ゲーム内の解答・ネタバレが盛りだくさんにあります。
真相究明と物語は書き手である私個人的な見解であり、開発者が示した真の解答ではございません。
ゲームプレイは終えたけれど
「結局アレはなんだったのか…ど~ゆ~ことだったのか…」
気になるよね~~~~?
モヤモヤしているそこのあなた!
に向けての解説書気取り。。。
まず基本的に
このゲームでは登場人物たちの会話は基本的には概ね「真に受けて良い」という隠しルールがあります
なにかこう、推理モノ(漫画であれアニメであれ本であれドラマであれ)を見慣れていると
- 登場人物たちの言葉は嘘に違いない
- 真実を語っている者は誰もいない
- 言っていることのその逆、その逆
ひねくれて見てしまいがちですが
こーゆーゲームである以上「嘘」を紛れ込ませると
千差万別、万人万色の解釈・物語が溢れ出して収拾がつかず
誰もが納得のいく「ゲームとしての答え(共通認識)」が生み出せなくなる
よって基本的には登場人物たちの会話は真に受けて良い
純粋に受け入れて良い
純粋に受け入れたうえで「辻褄の合う解釈・物語」を探す旅を心掛けてください
―――― ここから本編(真相究明・解説コーナー) ――――
沖崎(画家・先生)
とにかく真に受けちゃっていいのでその線で考えていくと
先生は純粋に「失われた美学のパフォーマンスの一環」として、絵を盗まれたことにして「こういうことをしよう!」と企画したと考えます。
芸術家にありがちな「変人・奇人」の類かな?まで読み解く必要性は無いモノの
純粋に会話(言葉)を受け入れて、先生は純粋に「そーゆーことを企画した」でいい
引っかかりポイント
たぶん誰しも引っかかる点だと思われます…
「そーゆーテイにして、本物の絵は保管しておけばいい」
「盗まれたテイにして、盗まないで保管しておけばいい」
「なぜわざわざ、本物を盗ませるのか?」
この点の解釈はとても難しい…
先生が迫真こもった感じで「金髪(先生側が依頼したドロボー)」に連絡する会話があるもんだから
なにかこう…
「先生は、自分の絵が盗まれそうだと察知した」
「失われた美学のパフォーマンスにかこつけて」
「こういうことを企画しておいて」
「先生独自に、金髪に依頼して」
「本物の絵を盗ませて」
「自分の方で本物の絵を保管して」
「盗もうと企むドロボーたちから守る」
この物語を想像するのは難くないはずです
それくらい「違和感」なんだよね…
え…わざわざ盗ませるんだ…
そんなことしないで「盗まれたテイ」でいいじゃない?
なんでわざわざ盗ませるの?
先生が偽物を描いて
先生が偽物を金庫に保管して
金髪がその偽物を盗んで
先生は本物を別の場所に保管している
周りの目をごまかし且つ盗もうと企むドロボーたちからも絵を守る
…
考え出したらキリがない!
こーゆー部分がだから「千差万別・十人十色」の解釈・想像・物語になってしまって、いちゲームの解答としてはよろしくない
そもそもがヒントも手掛かりもなく、プレイヤーの側で勝手に妄想を広げてしまっては真相から遠のいていくだけだ!
考えるべきは「語られた部分」と「ヒモ付く要素(辻褄が合う)」まで!
よって「登場人物たちの言葉を真に受ける」
- 先生は純粋に
- 「失われた美学のパフォーマンスを企画して」
- 「実際に絵を盗まれるまで込みで企画した」
- 館長、秘書にそのことを話した
- 金髪に盗みを任せた
- パフォーマンスのガチ勢 ←
秘書
- 館長同様に沖崎先生から失われた美学のパフォーマンスのことを聞かされている
- そのことについての場面は無いが「会話」から既に知っているのだと理解できる
- 金髪(ドロボー)の手配を秘書がした…これは遠く離れた妄想箇所になってしまうが問題を解くうえでは何の関係もない
とても分かりやすいポイントがド頭の秘書室?での電話
誰と話しているのだろう?
このゲームの面白ポイントを早速堪能できる作り手の「仕込み」が楽し気
- 時を止め
- 自キャラを動かし
- 各部屋を回って
- この秘書は、この時間、誰と電話をしているのだろう?
- これを探る
…
なんと?
