「・・・ここだけの話ですけどね」
「はいはい」
「昨夜、用を足そうと思って砂場に行った時、見ちゃったんですよ」
「何をですか」
「幽霊ですよ」
「またまた~、そんなものいるわけないじゃないですか」
「白くて耳が長い……」
「白ウサギじゃないんですか」
「違います、スーッと消えちゃったんですから」
「そんな怖い話、私が信じるわけないじゃないですか」
「あれはきっと、お化け・・・」
「ちょっと待って下さい 幽霊とお化けは違いますよ」
「何が違うんですか」
「幽霊は肉体を失った死者の魂ですが、お化けはそれが悪意を持って生者を驚かすように姿を変えたものです」
「ということは、申しわけなさそうにスーッと消えちゃったアレは、幽霊」
「そういう事です」
「なるほどー」
「ついでに言うと、妖精というのは元々肉体を持たずに生まれてきた魂です。何かの役目を持っていたりするんですよ」
「フムフム、勉強になります。では、妖怪っていうのは何なんですか」
「アレは異次元の存在です。ふとしたはずみで、別の世界が我々の世界と交わることがあって、その時そちらの世界の住人が見えちゃうことがあるんですね。それが妖怪」
「フムフムーッ次元が交わるなんてスゴイですね」
「ま、私はどれも信じてませんけどね」