エキサイトニュースより
「昔はあまり汗をかかなかったのに、いつからか、汗かきになった」と言う人がときどきいる。自分もその一人だ。
自分の場合、ヨガなど定期的に運動するようになってから、「代謝が良くなったのかも?」「健康的!」などと思い込んでいた。
しかし、『アメトーーク!』の「オジさんたち」(7月6日放送)の回で、芸人たちが自分を「オジさんになったなあ」と思う瞬間などについて語るなか、どうにも気になってしまう内容があった。
それは、宮迫博之が語った「後頭部びちゃびちゃ」というもの。
「首筋に蛇口あるんかと思うほど、首筋に汗をかく」「ドライヤーしてるのに、なかなか乾かない。すぐびちゃびちゃになる」というもの。
これ、残念ながら非常に共感できる。
昔は汗をかかないほうだったのに、今は生え際や襟足などから特によく汗をかく。ドライヤーをしている最中でも、乾かしたそばから、びちゃびちゃになる。
もしかして「代謝が良くなっている」どころか、実は「オジさん化」というか、加齢による特徴なのだろうか。
「汗びちゃびちゃ」の原因はホルモン?
『噂の女医がこっそり教える女の不調が消える本』などの著書を持つ、よしき皮膚科クリニック銀座の吉木伸子院長に聞いた。
「女性の場合は、確かに加齢によって汗をかきやすくなるケースがあります。それは、女性ホルモンの『エストロゲン』に発汗を抑制する作用があるためで、エストロゲンが減る40代後半くらいから、汗が増える人がいます。ただ、なぜ頭から出る人が多いのかはわかっていません」
30代から汗かきになった自分は、エストロゲンの減りが早いのだろうか。ちなみに、男性にもエストロゲンはあり、それは男性ホルモンの「テストステロン」からも生成されるそう。
また、エストロゲンの量は、女性の場合、思春期から30代くらいまでは非常に多いが、40代以降にグンと減る。
対して、男性の場合、エストロゲンの量は年齢によって変動があまりない。そのために、50歳くらいからは女性が閉経で激減する分、逆転し、男性のほうがエストロゲンが多いという状態が起こるそうだ。
つまり、男性は年齢を問わず、エストロゲンが少なく「汗びちゃびちゃ」になりやすいのに対し、女性のほうが加齢の影響でエストロゲンが減少して「汗びちゃびちゃ」が起こるということなのかも。
では、汗を減らすにはどうしたら?
「汗を減らす簡単で確実な方法はありません。更年期で頭からの汗が多くて生活に支障がある人は、婦人科で女性ホルモンの薬を使用する場合もあります。脇の多汗にはボツリヌス注射もあります。それ以外には医学的治療は難しいです」
運動すると汗をかきやすくなるのか
ところで、「運動すると代謝が良くなり、汗をかきやすくなる」ということはある?
「サウナや半身浴、ホットヨガなどわざわざ発汗するようなことを習慣的に行うと、余計に多汗症になることがあります。汗が気になっている方は注意してください」
また、異常な多汗は甲状腺の異常などの病気の場合もまれにあるという。
いずれにしろ簡単ではない、汗対策。こまめに拭ったり、ときには首元などの冷却ジェルなども利用したりして、上手に付き合いたいものだ。
(田幸和歌子)