借りたものは返す | 人として生きる上で大切なこと 「こころのものさし」

借りたものは返す

 

                御 教 歌

 

        かりた物 かへさぬ程の 義理しらず

 

         それゆえ人の  ものをほしがる

 

 

借りたものを返さない人は義理を知らず、他人の物まで欲しがる癖があることをお示しの御教歌です。

 

ことわざに

 

「借りて借り得貸して貸し損」

 

「借りたらこっちのもので、返せなくなったら返さなくて済む・・と得をした気分になることで、逆に貸した方は、返ってこなくなることもあるので、損することが多い。」

 

言われてみたら、確かにそうかもしれません。

 

また

 

「借りる八合なす一升」

 

「八合借りたら、返すときは一升にして返しなさい。」

 

このような言葉もあります。

 

「借りた物は返す」というのは、当たり前のことであり、そこには返さなくていい理由など存在しません。

 

それは人としての道です。

 

江戸時代には盆暮れ勘定といって、商人と客人は品物の代金を盆と暮れに清算する慣習があったそうです。

 

そこには、お互いの信頼関係があったからこそ成り立っていたのでしょうね。

 

人の信頼を裏切ることは、恥であり、野暮な生き方だったのでしょう。

 

現代の私たちも、人らしい心の持ち主として生きていくためにも「人としての道」は踏み外さないようにしたいものです。