会場に出ていた頃、様々な人とお話しする機会がありました。

なかでも愛猫を亡くした人の中には、終末期の治療についての葛藤を抱えている方も少なくありませんでした。

もっと早く気付いてあげてれば…
とか
獣医師の言うがままにすすめたが、過剰な治療をしてかえって苦しめる結果になったのでは…
などなど…

いずれも猫を愛するが故の後悔なのだと思います。
全てにおいて満足する看取りはなかなか難しいものです。

 



治療にあたって我が家の場合、立ち塞がる壁は
①ネコが人馴れしていないため、そもそも病院に連れて行けない
②費用の掛かる治療は受けさせてやれない
の2点です。

昨今猫の寿命は延びています。(その事が今は私を脅かしています)
理由は栄養状態が良くなったことや獣医学が進歩した結果だと思われます。

以前は不治の病と言われて、診断されたら諦めるしかなかったFIPも高額な治療費が払えれば寛解?治癒?可能な病気になったようです。
私はその治療を選択したことはないので、詳しくはわからないのですが…

獣医学の進歩により医療格差が生まれ、高額な治療を受けさせてあげられない
と罪悪感を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。

でもそれは不要です。

一生を通してみれば、それまでの日常生活が幸せであったかどうか、の方が遥かに大切だと思います。
 

勿論、簡単に治る病気(風邪などの感染症、傷口からばい菌が入ったなど)や、痛みを伴うもの、きちんとした知識があり、発見が早ければ死に至らない、予防も可能である病気(尿路結石など)は治してあげなければいけませんが、中には原因が解りずらい病気も沢山あります。

詳しく調べていけば突き止められるかもしれませんが、膨大な検査費用に猫へのストレス、診断の結果は「治療の手だてがない」となるかもしれません。

それをどこで線引きするか?
一度そのレールに乗ってしまうとなかなか降りることが出来ず、結局終着駅まで…となるかもしれません。

治療は獣医師主導で進められる事が多く、思うところがあっても口に出しずらい場面もありそうです。

費用負担は飼い主ですから、治療方針は一緒に決める必要がありますが、獣医師との相性もあります。
診断後の治療はどこまでやるか?
率直に話せる関係性があると良いですね。


その点、はっきり意思表示できる主治医と出会えた私はラッキーと言えるでしょう。(主治医はも半ば諦めているのかもしれませんが)


検査の結果診断がつき、例えば腎不全だとすると「補液の頻度は?」と聞くと「出来る範囲で~」と主治医は答えます。答えにならない返答ですが、それで私は少し気が安まります。

これが「補液は毎日、この状況では当分入院して持続点滴を。薬はコレコレ。腎臓由来の貧血にはホルモン注射を。サプリも…」となると不可能です。色んな意味で…

かなり前ですが、似たような事を別の病院で言われました。
で「この子は家庭内ノラで弱ったところをやっと捕まえたけど、回復したらまた抵抗が激しくなって、治療を継続させることは難しいと思うので、今できることだけをして下さい」と言って、補液だけしてもらって連れて帰りました。

その子はその後、何もせず見送りました。衰弱していく姿を見続けるのは辛かったですが、その頃は自分で補液するという発想も技術もなかったのでそれで良かったと思います。

「治療できない」というのも案外悪くないと思っています。

ある先生は「死ぬのは避けられない。私達にできるのは苦痛を少なくして、彼方の世界に軟着陸させること」と言われました。
その考えも好きです。

命の長さには関係なく、苦痛の少ない方を選ぶ。苦痛があって寿命が延びる治療より、仮に命が短くなっても苦しみは少い方が良いと思っています。


なぜなら、自分が当事者ならそうするので猫にもそうしてあげたいのです。
飼い主の価値観で選択が左右されるのは避けられません。

 



時に悩む里親さんのご相談を受ける事がありますが、適切なアドバイスはなかなかできません。
そもそも私と里親さんでは猫に対する熱量が違うのです。

病気になった時、亡くなった時の悲嘆は想像を絶します。
特にまだ若くして亡くした場合は、避けられない運命とは言え、申し訳ない気持ちでいっぱになります。

そういう子はとびきり良いご家族とご縁があるので、私が責められた事はありませんが、いつも思うのは「もし、分かっていたら手元におくのに」との思いです。

なかなか結論の出ない問題で、正解もありませんが、ブログのテーマでもあるので、これからも考え続けていきたいと思っています。

 



さてジャムとレオンですが、彼らには悪いけどはっきり言うと、やっぱり大変なのは医療費と拘束されることですね。

と言いつつ、状態が少しでも悪くなるとうろたえてしまいますが。
人の心は単色ではないのです。

補液と給餌は生命線であり、かつ他の人では代行できないので、行動制限されるのは辛いです。
彼らはそんなこと「何とも思わない、感謝もしない」のでむしろ清々しいのですが(笑)

こんな風に素直に治療を受け入れてくれる子は我が家では希少価値のある子なので、主治医の言うとおり、「できる範囲で」「精一杯」頑張ります。

彼らが治療を拒否(これは多分給餌に表れるでしょう)しだしたら、諦めます。
これまでの経験から、引き際は心得ているつもりです。

馴れているからといって治療を素直に受け入れる訳ではありません
むしろそういう子程治療拒否が激しい場合が多いです。

がんちゃんは爪切りも点眼も死にもの狂いで拒否します。薬も錠剤は全くだめ❕
口の中に何か入れられるなんて死んでもイヤ‼
という子です。

寧ろ、レオンのような半なれ状態の子の方が、一旦捕まると観念するケースが多いかもしれません。

 

 

今回は記事の内容に相応しい写真を選ぶことが出来ませんでした。と言って何もないのも寂しいので、近所で撮した写真を使いました(我が家の庭は色彩に乏しく、若葉から深緑になってきています)

巷は正に百花繚乱の季節となりました