王や王妃も、いまだ六歳の娘のすることだからと大目に見るし、まわりとて皇女にわざわざケチをつけて、進んで不興を買おうとするものもいない。
自然と少女の周りからは人が遠ざかり、他人と接触する機会が日増しに減って行った。
少女の世話係と教師係以外にはほとんど顔を合わさないといった日々が続いていたから、なおさらに今日のような大きな晩餐は、楽しみだったのだ。
友達を探す散歩をやめおとなしく、さみしい自室に帰ろうと思い直したときに少女は変わった服装をした少年を見つける。
真っ青な半ズボンに白いシャツ、黝い髪に黒い瞳。
何か探し物をしている様子なのが見て取れる。
彼女の心に喜色が混じる。
この子と何かお話ができるかもしれないと。
すぐに近寄って行き、お話しをしようと思ってその少年の顔を見てなぜか、その黒い瞳に吸い込まれるように、視線を縫い付けられてしまった。
「どうしたの?」
少年は不審げに尋ねてきた
「あ、いや、その、えっと」
しどろもどろになってしまう少女をじっと我慢して待つ少年。
「な、なにか、探し物をしているのですか?」
やっと言えた少女に
「うん、僕のじいちゃんの大事な短剣を失くしてしまって、それを探してるところなんだ」
「ここら辺でこのくらいの短剣をみかけなかった?」
少女はなおも少年の瞳を見続けていた。
不思議な瞳だった。
ここ最近ではまったく見なかった類の瞳。
恐れでもなく、あざけりでもなく、卑しいものでもなかった。
純粋な瞳、そしてひどく悲しい瞳。
そして少女はそれをとてもきれいだなと感じていた。
そして
「一緒に探しましょ」
少女は自然に言えた。
「ありがとう、こっちはみたから白いお花のほうに行ってみようよ」
と少年はうれしそうに少女の手を引っ張っていく。
少女はその手が暖かいと感じ、とてもうれしくなってきた。
握られた手を、そっと握り返す。
不思議そうに振り返った少年がすぐに笑顔になる。
少女はこの笑顔をずっと見ていたくなって、少年の横に並ぶように走り始める。
二人の少年少女が庭園を走り去っていく様子を、暗くねめるような目が追っていた。
自然と少女の周りからは人が遠ざかり、他人と接触する機会が日増しに減って行った。
少女の世話係と教師係以外にはほとんど顔を合わさないといった日々が続いていたから、なおさらに今日のような大きな晩餐は、楽しみだったのだ。
友達を探す散歩をやめおとなしく、さみしい自室に帰ろうと思い直したときに少女は変わった服装をした少年を見つける。
真っ青な半ズボンに白いシャツ、黝い髪に黒い瞳。
何か探し物をしている様子なのが見て取れる。
彼女の心に喜色が混じる。
この子と何かお話ができるかもしれないと。
すぐに近寄って行き、お話しをしようと思ってその少年の顔を見てなぜか、その黒い瞳に吸い込まれるように、視線を縫い付けられてしまった。
「どうしたの?」
少年は不審げに尋ねてきた
「あ、いや、その、えっと」
しどろもどろになってしまう少女をじっと我慢して待つ少年。
「な、なにか、探し物をしているのですか?」
やっと言えた少女に
「うん、僕のじいちゃんの大事な短剣を失くしてしまって、それを探してるところなんだ」
「ここら辺でこのくらいの短剣をみかけなかった?」
少女はなおも少年の瞳を見続けていた。
不思議な瞳だった。
ここ最近ではまったく見なかった類の瞳。
恐れでもなく、あざけりでもなく、卑しいものでもなかった。
純粋な瞳、そしてひどく悲しい瞳。
そして少女はそれをとてもきれいだなと感じていた。
そして
「一緒に探しましょ」
少女は自然に言えた。
「ありがとう、こっちはみたから白いお花のほうに行ってみようよ」
と少年はうれしそうに少女の手を引っ張っていく。
少女はその手が暖かいと感じ、とてもうれしくなってきた。
握られた手を、そっと握り返す。
不思議そうに振り返った少年がすぐに笑顔になる。
少女はこの笑顔をずっと見ていたくなって、少年の横に並ぶように走り始める。
二人の少年少女が庭園を走り去っていく様子を、暗くねめるような目が追っていた。