妊娠を目指すにあたっては、太りすぎがよくないことはイメージとしておありだと思うが、やせすぎも妊娠率に不利であることは意外と知られていません(夫婦のBMIと妊娠しやすさ)。また仮に妊娠したとしても、ママが痩せすぎだと赤ちゃんが小さく生まれる低出生体重児のリスクが増大し、低出生体重児は将来、糖尿病などの生活習慣病のリスクが上昇すると言われていることから、妊娠を希望するにあたっては、やせすぎにも注意が必要です。

 

そもそも、どのくらいの体重だと肥満、あるいは痩せなのでしょうか。いろいろな考え方はありますが、BMIを用いる考え方が一般的です。BMI(ボディマス指数)はご存じの方が多いと思いますが、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)のことです。身長がcmではなくmである点に注意してください。BMI 18.5未満はやせすぎ、BMI 18.5以上24未満がふつう(標準は22)、24.0以上28.0未満がふっくら、28.0以上が肥満、このあたりが一般的な考え方と思います。例えば、身長160cmの場合、47.4kgで「やせすぎ」となってしまいます。

 

体重が多めの方は何らかの自覚があることが多く、少し体重を減らされたほうが、と説明すると苦笑しつつ一応納得していただけることが多いのですが、160cm、42kg(BMI 16.5)の方に、少なくともあと5kgは体重を増やされたほうが、とお話すると、「ちゃんと食べても太れない」「きちんと食べている」「自分がやせすぎとは思っていない」などと仰り、なかなか素直にご納得いただけないことが多いように思います。

 

理由は大きく分けて4つあり、

①食べすぎると下痢をする、そもそもあまり食べられない

②本当にかなり食べているのだが不思議と体重が増えない

③本音では本人が体重を増やせと言われても増やす必要はないと思っている 

④本人としては十分食べているつもりだが、実は大して食べていない

という種類に分別できます。

 

特に③④の方に体重を増やしたほうがよいと説明すると、怒り出す方が少なくありません。自分は痩せすぎではない、あるいはちゃんと食べてます、と。しかし、体重が多い方から見れば、全然食べてなんていないのです。

 

ダイエットの話は星の数ほど情報が溢れていますが、痩せている人が太るための極意など世界は広しといえどもほとんど誰も書いていませんのでここで、私が体重が増やしてしまった時の「悪い例」をお見せしましょう。

 

①お腹かがすいたから食べるのではなく、食べたいから食べる。

②お腹がいっぱいになってもまだ食べたいので、満腹になっても、もう倍は行きたい

③1人前でお腹がいっぱいになったことがないので、何を基準に1人前とか書いているのか理解できない。2人前か3人前どっちにするのか悩むのが基本。

④ラーメン屋に行ったら大盛・チャーシュー丼・ギョーザ10個で腹八分目、まだ行けるけどぐっとガマン。

間違ってトンカツ定食2人前頼んでしまい、本当に2人前出てきたので1人で完食

⑥刺身定食と海鮮丼を頼んだら、オマケでうどんをサービスされた。さすがにお腹苦しかったけど完食したら、デザートに大福までサービスされた。

⑦研究会などで弁当が配られた際、余ると声がかかり、普通に2個目も完食した

⑧早めの夕食を食べたことを忘れて間違ってもう一度夕食を食べて、なんか食欲ないなと思ったら実は2回目だったことに気づいたことがある

⑨焼鳥屋で、メニュー見ながら「ここからここまで全部」と頼んだことがある

⑩サラダなどサプリメント扱い(食事のカウント外)

⑪普通盛りを頼むと具合でも悪いのかとガチで心配される

⑫夜食でペヤングの超大盛を食べたけど物足りず、もう1つ食べるかやめるべきか葛藤した

 

ちょっと面白めに書いてみましたが、だいたい実話です(もちろん、今はこんな不摂生をせず品行方正に毎日を送ろうという気持ちで日々過ごしています)

 

 

痩せ体質の方が体重を増やす方がはるかに大変なことであり、大きな努力をしないといけないということは意外と知られていません。上記の底なし食欲は上級者偏グラサンですので、真似をする必要はありませんが、こういう世界もあるのです(繰り返しになりますが、、今はこんな不摂生をせず品行方正に毎日を送ろうという気持ちで日々過ごしています)

 

私見ですが、体重が少ない方は、ごはんは、「おなかがすいたから食べる、栄養を取る必要があるから食べる」ものだと思います。体重が多い人は、空腹の有無にかかわらずとにかく食べたいという欲求を満たすために食べますので、満腹になっても満足できません。もう倍は行きたい。

 

例えば、90kgの人が75kgになるためにはどうしたらよいでしょうか。空腹に堪え、しっかり運動し、全食事の内容に注意すし、意識改革をしっかり行う必要があります。間違っても、「夕食だけお米ちょっと減らす」程度の子供だましの食事療法で20kgの減量に成功できると思う人などいないでしょう。体重を増やすのも、やることが逆なだけで同じです。15kgの減量と5kgの増量は同じくらい大変なことです。意識改革と多大な努力が必要なのです。

 

 

本ブログは、太る方法を紹介することが主目的というよりも、トンカツのお話第二弾として、面白おかしく書いたものであり、方法論として①~⑫の実践をお勧めするものではありません(痩せている方が、いきなり①~⑫を実践すると体調不良を引き起こす可能性があります)。ただ、BMI 18.5未満の方、「こんな世界もあるんだ」と感じていただけたら、もうちょっと頑張って、せめてBMI 18.5以上にはなるようにしていただくとよいと思います。

 

では次回もお楽しみに!