オツベルと象 (宮沢賢治どうわえほん (3))/宮沢 賢治

¥1,680
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【著者】宮沢賢治
【対象年齢】全年齢
宮沢賢治は再評価されるべきというのが私の持論なのですが
世間での評価が平和主義人道主義の枠を出ないのがなんとも残念です。
彼の批判精神はもっと注目されても良いと思うので、
どんどん作品を紹介していきたいと思います。
以下は読書のポイント
【あらすじ】
畑や鍛冶場を経営するオツベルのところに、ある日象がやってきます。
好奇心旺盛な象は、オツベルの仕事場にある様々なものに興味を持ちました。
オツベルはプレゼントと称して象に鎖や分銅を繋ぎ、自分のところで働かせます。
初めのうち、象は働くことを面白がっていましたが、
オツベルが象の食事を減らしていくので、ついには倒れてしまいます。
動けなくなった象は仲間達に手紙を書きました。
手紙を読んだ仲間の象たちは、大いに怒り、オツベルの家に押し寄せます。
オツベルは銃を撃ったりして追い払おうとするのですが象たちにはききません。
ついに象たちは門を破り、小屋に閉じ込められていた象を救い出したのでした。
【よく似た昔話】
実は似たような話が昔話にあります。
「鬼のうで」という話なのですが、内容はもっと不気味です。
あるところに大きな店を持つ商人がいました。
たいそうな金持ちでしたが、非常にケチな男でした。
店の使用人達に払うお給金だけでなく、毎日の食事まで切り詰めます。
しまいには塩鮭を見てよだれが出たら飯を食えと言われるようになり、
ついに使用人は一人もいなくなってしまいました。
ある日、この商人のところに大男がやってきました。
自分は金も飯もいらない、ただ毎日一合の酒を腕に飲ませてやりたいと言うのです。
商人は喜んで雇いました。実際大男はよく働きました。
しかし腕に酒を飲ませるとはどういうことでしょう。
夜中に商人がこっそり部屋を覗いてみると、男は腕をいたわりながら酒をかけていました。
酒をかけられた腕は、毛が逆立ち、真っ赤になっていきます。
両方の腕に酒をかけ終わると男はそのまま寝てしまいました。
こうして毎日男は働いていたのですが、飯も食わずに働いていたので
次第に元気がなくなっていき、ついには死んでしまいました。
困った商人は恐ろしいことを思いつきます。
「この腕を切り落として酒を飲ませたら働くだろうか」
商人が切り落とした腕に酒をかけると、なんと腕は生きているときと同じように赤くなり
動き出したのです。
こうして、二本の腕は再び店で働くようになりました。
しかし商人は毎日の酒代が惜しくなります。次第に二日に一合、三日に一合となり、
酒も水で薄めるようになりました。
ある日、店がいつまでも閉まったままなのを不思議に思った近所の人が中に入ると
商人は絞め殺されて死んでいました。
そのそばには1枚の紙が落ちていて、こう書いてありました。
酒飲ませろ~っ
酒飲ませろ~っ
【時代背景】
オツベルと象が発表されたのは大正末期です。
当時の状況は現在の日本とちょっと似ていて、貧富の格差が広がり、
労働争議なども激しいものになっていました。
特に大正の終わりは、その後の世界恐慌に繋がる景気の悪化があったため、
人々の間に不満がたまっていたようです。
宮沢賢治は、なぜ昔話にあるようなストーリーをあらためて童話として書いたのでしょう。
おそらくこの頃、日本人の労働に対する考え方が
悪い意味で変わりつつあったのではないでしょうか。
そのため、昔話に込められた教訓を童話に取り入れ、
新しい作品として発表したのではないかと思います。
いかがでしょう?

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【著者】宮沢賢治
【対象年齢】全年齢
宮沢賢治は再評価されるべきというのが私の持論なのですが
世間での評価が平和主義人道主義の枠を出ないのがなんとも残念です。
彼の批判精神はもっと注目されても良いと思うので、
どんどん作品を紹介していきたいと思います。
以下は読書のポイント
【あらすじ】
畑や鍛冶場を経営するオツベルのところに、ある日象がやってきます。
好奇心旺盛な象は、オツベルの仕事場にある様々なものに興味を持ちました。
オツベルはプレゼントと称して象に鎖や分銅を繋ぎ、自分のところで働かせます。
初めのうち、象は働くことを面白がっていましたが、
オツベルが象の食事を減らしていくので、ついには倒れてしまいます。
動けなくなった象は仲間達に手紙を書きました。
手紙を読んだ仲間の象たちは、大いに怒り、オツベルの家に押し寄せます。
オツベルは銃を撃ったりして追い払おうとするのですが象たちにはききません。
ついに象たちは門を破り、小屋に閉じ込められていた象を救い出したのでした。
【よく似た昔話】
実は似たような話が昔話にあります。
「鬼のうで」という話なのですが、内容はもっと不気味です。
あるところに大きな店を持つ商人がいました。
たいそうな金持ちでしたが、非常にケチな男でした。
店の使用人達に払うお給金だけでなく、毎日の食事まで切り詰めます。
しまいには塩鮭を見てよだれが出たら飯を食えと言われるようになり、
ついに使用人は一人もいなくなってしまいました。
ある日、この商人のところに大男がやってきました。
自分は金も飯もいらない、ただ毎日一合の酒を腕に飲ませてやりたいと言うのです。
商人は喜んで雇いました。実際大男はよく働きました。
しかし腕に酒を飲ませるとはどういうことでしょう。
夜中に商人がこっそり部屋を覗いてみると、男は腕をいたわりながら酒をかけていました。
酒をかけられた腕は、毛が逆立ち、真っ赤になっていきます。
両方の腕に酒をかけ終わると男はそのまま寝てしまいました。
こうして毎日男は働いていたのですが、飯も食わずに働いていたので
次第に元気がなくなっていき、ついには死んでしまいました。
困った商人は恐ろしいことを思いつきます。
「この腕を切り落として酒を飲ませたら働くだろうか」
商人が切り落とした腕に酒をかけると、なんと腕は生きているときと同じように赤くなり
動き出したのです。
こうして、二本の腕は再び店で働くようになりました。
しかし商人は毎日の酒代が惜しくなります。次第に二日に一合、三日に一合となり、
酒も水で薄めるようになりました。
ある日、店がいつまでも閉まったままなのを不思議に思った近所の人が中に入ると
商人は絞め殺されて死んでいました。
そのそばには1枚の紙が落ちていて、こう書いてありました。
酒飲ませろ~っ
酒飲ませろ~っ
【時代背景】
オツベルと象が発表されたのは大正末期です。
当時の状況は現在の日本とちょっと似ていて、貧富の格差が広がり、
労働争議なども激しいものになっていました。
特に大正の終わりは、その後の世界恐慌に繋がる景気の悪化があったため、
人々の間に不満がたまっていたようです。
宮沢賢治は、なぜ昔話にあるようなストーリーをあらためて童話として書いたのでしょう。
おそらくこの頃、日本人の労働に対する考え方が
悪い意味で変わりつつあったのではないでしょうか。
そのため、昔話に込められた教訓を童話に取り入れ、
新しい作品として発表したのではないかと思います。
いかがでしょう?