人生は流れにまかせて
御 教 歌
世の中を わたりくらべて 今の世は
あはのなるとを わたるにぞある
人の生涯を例えれば、鳴門の渦潮を渡り歩くようなものであることをお示しの御教歌です。
鳴門の渦潮といいますと、干潮時と満潮時には10~35メートルぐらいの渦が無数に発生するという有名な場所です。
その大きな渦を私たちの人生として喩えてあります。
この大きな渦は、流れの速い潮と遅い流れの潮がぶつかり合うことによって出来るといいます。
お互いの人生においても「流れ」というものがあり、その流れに沿っていけば「人生の渦」にも合わないのかもしれません。
けれども自分考えに固執し、流れに逆らっていることにも気づかず、「大きな渦」に巻き込まれていることもあります。
また渦潮は、20~30秒ぐらいで消えるとのこと。
そのように「人生の渦」も、何時までもあるのではなく、発生しては消え、消えては発生するを繰り返していきます。
その「大きな渦」に苛まれないよう、独りよがりを止めていきたいものです。
御指南に
「おのが智慧(ちえ)と思ふちゑはちゑにあらず。凡夫(ぼんぶ)の妄想(もうそう)也。故に私を捨て仏の智妙(ちみょう)を信ずるをまことの智者(ちしゃ)と申す也。」
「自分の中にある知恵は本当の智慧とは違うのであり、それを凡夫の妄想なのである。であるから、自分考えの知恵を捨て仏智をいただいていくことこそが、まことの智者というものである。」
このようにお示しで、自分さとりを止めにして、どこまでも「流れ渡り」に歩いていく大切さに気づいていきたいものです。