仏道とは何か? | 人として生きる上で大切なこと 「こころのものさし」

仏道とは何か?

      <Seiryuのつぶやき> NO432


              人として生きる上で大切なこと 「こころのものさし」-住職驚き 青

 

 

 昔、中国に白居易(はくきょい)という詩人がいました。

 

ある日のこと、人の噂で大層立派な僧侶がいることを聞いた白居易は、尋ねていきました。

 

その僧侶は、山中にある木の上で、常に座禅を組んで修行していたのです。

 

名前を「鳥菓道林(ちょうかどうりん)」と言います。

 

白居易が

 

「仏道とは何ぞや・・端的にお答えいただきたい。」

 

と言いますと

 

僧侶は

 

「善い事をして悪い事をしないことです。」

 

このように、誰もが知っているかのような言葉を発したのです。

 

すると白居易はあざけ笑いながら

 

「それが仏道であるか・・・そんなことは、三つ子でも知っているというもの。そんなに簡単で単純な教えなのか!」

 

と言うのを聞いて、この僧侶は

 

「その三つ子でも知っていることを、何故八十の翁(おきな)になっても出来ぬのか・・・」

 

更に

 

「分かっている事と身につけている事は違うのである。身につけてこそ初めて分かったと言えるのである。」

 

このように言われた白居易は、返す言葉もなく、その場にひれ伏し、仏道修行を勤(いそ)しんでいくようになった・・・ということです。

 

このように

 

仏道とは「善い事をして悪い事をしない」という教えです。

 

人を騙(だま)したり、落とし入れたり、裏切ったり、自分の欲得のためだったら手段も選ばない・・・という生きかたでは、仏の道どころか人の道から外れてしまうのです。

 

「人は人らしく」という言葉がありますように、生きていくうえにおいて、してはならないことは絶対しない・・ということが我が身に付けていきたいものです。

 

そして善い事に関しては、人がどう思おうとも「善い事は、善い事」として堂々と貫いていくことです。

 

このことが、仏道においてまず大事なことですし、この延長に仏になる道があるのですから、人として踏み外してはならない事柄を身につけていくことから学んでいきたいものです。