あーくんが行っていたころの中学校は、

中2の時に全体の生徒が職場体験をし、

中3で普通学級の子たちが高校見学をする時に

支援学級の子たちは職場体験をしました。

(支援学級の子たちは、学級のみんなで

1学期~3学期に何回か高校見学に行くのです)

 

 

中2の時の職場体験先をどこにするのか。

選ぶところからのお話です。

 

私には何人か先輩お母さんがいて

それぞれお子さんの様子も違うので

色々な情報をもらっています。

 

 

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あーくん中1の時。

 

ある日、支援学級の先輩お母さんたちの飲み会に誘ってもらいました。

今お子さんが高校2年生になる学年の方たち10名ほどの集まりでした。
初めまして、という方ばかりでしたが・・・

始めから楽しい雰囲気で私もリラックス♪
先輩たちがせっかくいらっしゃるのだから!!!と質問させてもらいました。
 

「職場体験の受け入れ先を、『お母さん達、自分で見つけてきて』と

担任の先生から言われたとお聞きしたんですけど、

どんな感じでみなさん探されたんですか???」


なんでもしてもらえるのは、義務教育期間中だけ。
「中学校を卒業したら、守ってもらえなくなるんよね~」
あーくんの障がいがわかってすぐに知り合ったお母さんの、

学生時代のお友達が養護学校(当時はこんな呼び方でしたね。今は特別支援学校)

の先生をされていて、そのお友達が教えてくれたのだそうです。


そうだよね。義務教育ってずっと続くわけじゃないよね~当時そう思いました。
だから保護者は人からの支援を待つような受け身でいるより、

いかに子どもによい出逢いをさせるかコーディネートさせる、というスキルが必要。

そう教えていただいたことがあります。(海津敦子さんに)


 

職場体験も普通の子だったら、「この中から好きな職場を第7希望まで書いてね~」

と言われて紙を提出するだけというところを、

あえて支援学級の子を持つ親にそのスキルを獲得するように、

という練習をさせてくださったんでしょうね。

というか、世間の厳しさを保護者が体験して将来どうしたらいいかを覚悟させるため?

飲み会の席で、先輩お母さん達は

「ほんと、あの時は何箇所も頼んでは断られてね、大変だったよね~」
大変だったと言いいつつ、みんなニコニコ笑顔が印象的。

私達頑張ったよね~!って、自信に溢れて見えました。

いいな~♪そんな体験ができて~。私もしたいな!そう思いました。



「職場体験ってね、何が一番大事かって、必ず成功体験で終わらせないといけないってこと。
仕事に対する、前向きな気持ちを持たせるために初めての体験は成功でないとね」

先輩お母さんに教えてもらった、職場体験のコツです。
「絶対にこう」ということは、人生の中で、そうないでしょうが、

でも、職場体験は、その後の人生に大きく関わると思うので重要なんだろうな、そう思いました。


そうやって、みなさん、お子さんのために、

この子にとって本当に楽しいこと、好きなこと、できることを知ったうえで、

色々と受け入れ先を探したり、問い合わせたり、

実際決まったら先方との打ち合わせや準備など、
たくさんたくさん用意をされて、

お子さんたちは職場体験を経験されたんでしょうね~いや~いいですね~
前向きになれるための、挑戦♪


飲み会には当時の担任の先生も会に出席されていました。
「ぼくはね、専門は理科だから、実験とかして、失敗をしないと成長できない、と今まで思ってたわけ。
世間で『成功体験は良い』って言われてても、そんな訳ないって理解できなかった。
でも、実際この子たちの職場体験後、ニッコニコの顔や、前向きな言葉をしゃべる姿をみてああ、

成功体験っていいんだ~って初めて思えた。

この時の職場体験で初めて分かった!!」そう言われていました。


(私、酔っぱらっていたのであまり覚えてなくて、ちょっとニュアンスが違ってたらごめんなさい!!)
先生の考え方をも変える出来事だったのですね~スゴイ!
ますます職場体験を楽しめたらな~そう思いました。
たくさん刺激をいただきました。

