毎年7月、夏休み入ってすぐ、
あーくんの小学校では拡大懇談会がありました。
もう17年前ですが。(うっ・・・月日の流れが・・・・)
これは、支援学級の保護者と学校の先生全員が図書室に集まり、
日頃のこどもの様子について、
保護者の立場からや交流クラスの先生の立場からの話を、
全く受け持ちのない先生も一緒に聞いて、
情報交換をする場です。
懇談会始まりの歴史は、あーくんが入学する何年か前、
支援学級の保護者と交流クラスの先生と数名の懇談会だったと聞いています。
当時懇談会に出席した先生方が、
「こんないいお話(保護者の思い)を数人だけが聞くのはもったいない!
もっとたくさんの先生に知ってもらいたい」
と言ってくださり、
文字通りどんどん拡大し、今では全先生が出席される会にまでなりました。
あーくんが小5のころから会のタイトルも
「特別支援教育研修会-支援学級拡大懇談会-」となり先生方の学びの場となったようです。
今までは、保護者一人一人が、それぞれの思いを語っていました。
しかし大勢(先生方は50人くらいいらっしゃいますので)の前で話すのは…という声もあったため、
あーくんが小4の頃には、
先生5人くらいのグループに一人保護者が入り、
家でどんな様子か、何が得意でなにが苦手か、好きな遊びはなにかを話す、
グループ討議のかたちをとるようにしました。
このグループ分けは好評だったので、今後も続くでしょう。
グループに分かれる前に、代表で何人かの保護者が話します。
初めてグループにした年(あーくん小5)は三名ほどお願いしましたが、
グループで話すほうが楽しくそちらに時間をとりたいので、
代表で話すのは今年は一名にしようとなりました。
6月頃に支援学級の担任の先生から
「6年生最後ですから、全体でのお話、お願いできませんか?」と先生に言われました。
「喜んで!」私は答えました。
あーくんのことを一人でも多くの人に知ってもらえる機会ですから。
しかも、いつどこでお世話になるかもしれない先生方にお話をできるなんて、またとないチャンス♪
そこで、今までの先生とのやりとりがたっぷり書かれている連絡帳を読み返しました。
母子通園をしていた時のもの、
単独通園施設(児童発達支援施設)の時の時のもの、
小学校に入ってからのもの。
それはかなりの冊数です。
でも、こんな機会をいただかないと、連絡帳を読み返すなんて、
私には絶対にしないことです。
(捨てずにとっておくことは得意ですよ。
ストレングスファインダーで収集心を持ってますからね)
だからこの機会をくださったT先生に感謝しながら、
丁寧に読み返していきました。
するとこんな可愛いことをしていたの?や、
こんな悩みもあったのか、と、
今では記憶にないものもたくさんあり、驚かされることばかりでした。
当時はとても悩んでいましたが、
こうして過ぎてしまえば、
あの時のアレはこういう理由があったんだ~とわかったり、
あれも必要なステップだったんだな~と気付きます。
『発達に遅れのある子の就学相談』という本のなかにこうあります。
障害のある子どもが就職して一番さきに求められるのは、困った時に「助けて」と言える力です。仕事で必要なスキルは職場でおおよそのことは教えてくれます。けれども、困った時に「助けて」と周囲を頼って助けを求めることは、成人になって教えても、なかなか身に付くものではなく、結局助けてと言えなかったために大事にいたってしまうケースがよくあります。
人に助けを求めることができるかどうかは、「他人への信頼感」と「自信(自分への信頼感)」に深くかかわっていると感じます。その鍵になるのは、自分の思いを受け入れてもらえた十分な体験があるかないかです。
私が人前であーくんのことを話す時に、必ずこの文章を紹介します。
これが私の子育ての大黒柱になっているからです。
あーくんの小学校は、
あーくんにとって「ここにいてもいいんだ」と思える場所です。
支援学級の子どもが、交流クラスにいるということは、
周りのお友達にとっては
「世の中には色々な人がいるんだな」ということを知ることであり、
あーくんにとってはいずれ社会に出た時のために
「困ったときに助けて」と言える経験を一つでも多くできる、という、
それぞれが毎日のなかで自然に学んでいる環境なのではないかと思うのです。
あーくんが毎日ののびのびと生活している姿を見て、
あーくんの通っている小学校は本当に安心・安全の場だと感じます。
兄の時から数えて八年間いますが、
校長先生は四人、交流クラスと支援学級の先生も毎年変わりましたが、
この交流スタイルが変わらず続けられているのも、先生方やお友達のおかげと思っています。
拡大懇談会も、そういったみなさんのお気持ちの表れではないだろうかと思っています。
令和の現在、
小学校の支援学級のクラスは、この当時の4倍に増え
支援学級の先生も同時に増えますから
コミュニケーションも複雑になっていると思います。
特にコロナ禍も経験し、今の子育て世代は大変と思います。
が、大変な中でも、その時その時でなるべく楽しみを探し出して
楽しみながら、なんとかやっていくしかないんでしょうね。
そしていつの間にか子どもは大人になっている。
その時に後悔したくないですね。
そう思います。