悪気があって聞いているのではないこともわかるので、このような気持ちを持つ自分が悪い人のように感じてしまいますよね。

今回に限ったことではなく、気がすすまない集まりにどう対処するかという観点を含め考えてみたいと思います。

 

夫(パートナー)の実家への帰省を「行く場合」と「行かない場合」に分けてイメージしてみます。

 

「行く場合」

行きたくない気持ちもあるけどやっぱり行っておかないとな〜、彼にも悪いし、行かないとそれはそれで行っておけばよかったと後悔しそうだし・・・、嫁としての立場もあるし、という感じですね。

 

私たちは義理の関係の方々とも仲良くしたいと考えますが、これは多くの場合理想論なのですよね。

なぜなら、配偶者やパートナーは「この人と気が合うか、一緒に生きていけそうか?」と吟味して選択した経緯がありますが、その相手のご両親や兄弟に対してはそういった確認をしたことがないのです。あくまでもパートナーに付随する方々であるので、相性が良いかどうかは未知です。したがって、仲良くできる方々であったらラッキー!くらいで良いと思います。

 

そもそも人と人はそんなに簡単に理解し合えないものだと思います。それは元々の価値観が一人一人異なるためです。これはこれで良いのです。

ここで必要なのは、相手のことを深く理解し自分のことも歪みなく理解してもらうことではなく、大人としてきちんと相手を立て、なおかつ自分の立場にふさわしい役割を果たしておくということです。

 

ですから相手から言葉の不意打ちをくらったとしても、深いところで受け止めることはしなくて大丈夫です。「ああ考え方が違うんだな」というところで留めておいて問題にはならないでしょう。

 

「行かない場合」

傷ついて帰ってくることが容易に想像できるとすれば、「行かない」というのもとても大切な対処方法です。気がすすまない場に行かなくてはいけないことはありません。

悪く言われたらどうしよう、など不安は尽きませんが、一番心配してあげないといけないのはご自分の気持ちです。コロナの流行を理由にすることもできますし、基本的に行きたくない場に行くことは避けて良いのです。自分を守る、ということが最も大切です。良い嫁になりたいし、良い人でありたい、そう願う気持ちは誰しもありますが、自分が傷ついてしまってはその我慢も意味がなくなってしまいます。自分を守れるのはあなた自身しかいません。

 

代わりに素敵なお菓子を送っておく、もしくはご主人に持って行ってもらう、ということでも良いかと思います。理由はいくらでも考えられます。思いつかないという方はカウンセリングもご利用ください。

 

先のことは考えず、今、自分がどうしたいのか、という視点でご自分を見てあげてください。

 

毎年この時期になると、患者さんと夫の実家に行かない作戦を一緒に考えます。または、帰省した際に傷つかずにすむ受け止め方を一緒に探します。

ご主人が納得してくれない、私が行かないなら彼もいかないと言う、などこちらに書いていないパターンもたくさんあります。お気軽に個別のご相談をご利用下さい。

 

そして何より、みなさまが気持ちよく帰省できる環境が早く整いますように。