ネッカチーフ
首に巻く装飾用の小さな布
スカーフとほぼ同じものであるが、スカーフより小さいものを指すことが多い
着用するのは女性と子供に限られていたが、19世紀後半以後になると小型スカーフをも指すようになった
キャスケット
ハンチング帽(鳥打帽)の一種
アメリカなどでは、新聞売りがかぶっていたことからニュースボーイ・キャップと呼ばれる
またドイツでは、風船のように膨らんでいることから風船帽と呼ばれる
19世紀から20世紀初頭にかけて欧米の間で流行し、とりわけ労働者や下級層の間で広く被られた
しかし対極である貴族らにも被られた本来のハンチング帽と外見的に大きな違いがないことも多く、「キャスケット=労働者の帽子」と結びつけられていたわけではない
伽藍(がらん)
僧が集まって仏道を修行する清浄閑静な所。寺の建物の総称。寺、寺院
僧侶が集まり修行する清浄な場所の意味であり、後には寺院または寺院を意味するようになった
いろいろ込み込みで、伽藍
鐘楼
寺院や教会などにおいて鐘を設置するために設けられた施設
寺院内において梵鐘(ぼんしょう)を吊るすために設けられた建物をいう
「鐘楼」の語はカンパニーレ(イタリア語)のような教会建築において鐘を設置するための塔を指しても用いられる
シャトー
- 王族や貴族の住居
- 田舎にある、大きくて美しい やかた
- 諸侯の居所で、堀や壁や塔によって要塞化され護られているもの
ひとつの意味は、王族や貴族の住居である。
あえて翻訳する場合は、「宮殿」とされることが一般的。
とにかく王族や貴族が住んでいれば、城壁の有無は関係ない。
田舎につくられた大きくて美しい屋敷
シャトーは、田舎(田園)に作られた「楽しみのための邸宅(大きな館)」
都市につくられる宮殿(palais)とは違い、非常にユニークなもの
あえて訳す場合は、「城)」や「館」など
「諸侯の要塞化された居所」という意味もある
城壁、塔、堀などによって護られている
入口は厚い門扉で護られ、跳ね橋が設置されている場合もある
コレージュ
フランスの前期中等教育機関
4年制
日本の小学校第6学年から中学校第3学年に相当
各学年は下から、第6級 、第5級 、第4級、第3級 と呼ばれる
1750~
ハプスブルク帝国(オーストリア)君主
神聖ローマ帝国皇帝
オーストリア大公
ハンガリー王
ボヘミア王
女帝マリア・テレジアとその夫で正式な皇帝フランツ1世の長男
マリー・アントワネットの兄
啓蒙思想の影響を受けながら絶対主義の君主であろうともした啓蒙専制君主の代表的人物にプロイセンのフリードリヒ2世やロシア帝国のエカチェリーナ2世と並んで挙げられる。
その政策と思想はヨーゼフ主義と呼ばれ、その急進的改革ゆえ「民衆王」「皇帝革命家」「人民皇帝」などのあだ名がある。
母マリア・テレジアの反対を押し切り、プロイセンやロシアとともに第1回ポーランド分割に加わって領土を広げた。しかしバイエルン継承戦争では崇拝していたプロイセン王フリードリヒ2世と交戦することとなり、バイエルン地方への領土拡大の目論見は成功せず、イン川沿いにわずかな領土を得るにとどまった。
農奴解放令を発布した
これは領主貴族ではなく君主による農民の直接支配を図ったものであり、フランス革命以前のヨーロッパでは、最も革命的な改革であった
宗教寛容令を発布して、ルター派、カルヴァン派、正教会の住民に公民権上の平等を認めた
皇室の領地であったプラーター公園を一般市民に開放したり、小学校を多数建てたり、ウィーン総合病院を開設するなどの政策を行った
フランスを訪ね、妹のマリー・アントワネット及びその夫のルイ16世と会談し、夫婦仲を取り持つことに努め、その翌年にマリーは初めて子を儲けることができた。
ただ王として、改革の多くが挫折に終わったことから、母マリア・テレジアと比べてヨーゼフは否定的な評価を受けやすい。
尊敬していたプロイセン王フリードリヒ2世にも「第一歩より先に第二歩を踏み出す」と揶揄され、またヨーゼフ自ら選んだ墓碑銘は「よき意志を持ちながら、何事も果たさざる人ここに眠る」という皮肉がこもったものである。
しかしヨーゼフの提示した改革理念は、いわゆる「ヨーゼフ主義思想」として、その後のオーストリアにおける改革運動に影響を与えた