Twitterに投稿した140字Novels (20) | レンタル・ドリーム 『夢』 貸し出し中!

レンタル・ドリーム 『夢』 貸し出し中!

アンドロイドの皆様へ。
あなたに今夜見て頂きたい『夢』を貸し出すレンタルショップです。
さてさて、用意致しました今宵のプログラムは……。

原則一話完結のショートストーリーです。
 


 先週もこちらと
https://shindanmaker.com/375517

こちらの診断メーカーを使い
https://shindanmaker.com/418984

出たお題に沿って、1日1話140字小説を書いてみました。




5/22 お題 『夢だけの世界』

「形が欲しい、私も形が……」
現実世界に生きる者は、どんな思いも叶えられる夢の世界に憧れた。
一方、夢の世界に生きる者たちは、自らの形が定まらない事を嘆いていた。
「教えてくれ。壊れるってどういう感じなんだ?」
詰め寄られた所で目を覚ました私は、思わず自分の手を自分で握りしめた。


※なぜか最近夢を見なくなりました。夢占いもできません。





5/23 お題 『オフレコ』

「ステーキ残すのか。調子でも悪いか」
「あぁ、牛には悪いが」
「牛も、まさか自分が食べられるために生きているとは思わないだろうな」
「それを言うなら彼らだって同じだろう。地球上にうごめく70億もの、あれも家畜」
「本当に人といえるのは、我々とファミリーを含めた数百人だけだからな」


※オフレコでお願いします。くれぐれもオフレコで。





5/24 お題 『甘い』と『月』

友人がお土産にくれた月餅の餡は干柿だった。
その甘さにリンクする幼少の記憶。
大怪我で一日中うずくまる私を側で見ていてくれたのは祖母だった。
両親は共働きでおらず、兄弟達は自分勝手に遊ぶ。
隠すように渡してくれた干柿の甘さ。
柿を干すタイミングは難しいが、祖母はいつも上手だった。


※私が食べた月餅の餡は柿でしたが、他にもいろいろあるようですね。





5/25 お題 『愛してはいるんだけど』

自分の楽曲だ。もちろん自分で愛してはいる。
だけど……。
初めてこの街の改札をくぐった時、挑戦者を迎え入れる門のように感じたっけ。
しかしどんなにボリュームを上げても、僕の歌がこの街の誰かに届く事はなかった。
誰か一人にでも届けられたら、僕は涙を見せずに街を去ることができたのに。


※今日何人が夢を抱いてこの街を訪れ、夢に破れてこの街を去るのか。そんなこと、誰も関心がない。





5/26 お題 『奏でる』と『靴下』

ベランダで小鳥がピッコロのようにさえずる。
そういえば干してある靴下は音符のように見えなくもない。
お父さんの声はコントラバス、足音はティンパニー。
子供の声はバイオリン、足音はタンバリン。
うなる食洗機はこう見えて管楽器だ。パパラパッパパー。
家の中にまさかのフルオーケストラ。


※食洗機は敵 byあらいぐま





5/27 お題 『花束を抱えて』

偉大な男が死んだ。
武力で近隣3国を併合し7国を属国に従えた。
野望を成し遂げ、栄光を手にした男の死に顔は幸福に満ちていたという。
涙に暮れ、花束を抱えて進む葬送の列。
棺のすぐ後に従うのは4人の妻とたくさんの子、孫達。
一年後、内乱により残酷な運命が待ち受けているとも知らずに。


※親が偉大過ぎると、子供は困るのぉ。





5/28 お題 『僕は一生、恋をしない。』

僕は一生、恋をしない。
そのために研究をおろそかにしたくないしね。
そういう人種は、日本で暮らすのが何かと楽だよ。
週末を研究室で過ごすとか、ランチを一人でとか、変な目で見られないし。
だから君も僕に気を使ってくれなくてもいいんだよ?
「そういうつもりじゃないですけど」
「え?」


※「じゃあどういうつもり?」って、聞くべきか、聞かざるべきか。







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では、また来週 ('-^*)ノ