心に薬 | 人として生きる上で大切なこと 「こころのものさし」

心に薬

   

            [ 心のくすり ]

私たちは誰もが煩悩欲を持ち合わせています。

その煩悩欲に執着する心を癒すために、薬を用意されたのが仏さまです。

その薬とは、仏さまが長年修行して積んできた功徳のエキスのことで、その薬を妙法蓮華経といいます。

その薬の中に「四無量心(よんむりょうしん)」というエキスが込められてあります。

無量心とは量り知ることの出来ない心のことで、とても深くて広く、我々では思い知ることの出来ない心のことです。

仏さまの無量心とは、それはそれは「深―い、深―い心」のことです。

その四無量心とは

一、 慈無量心(じむりょうしん)

この慈とはどのような人に対しても慈しむ心のことです。

人を良くしていきたい、良くなって欲しい、という心のことです。

自分のことは差し置いてでも、人を良くしていくことに懸命になっている姿・心のことです。

一、 悲無量心(ひむりょうしん)

この悲とは自分のことで悲しむことではなく、人のことで悩み苦しむ心のことです。

悩み苦しんでいる人と共に悩み苦しみ、そこから這い上がろうとしていく心のことです。

一、 喜無量心(きむりょうしん)

この喜とは自分のことで喜ぶ喜びとは違い、人が良くなることを我がことのように喜ぶ喜びのことです。

人が苦しみの中から良くなる姿をみて、純粋に心から喜ぶ心です。

一、 捨無量心(しゃむりょうしん)

この捨とは、「彼我(ひが)の二心を捨る」とあり、彼だとか我だとかそういう分け隔てのない心のことです。

自分に好意を寄せてくれるくれる人には良い顔も出来るのですが、そうでない人には、「あの人は敬えるが、この人は敬えない」という心が出てきます。

その二心を捨て、どんな人にも慈悲を持って接していかれるのが仏さまです。

以上「四無量心」について述べましたが、この仏さまの「功徳」のエキスが「妙法蓮華経」という薬に込めて授けてあります。

この薬をいただくことによって、知らず知らずに「四無量心」の心に近づいてくというのです。

そのような人が周囲に多くなってきますと、円満な日々を過ごしていけるのでしょうね。

我々凡夫が仏さまの薬を服用するように教えられたのが仏法といってよいかと思います。