めちゃめちゃいい本でした!

 

こ・れ・は、面白い!

 

近年まれにみる(私の中での)大当たり神本ボン。。

 

これは素晴らしかった…

 

ドンピ・シャ・リで私好みの内容だったというのもありますがそこではなくて、この本の内容、中身が神懸った出来栄えであるという点

 

これを?

 

本を書くことがメインではなくてエキスパートとして本業をやりながら綴っているという…天才か!?

 

300ページを超える壮大なスケールで綴られてはいるものの、むずかしい単語や用語、(私のレベルで)読めない漢字というものが一切出て来ないというのも、この素晴らしい本をストレスなく読み進めることができた

 

これは訳者の方の巧さだったりもするのかな…

 

もちろん?だからと言って稚拙な内容であるはずもなく、だからすごいんだよね…書かれている文字が説明的ではあっても専門的に用語を並べて書き立てているのではなくて、読んでいるこちら側に「映像・絵」を浮かばせてくれるような動的な書かれ方がなされているので読めば読むほどとどまるところを知らない爽快さがある!

 

それはまるで「ナショナルジオグラフィックTV」みたいな教養番組を、映像で観ているかのような錯覚に陥るくらい

 

もともとそーゆー系の本(ユーモアに富んだ例えや、映像が浮かぶ動的な綴り)が好きなので、古くは「ブライアン・グリーンのエレガントな宇宙」を中二の夏休み前に読んで、テストの勉強もしないで、頭良くなった気でいて、期末試験が散々だったという思い出があったりなかったり。。

 

 

地球の起源の感想…

 

パラグラム?

 

小段落?

 

大きな1つのテーマを「章」として、それを説明するために数ページの「小タイトル」が集まって構成されて様々な角度(多様な要素)で綴られているので一気に読みやすく、「あれ…なんだったっけ…」って、あとから読みなおす時も見つけやすく、読みやすく

 

例えば第4章「海の地理」は、作家のアーサーCクラークの言葉「僕らの地球は『アース(大地)』と呼ぶのではなく『オーシャン(海洋)』と呼ぶ方がいい」を引用するところから始まり、地球が誕生した50億年前のようすからはじまり、どのようにして「水」が出てきたのか、海が出来たのかを地質学的観点から語り(述べたようにそれがナショナルグラフフィックTVの映像を観ているような動的な文章になっている)、水を富みに変える、太古の人々が船を作って交易を始める話に移り、ノルマン人(ヴァイキング)の話が挟み込まれたり、オランダのくだり(土地を干拓するのに莫大な費用がかかるという事情から、住民からの融資で資金が集められて、新たに土地が干拓される…住民的にもありがたいこと…地形的な需要と海を管理する必要性という土地柄・お国柄の事情によって、オランダという国の特性が方向づけられて「資本主義国となった」…金融都市・世界都市「アムステルダム」は有名ですね。)こーゆー細かいくだりが盛りだくさんで、さらに地中海の話、これもまた太古の「テチス海」に言及しながら、ミノア文明に始まり、そこだけではなくて周囲の国々(エジプトやレヴァント、ギリシア・ヨーロッパ)も描きつつ、小話が盛り込まれて楽しめるし、そこから交易(海洋貿易)の話に飛んで「香辛料」、海路、風の話、大航海時代とヨーロッパの国々の事情などなど、とにかく盛沢山に綴られる

 

そしてこの章のラストにアメリカの選挙における○○党の支持率の有無が、実は地面(地質学的要因)によって決定づけられているという話に展開される

プレートテクニクスによって生じた鉱床から鉱山労働者が多くなる地域は、○○党を支持する傾向が強く、これはまさに大地によって決定づけられている…と

 

たった「海の地理」1章をとっても、このように壮大なスケールで多様な世界が綴られている、これが全9章からなって「地球の起源~人類を決定づけた地球の歴史~」を描いているのです

 

これがおもしろくないわけがないだろう…と

 

 

ところで、シヴィライゼーション6みたいなゲームが好きな私からするとゲームの中にもっともっと「文明観」「地質学的」「地政学的」「海洋上交易・貿易」「自然環境(風と水)」要素を盛り込んで欲しいところ、現在のレベルではまだまだそこまで複雑化した細かい細かいゲーム内容をつくるには及ばず、だからこう、消化不良というか、ある程度やってだいたいこんな感じかぁ~とつかめて理解してくると「まぁ所詮はこんなものか…」と見切りが付いてしまうんだよね

 

自然遺産(世界遺産)1つ取ってみても、労働者や兵士1人取ってみても壮大な物語があるわけで、それをどうゲーム内に反映させるか…ムズカシイ

 

だからこの本「地球の起源」を読むことでciv6の消化不良観を補ってくれるし、いざゲーム(civ7)を作る際の大いなるヒントが盛りだくさんともいえる

 

パクるのではないんだよね…世界観や文明、自然の素晴らしさに感銘を受けてクリエイティブな能が刺激されることに意味がある