 

 

 

 

同じ頃、二年生が三日間ほど学校にいないので、

職場体験期間中ということを知っているあーくんが

「俺は来年どこになるやろ」と言ってきました。

「え、なんか、受身やね~。じゃあ自分はどこに行きたいとかないと?」と聞いてみました。

しばらく考えて、あっ、という顔をしたかと思うと、

「あ~俺ね~、小学校行きたいわ~。俺が小学三年の時、中学生が来たでしょ。

それで、中学生が自己紹介して、質問コーナーがあったでしょ。俺覚えてんねん」
へええ、小学校と言うとは思わなかったなあ!いいね~なんか楽しそう♪

 

実は去年のお兄ちゃんの職場体験先が、自分が通っていた小学校でした。

それを覚えていたのかな??
お兄ちゃんみたいにクラスに入るのもいいけど、

自分がいた支援学級のお手伝いで入らせてもらうっていうのも楽しいかも?!

そんなあーくんの姿がぱっとみえました。さあ、どうなるでしょうね~。
まずは、あーくんのの担任の先生に相談ですね!

私の申し出を受け入れてくださるかどうか。

 

 

 

 



中2の2学期に入り。


来週いよいよあーくんの職場体験!
あーくんの中学校では、支援学級の生徒が今まで小学校に職場体験行ったことは無かったそうです。
でも、そこは母さん頑張りますよ〜♪


たまたま小学校の教務主任の先生が長男のかつての担任の先生だったということと、

私が今でも(当時ですね)小学校の図書ボランティアをしているツテで、

何とか小学校の職場体験受け入れとなりました。
それに、先輩お母さんたちが中学校の支援学級の担任の先生から

「自分たちで職場体験先を探してきてね~」というミッションを受け、

それぞれお母さんが体当たりで探された、という話を聞いて、

私もやってみたい♪と思っていたのです。
プリントをみると、もう一人の支援学級の子もいたので、

一人じゃなくて良かったね♪

といっても、通常学級の生徒さんと同じようには出来ないので、

あーくんがかつて在籍していた小学校の支援学級へ入らせていただくようにお願いしました。

先生は、特別支援のプロですからね。あーくんにとっても懐かしい先生ですし。


お兄ちゃんも職場体験は小学校でしたので

「こんなプリント貰ってきたっけ?」と聞くと、
「事前挨拶に行った時に、こんな話はあったけど、

全部自分でメモらんないけんって感じで、

配られたのは自分が入るクラスの時間割が書かれてあるものだけやったよ」
先生としてどう子どもに接するか、などなど書かれていました。

このプリントは全員もらったそうです。

ユニバーサルデザインってことでしょうね。
楽しい職場体験になるといいね~





あーくんの職場体験、

無事に3日間を終えることができました!
「なんで小学校なの?」
「俺、覚えてんねん、小学校3年生の時、中学生が来て自己紹介したって」
そう、あーくん、事前に自己紹介と小学生からの質問コーナーを

とっても楽しみにしていました。


あと、事前にとっても気にしていたのが、

給食の時の箸を持っていくのに、どれを持っていくかって。
中学校も給食ですが、先割れスプーンが出てくるので、

給食の時はなにも持っていかなくてもいいのです。


小学生の時は、箸とナフキンを毎日もって行っていました。
当時の箸はまだとっているのですが、あーくんがとっても好きだったマリオの箸なのです。
「これ持っていったら?」
「いや、これはええ」
そういって、あーくん持っていきませんでした。
ちょっとは成長した?!結局大人サイズの箸を持っていきました。

 


そんなあーくんが初日。家に帰ってくるなり、

「今、言えることは、めっちゃ大変やった!!!」
ニコニコしていました。やったね!!


