お金も命も大事
御 教 歌
世の中の 金銭いくら ためたとて
死ぬる時には みな人のもの
一生懸命働いて貯めたお金も、死んで持っていける訳ではなく、全て人のものとなることを仰せの御教歌です。
私たちは、死を迎える時、お金だけでなく何ひとつ持っていける物はありません。
でも、今の自分にとってまず大事なもの、幸せの担保は「お金」。
だから、一生懸命働き貯めていこうと思うのも確かなことです。
確かに今の生活において「お金」は必要ですし、あれば安心もしますし、幸せな気分に浸れそうです。
でも、仏さまの教えでは
「無貪(むとん)、離苦(りく)。今生(こんじょう)のことはあるにまかせて営むべし。我物の人のもののといふものの、物は世界のものの物なり。裸で来て裸でかへるといふ事をしれ。寒中も帷子(かたびら)を着て棺(かん)の中。」
「むさぼらず、心安らかに暮らしていき、あるにまかせての生活を営んでいくべきである。
我が物・人の物だというものの、それも生きている間だけのことであり、死んだ後は全てが元々世の物として還っていくのである。
生まれて来た時も裸で生まれてきたのであるから、死ぬ時も裸で帰っていくのであることを知ることが大事なこと。
ことわざにも、寒中でも帷子(かたびら)一枚で棺の中 というではないか。」
このようにお示しですから
「 生まれ死ぬ時も裸で生まれ、裸で帰る」
このことを捉えておきたいものです。
そのような捉え方が出来ていけば、自ずと今何をしていくことが大事なことかが目にみえてきそうです。