心をまことにしていく
御 教 歌
心だに まことにくらす ものなれば
世にこわいこと 有ることはなし
何事においても誠心誠意を以って取り組んでいけば、この世の中に怖いものはない。
このように仰せの御教歌です。
「心をまことにしていく」ことは大事なことで、そうありたいと思うのですが、実際の生活の中では、
「正直な者が馬鹿を見る」
とありますように、社会の秩序や法の裏を掻い潜り、ずる賢く立ち振る舞うものが利益をむさぼり、規則や秩序を遵守していくものが損をして嫌な思いをすることがあります。
また別のことわざに
「正直は阿呆(あほう)の異名(いみょう)」
とあり、正直といえば体裁は良いのですが、現実の生活では馬鹿正直ということで、融通のきかないのを軽蔑したありがたくない言葉もあります。
だからといって、要領よく立ち振る舞っていく生き方が決して良いとは限りません。
要領が悪くても、心をまことにして生きていくほうが人らしい生き方だと思います。
そして、人を大事に、思いやる心になっていくほうが、どれだけ人らしい心であることか・・・
そのような心になっていくことが「心をまことにしていく」ことです。
そうしていきますと
「正直は一生の宝」
とありますように
「世の中には不正直な者が多いので、正直者は損することもあるが、長い目で見ると結局正直者は成功する。」
正直を守り通すべきで、これこそ多くの人が持ち得ない貴重な宝になるというのです。
ですから、常日頃より「心をまことにしていく」稽古を心掛化て行くことは大切なことです。