今後を占うという意味ではまったく参考にしたく無く成る様な曇天の中、もくもくと作業が進んでいた。

戦闘の開始予定時刻は昼過ぎから夕方にかけてだろうと予想されている。
これは苦心して細工した、捕虜兵への情報リークで、くだんの本陣近くに、大量の武器を隠しておりそれを、兵が総出で掘り返し軍備を整え、今晩遅くに討って出るという偽情報を流しており、事実今朝本陣予定地に洗われた偵察兵に、あえてくつろいだ風の姿を見せたりしている。

昼過ぎに風車の国の軍およそ200は長い海岸線沿いに布陣した。
断崖を背に50名で本陣を敷いている。その際伏兵となる150の兵の布陣のために一度すべての監視の兵を捕縛するか追っ払っている。

作戦とはいえ、一歩踏み外せば死が待ち受けている、そんな崖を背に戦うのだ、正に背水の陣なのだけど、作戦考案したアキも随分叔父様と話を詰めていた。
すべてはタイミングと、いかに兵の動きを統率できるかにかかっているらしい。

残り150は海岸線沿いの大きな風車にそれぞれ4隊に分かれ、本体の前方に配置して有る。

この配置に際しても随分と時間をかけて選定していた様だ。
聞こえてくる断片的な話では、逆進へのタイミングを図りやすい距離と、各個撃破されない位置どりとかそう言った事を話していた。

すべての準備を終え、敵軍の偵察兵が私の目にも見え始めたのは夕方になってからだった。

私達は何時でも動き出せる体制を整えながら、あえて夕餉の準備をするふりという演技を要求されている。

なんだかアキの作戦は演技ばかりだ・・・。

稜線上に敵軍が見え始めたのは夕日が沈んだ宵の口だった。

この時的の兵数は200。
ほぼ敵の全軍に当たる。

「敵が全軍で来れば、それはこちらの思う壷なんだけど。ここで全軍をためらわず投入できるということは、良将の証でも有るんだよ。だからこそ野戦では苦戦をしいられる可能性も有るんだけど、それはリッツおじさんにお任せで!」
蜂蜜を塗ったパンを香ばしく焼いて、シナモンを振りかけたものを、やはりポロポロとこぼしながら美味しそうに頬張っているアキが説明してくれる。
「まあそもそも、風車の国への潜入を少数とはいえ、浸透作戦という形で奇襲を成功させる様な指揮官だから無能なわけがない、だからこそこちらも有る程度策に掛けやすいし、行動も予想できるっていうものなんだよね。」
「じゃあもしも、実践部隊の隊長が無能だったらどうするの?」
なんだかわけ知り顔なアキに少しイラついて私が意地悪な質問をすると。
「こういった潜入作戦で最も必要な資質は、臨機応変さと兵を如何に統率できるかっていうところなんだ、そしてここまでその作戦行動に際してその才能を行かん無く発揮していると考えて街がいないんだ、だから指揮官が無能であるということは考えられないんだよ。たとえ無能で兵を小出しにして対応してくるのであれば、こちらはかっこに撃破して行けばいいだけだし、時間と労力はかかるだろうけど城を攻略することに成ると思うよ」
待ってましたとばかりに語るアキだった。

そしてアキの言葉を裏付ける様に、全軍を率いた敵軍が全身を開始した。


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