登場人物、誰とも話していない!?
ということは?
外部の人間と話しているのだとわかる
いったい何者?
話の内容から察して「贋作(偽物)を作った人物」だとわかる
これは遠く離れた妄想ではなく「ヒモ付く要素」であり間違いないと断定できる箇所
さらにヒモ付く要素として
なるほどなるほど…
秘書は独自に「失われた美学」の企画を利用して、偽物を使って金儲けを企んでいた!
ということがわかる、見えてくる
さらに「言葉を真に受ける」ルールに則って
「私は本物を使いませんから」
彼女は本物の絵にはノータッチであるとわかる
あくまで独自のルートで偽物を使っての金儲けをしている人
本物は使いませんから
の、相手側のセリフを想像するに
「オレが描いた偽物とすり替えて、本物の方を売る気か?」
みたいな感じだと思われます
それに対して秘書が
「いいえ、私は本物は使いません」
…と
- 秘書が持っている絵は偽物で
- 「本物と瓜二つの完成度の高い偽物」である
- 野上との取引
- 野上が「これが本物か!」まんまと騙される
野上
この人は何者だろう?
コイツはなんなの?
誰やねんコイツ?
これを解くこと、気づくことが「一発で全問正解」する足がかりになります
野上はドロボーなのか?
金儲けしたい悪者なのか?
いやいや…
野上は純粋に「絵のコレクター」「美術商」である
純粋に先生の絵が欲しい
- 盗んでもいいし
- ちゃんとお金を払って買うでもいい
- とにかく絵が欲しい
よって
- 盗みプラン(ドロボー前川との共同作業)
- リアルマネー支払い準備
どちらも行けますよ…と
で
盗みを終えてトイレに隠れて待機しているドロボー前川に電話で「ちょっと待て、確認する」と言い
秘書のところへ
秘書が「完成度の高い偽物」を見せる
野上
「こ、これは!?」
(この絵は本物だ…)
(ということはオレたち=ドロボー前川が盗んだのはダミーだったのか)
野上の正体は?
純粋に絵が欲しい人なので
こっちが本物と分かれば
じゃあだったら
リアルマネー支払いプランで行きますよ
…と
秘書に持ってきたお金(現金)を払って欲しかった絵をゲット♪
前川、お前への支払い(報酬)は無しだ!
引っかかりポイント
完成度の高い偽物を見せた時
「こ、これは…いつ?」
「2日前ですが…なにか?」
2日前ですが…なにか?
ふむふむ…
ドロボー前川との「盗みプラン」は、偽物とすり替えること
そして実際にすり替えた
すり替えてから、秘書のところへ
絵(完成度の高い偽物・秘書独自のルート)を見せられる
「こ、これは…(本物の絵じゃないか!)」
「この絵はいつここに?」
「2日前ですよ」
野上は確認したかった
- ドロボー前川がすり替える
- 野上、秘書の元へ
- 秘書が絵を見せる
- 野上、本物と思い込む
- この絵はいつここに?
- ここで秘書が「つい今しがた、さっきですよ、5分くらい前ですよ」
- と言うと
- ああ、すり替えた偽物を金庫から持ってきたのか…
- な~んだ、本物と見間違えてしまったテヘペロ
ところが実際は
- 2日前ですよ
- ということは…
- 金庫にあった絵はすでに偽物だったのか
- (野上は、秘書が出した完成度の高い偽物を本物だと思い込んでいる)
- 前川に連絡
- 金庫にあった、さっきすり替えた絵は偽物だ!
前川
- 野上に依頼された「偽物と本物をすり替える」ドロボー
- シーンは無いが、物語開始前にすでに「一仕事終えている」
- よって「金庫からすり替えた絵」を持っている
- トイレに隠れて待機しているところからスタートしている
- 金髪との会話「30分ぶりにタバコが吸える」
- から察して、金庫からすり替えてから30分前後
シーンは無いが、物語開始前にすでに「一仕事終えている」
これに気付けるかどうか
なるほど!
既にやっちゃった後なんだね!
と気付けると、問題を解くのがだいぶ簡単になります
そして気づける要素は盛沢山~♪
- 野上が、秘書の持っている絵が本物だ!
- (何度も言うように、それは完成度の高い偽物)
- さっきすり替えたのは偽物だ!
さっきすり替えた…
さっき…
さっき…すり替えたの?
