合成怪物の逆しゅう (冒険ファンタジー名作選)/レイモンド・F. ジョーンズ

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【著者】レイモンド・F. ジョーンズ
【対象年齢】全年齢
今回紹介する本は、人間の尊厳をテーマにした物語です。
子供向けに易しい言葉で書かれていますが、大人の鑑賞にも堪えるだけの
深い内容なので、あえて全年齢向きとして紹介します。
40年近く前に出た本にもかかわらず、今読んでもその内容は色あせることがありません。

以下は読書のポイント

【あらすじ】
人工頭脳センターに勤めるジョンは、結婚後まもなく交通事故で谷底に転落して死んでしまう。
気づいたとき彼の体は脳だけになり、人工頭脳につながれようとしていた。
死者の脳を使って作られた人工頭脳は、アメリカの政策を決めるための
一種のコンピューターとして使われていた。
しかし、そこに使われている脳にはまだ人としての意識が残っていたのだ。
ジョンはそのことを告発するため、同じく脳だけになった妻のマーサと一緒に
ゴセシケという人造生物を作り、人工頭脳センターの外の人間に助けを求める。

【物語の中の対比】
作品中では、いろいろな部分でいろいろなものが対比されています。
生前取り決めた契約によって人工頭脳につながれるジョンやマーサと、
こっそり契約を破棄していた人工頭脳センターの幹部たち。
国のために人工頭脳を使いつづけようとする人々と、
人工頭脳の使用禁止を訴えるジョンたち。
政府のためなら平然と暴力をふるう政治団体「協力党」と、
暴力を嫌ったジョンの協力者。
人間とゴセシケ。
これらの様々な対比によって、人間の尊厳とは何かというテーマが
読者に対して突きつけられるのです。

【人の尊厳とは】
ジョンたちは、最後に人間型のゴセシケを作ることに成功します。
友人のデミング博士たちは、人工頭脳が無くなった後も生きていけるように
そのゴセシケ人間にジョンとマーサの脳を移植することを提案します。
はたして二人はどのような生き方を選ぶのでしょうか。
結末はぜひ自分の目で確かめてみてください。