言葉の使いよう
~御 教 歌~
思ふ事 口にいはせる 心こそ
うべことの葉の たねにしありけれ
心の内に思っていることが言葉となって出てくるものであり、思ってないことは出てこないもの。
このように仰せの御教歌です。
「こころ内にあれば、色(いろ)外に顕(あら)わる。」
という教えがありますように、心に思うこと・考えていることがあれば、それが所作振舞いとなって顕われてくるものです。
それは態度や行動にも出ますが、言葉にも出てくるようです。
ことわざに
「言葉は心の使」
「言葉はこころに思っていることを表す道具である。」
とあり、思っていないことは言葉になって出てこないでしょうし、言葉は表現の道具でもあります。
ですから言葉から伝わってくるものが、温かいもの・優しいものもあれば、冷たいもの・嫌なものもあります。
同じ言葉のなかでも、そのような違いが出てくる時もあります。
言葉の使いようによって人に安堵感をもたらしたり、不幸のどん底に突き落とすことだってあるのです。
このように考えますと、言葉の使い方はとても大切なのですね。
また
「心につるる姿」
「心の在り方にしたがって容姿もこれに伴うものである。」
とあり、心が清らかであれば容姿もすがすがしく、心が濁っていれば容姿も険しくなるというのですから
「心こそ大切にして候(さふら)へ」
このことを大事・大切にしていきたいものです。