やっちゃった後じゃん?
ここで、「絵」が3枚あることにプレイヤーは気づける
- 前川が「すり替えるために用意した偽物」
- 金庫にあった絵
- 秘書が出した「完成度の高い偽物」
その後の前川の行動について
野上から連絡を貰ったドロボー前川は
野上が迫真だったので、信じてしまった
なんてことだ…自分が今持っている「金庫からすり替えた絵」は「偽物」だったのか
「自分より先に金庫からすり替えた者がいる」
…と
そんなところに、金髪がトイレにやって来る
「手に入れたっスよ」
「残金は?」
…
コイツかあああああ!!!!!!!!
お前が、オレより先に金庫の絵をすり替えたんだな
実際、金髪は絵を持っているではないか!?
- 前川は、金庫にあった絵が本物でそれと自分の持ってきた偽物とをすり替えた
- と思っていた
- が、実際は「偽物」と「偽物」をすり替えた
- と思ってしまっている → 野上の電話により
- 自分より先に金庫にあった本物の絵を偽物とすり替えた者がいる
- 金髪「手に入れたっスよ」
- 絵を持っている
- ということは…察する前川
ゴショゴショ~~~ピヒーピピヒー
ここですり替える
- 前川の視点
- 前川の偽物と、金髪の本物とをすり替えた
- してやったり♪
- と思っている
引っかかりポイント
「オレの持ってった偽物と本物を交換したんだろ」
…
コレが意味するのは
前川の仕事が「単なる盗み」
ではなくて
偽物と本物をすり替える仕事である
ということを示すセリフになっている
先生に依頼された「金髪」が、単なる盗むだけであるのに対して
前川は「偽物と本物をすり替える」という仕事を担っていたということを示す必要があった
このセリフが無かったら?
(ゲーム開始時、すでに一仕事終えている)前川が絵をすり替えた
コレについては上の図(MY画像)で示した「遠く離れた妄想箇所」になってしまって、推理ゲームとしてはよろしくない
しかし
このセリフがあることで
はいはいはい、前川は単なる盗み…ではなくて「偽物と本物をすり替える」ことをしたんだね
とプレイヤーに気付かせる、ヒントを与えるセリフになっているのです
金髪
- 沖崎先生(と秘書)に依頼されたドロボー
- 金庫にある絵を盗み出す任務
- 「金庫にある絵は『偽物』である」と思っている、信じている
- 「金庫にある偽物の絵を盗み出してくれ」という依頼
- なんだよ偽物を盗めって…
- → ギャラの安いドロボー稼業的には「ショボイ仕事」という一貫した認識
- 金庫の番号は事前に教えてもらっているであろう違和感はない
金髪は一貫して「偽物を盗む任務」だと思っているので
緊張感は無く、ヘラヘラしている
ギャラも安いし
見つかって捕まったとしても、偽物だし?
という余裕もあったかもしれない
トイレで、前川との会話
- 自分が盗んだのは偽物だと信じている
- ゆえの金髪のセリフ
- 前川にすり替えられたことには気づいていない
- 警備員に捕まるも「安物だよそれ~バイバーイ」
- 最後の最後まで「金庫から盗んだ絵は偽物」だと思い込んでいた
引っかかりポイント
そんな簡単に「保管庫」に入れるものなの?
警備ぬるすぎない?
誰もが感じたであろう「凄まじい違和感」
しかし「作り手の視点」に立てば
そこはもうないてもらうしかない。。
それを言っちゃあ~始まらないよ!
という部分で、こーゆー「え?」「は?」「ナンソレ?」を気にしないで良い
ココに引っかかってしまうと
先生、秘書、館長、金髪がグルで
盗まれたことにして、偽物を美術商たちに売って金儲けしようとする「悪巧み説」が開始されてしまう。。
しかしそれはあくまで「妄想」でしかなく
プレイヤー誰もが気づけるモノではなくなってしまう
館長
- 純粋な、ただの館長
- 野上に「絵の高画質画像」を事前に渡していたことで前川(&野上)が「すり替え用の偽物」を作ることができた
- 悪気は無かったが…という系で、館長がグルだった場合わざわざそんな会話はしないだろう…と
警備員
- 純粋なただの警備員
- ぬるすぎ警備が逆に怪しいが、逆に気にしちゃダメ!