1日目は、何をしたかというと、
・支援学級の畑仕事を手伝う。主に子ども達の作業の様子をカメラで撮る。
・五年生の運動会の「花笠音頭」の練習の補助
・クラブ活動では、カードゲームクラブで、楽しくゲームをした
・支援学級の算数の授業で、リットルを教えた
・支援学級に転校生がいたので、その歓迎会でゲームをした



一応毎日日誌を書いていて、
1日目は、
「子どもたちの写真を撮ったところが楽しかった。
全員が写るように注意した。
先生が一番気を付けていることは、

子どもたちを公平にすることということがわかった。
振付を教える時に、優しくタイミングよく教えた。
自己紹介を楽しく子ども達の意見を引き出しながらしていたことを、

I先生に褒めていただきました」
と書いていました。


あーくんの楽しみだった、小学生からの質問コーナーも1日目だったようで
「中学校で怖い先生は誰ですか?」

 → 「A先生(お兄ちゃんもこう答える、って言ってた( *´艸`))」
「大変な部活は何ですか?」 → 「ハンド」
「あこがれの卓球選手はいますか?」 → 「水谷隼」
「中学校はどうですか?」  → 「幸せ」
こう答えた、と教えてくれました。




2日目。
帰ってくると「あ~給食が足りんわ~」としきりに言っていました。
「量が少ないの?」
「全然足りん」
さすが中学生の食欲は、小学生のそれと違うのですね~。
そして
「やっぱ、小学校と中学校は違う」と言います。どこが違うの?と聞くと、
「まず、チャイムの音」と言います。
「あと、給食の放送」



小学校の職場体験では、
今までだったら、職場体験の中学生が固まって給食を一緒に食べていたらしいのですが、

小学生と一緒に食べることも仕事だから、と、担当の先生が上の先生にかけあってくださって、

クラスに入って食べさせてもらうことになったのです。

初日は5年生、二日目は3年生。最後は5年生(初日と違うクラス)


「久しぶりで懐かしいでしょ~」

入らせてもらったクラスの先生に言われたそうです。
入らせてもらったクラスの先生は、

かつてあーくんとかかわってくださった先生方ばかりでした。
(同じ学年の先生だったり、卓球クラブの先生だったり)
知ってもらっている、ということがどれほど大事か、改めて思いました。

 



3日目。
プリントの丸つけをしたそうです。

「あの赤いペン、めっちゃ書きやすかった」というあーくん。
運動会の練習の花笠音頭の振付の補助に入ったようで、

「運動会、絶対見に行く!!」と言っていました。(・・・結局部活で行けず)

「おにいちゃんは、新幹線に興味がある、ってT先生に言われた~」

と帰ってきてから教えてくれました。

おにいちゃんの担任の先生が、今は小学校の教務主任をされているのです。

おかげで、今回もお願いしに行くのに、とっても心強かったのです。



最終日の先生からのコメントをそのまま紹介します。
「ひらがなプリントに先生の赤ペンでお手本を書いたり、パズルができた子どもにシールをあげたり、あーくん先生大活躍でした。休み時間には、子どもと遊ぶのも大切な仕事と知り、ソフトバレーやウノ・パソコンを一緒にしてくれました。常に見通しを持って自分から行動し、先生たちの指示に「ハイッ」とキビキビと動いていました。子ども達と接する時は、ユーモアも忘れず、みんなの笑顔も引き出していました。将来、ぜひ学校の先生になって欲しいです。三日間、100点満点でした。ありがとう!(^^)」


こちらこそ、事前の準備から当日の流れの中での指導をしていただき、

ありがとうございました!!!です。
あーくんの自信になったらいいな~♪

 

 

 

 

 

ちなみに中3の時は保育園に行かせてもらいました。

夏だったので、小さい子たちとプールで遊んだようで

楽しかったみたいです。

支援学級の他の子は、保育園と消防署、など、人によって組み合わせが違ったようです。

(あーくんは全日保育園)

 

 

実はそれが、高校3年の時の職場実習につながり、

2週間の期間で、前半は幼稚園、後半は就労移行支援事業へ

行かせてもらったのです。

ちなみに、幼稚園は、高校の担任の先生のフィアンセ(当時まだ結婚される前だった♡)

の方が働いている幼稚園だったので、色々と配慮をしていただけました。

 

人のつながりが本当に財産だな~と思います。