この商品自体は実のところ、日本でマスク不足が騒がれた時期からすでにアメリカに登場しており、取引先から「日本でもマスク不足だそうですが、いかがですか」と打診は受けていました。
ただ、ここでいくらか憂慮しなくてはいけないことが、2つ考えられました。
1つ目は、ユーザーの足元を見た、混乱に乗じたお金儲けにならないかということです。
コロナウイルスが
どの程度のことで感染し、
どの程度のマスク(不織布製やガーゼ製など)
どんな物(アクリル板など)や行為(人との距離、接触)で防げるか
がまだ未知だったので、護身用として世に送り出された物が実質ほぼ無力で、お客様を丸腰に近い状態なのに、形だけのマスクで根拠のない安心感を与えてしまうことは絶対に避けなければいけないと考え、当時の入荷を見合わせることにしました。
それから1年。
マスク生活が息苦しいながらも、小さなステッカーを貼るなどのマスクへのデコレーションといったお洒落や、二重マスクが世の中で受け入れられるようになったことを受け、不織布マスクとの併用でクリアできるのではないかと思ったのが入荷のきっかけでした。
また、単に「不織布マスクとの併用を」とお願いするだけでは実効性に乏しいと思い、価格には含めないおまけとして、マスク1点をお買い上げのお客様に1つ、日本メーカーの不織布マスクを同封することにしました。
2つ目は、性能についての問題です。
マスクのような物は衣類やアクセサリーと異なり、見かけが一定の体をなしていることに加え、製品にはその性能も求められます。
例えば、着用しても花粉を防げず、くしゃみが止まらないといった可能性も考慮しなくてはいけません。
特にコロナという、場合によっては命にかかわる感染症ともなれば、なおさらです。
憂慮する理由としては、ついコロナ禍前のアメリカではマスクをするという習慣はほとんどない、と巷で言われていたことでした。
「マスクをする = 罹患した何かしらの病気を周囲へ感染させないための措置」
と重く理解されることが多く、日本よりも深刻にとらえられがちで、20年近くアメリカに通う筆者も、マスクをしている方を見たのは1度か2度ほどでした。
そのため、スギ花粉やPM2.5などで普段から悩んでいる日本人からすると、コロナ禍で突如として登場したアメリカの民生品マスクの性能を疑わざるを得ず、1年前の入荷を見合わせた次第です(筆者がアメリカのマスク事情に明るくないこともあります)。
<変異について>
1年半前からのコロナウイルスから始まり、現在いくつかの変異株が発生し、感染力が強くなったりと手強くなってきています。
ウイルスの変異は、一般的にその遺伝子が複製される時に生じます。
そして、その複製は感染した先の細胞(我々人間の)の物を流用して行われますので、変異を起こさせないためには、まずは我々人間が感染しないことです。
マスクは息苦しい、いい加減飽きた、そんな声が聞こえてきてもおかしくないほど、長い期間、自粛や我慢を強いられてきているわけですが、それでも万が一感染すれば、重症化せずともウイルスを保持することになり、場合によってはウイルスをばらまいて他人を危険にさらしてしまうかも知れません。
夏の暑さや個人努力の限界、マスク機能の社会的な意義の間で、多くの方々が葛藤していることと思います。
そうした葛藤の中で、今回入荷したマスクがお洒落やちょっとした気分転換のお役に立てれば幸いです。