問題の解き方
問題を解く上での手掛かり、気づき箇所が「赤字」の部分
特に重要なのが「前川がすでに一仕事終えた後である」という点
そして「絵が3つある」
問題
- 最初に本物の絵を盗んだのはだれか?
- 最後に本物の絵を手に入れたのはだれか?
どちらを解くにしてもゲーム開始時に「本物の絵はどこにあるか?(誰が持っているか?)」を見つける必要があります
で
出てくる絵は3つ
秘書の出した絵は「完成度の高い偽物(贋作)」であることは、彼女と外部の者との電話の内容から明白で
- 秘書の持っていた絵は偽物
となると…
- 金庫の絵(金髪が盗んだ絵)
- 前川が持っている絵
このどちらかに本物があるというとになります…
この問題を解くうえで
個人的に面白いと感じたのが「考え方」によって解く!
物理的な絵の動きを追って考えるのではなくて
思考で解けてしまうという面白さ
考えてごらん?
- ドロボー前川は、偽物を用意して
- 本物の絵とすり替える気でいた
- そしてそれを実行した
逆に考えてごらん?
- ドロボー前川が
- 本物の絵を持ってきて
- 偽物とすり替えますか?
- そんなこと…するワケないよね?
この物語に出てくる絵は3つしかない
- 秘書が用意した偽物
- 前川が用意した偽物
- 金庫にある絵
最初に沖崎先生の「引っかかりポイント」で書いた「金庫にある絵が偽物」という妄想ストーリーは当然除外されるので
出てくる3つの絵の出どころつまり「秘書が用意した偽物」と「前川が用意した偽物」と
じゃあ金庫にある絵が本物である
しかしここで
前川が「すでにすり替えを終えている」そして「トイレで隠れて待機中」である
秘書は秘書で「本物は使いません(本物にはノータッチ)」
ところまで気付けると
一発全問正解に及べるはずです
金髪と前川のやりとり「ピーゴロゴロ」
→ たばこの煙に反応した「火災探知機」的な
→ 前川が意図的に狙ったまである?
ココは、前川と野上の事前の会話から「オレより先にすり替えたヤツがいたのか」
からの
「手に入れたっスよ」
この金髪が絵を持っているではないか!?
コイツか…
自分の持っている偽物とすり替えてやれ
ピーゴロゴロ
実際にすり替えたかどうかは想像の範疇にしかならないが
きちんと文脈を捉えて前川の気持ちに立てば(そして彼はドロボーだ!)
「お前がすり替えた絵は偽物だ!」
「残りの支払いは無しだ!」
と言われた前川の目の前に現れた「同じ絵を持つ金髪」
野上からの報酬「金」が欲しい!
ゆえに、金髪の持っていた絵を本物だと思い込んだ前川がここですり替えるのは必然である
※追記
最後の場面で野上とのゴショゴショ会話で
「まだここにいたのか」
「本物を見つけたよ」
とあるが、野上の視点でいえば知らんがなでしかない…
感想
この「盗まれた絵」は第二幕であり、第一幕との難易度の落差が10000倍くらいに感じられるエグさ。
ただ逆に?
早々にこの難しさをボンっと放り込んでくれたことで
「このゲーム面白い!」
「めっちゃおもろいやん!」
「遊び甲斐がある!!」
「こーゆーかんじスキーーーー」
ユーザーを虜にする魔法だったかもしれませんね?
話は「落語」的な面白小噺風味で
いろいろと余白を楽しめるようになっていてコレもまた良し
すり替え上手な前川の再度のすり替えが「本物 → 偽物」という面白さから、失われた美学のパフォーマンスを計画した沖崎先生が、しゃべってる最中に本物が早速取り戻せちゃったバカっぽいオチ
どうしても「金髪」がスイスイと保管庫に入って盗みを働けてしまうという凄まじい違和感は気になるものの
あとは概ねよくできた筋立ったストーリーで「なるほど!」と気づけてしまえば納得納得の解答で楽しめました
どんな問題にも言えることですが
「声(音、音声)」で解くゲーム!
を謳っているだけあってそこはさすがアニメ大国日本
声優さんの素はらしい喋りが最高てす
金髪の小物感
先生の画家感
野上の二面性
館長さんの穏やかさ
ホントに前代未聞(Unheard)のゲームです!