適当に夢歩き -9ページ目

適当に夢歩き

なんかもう色々と適当に書いています。

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天気予報をする傘をどこかに忘れたら、勝手に戻ってきたが
少し腹を立てたようで色々と嫌がらせのようなことをされた。
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その後、防水スプレーをかけたり歪んだ骨を直したり
差すときや傘立てにしまうときも少し丁寧に扱った。
すると、どうやら怒りもだんだん収まってきたようで
ようやく普段どおりの使い心地に戻ってきた。
そんな頃、アジサイで有名な公園へ行くことになった。
アジサイを見るんだったら雨の日のほうがいいと
友人に誘われて、わざわざ雨の日を選んで行くことにした。

その公園は毎年梅雨の初めごろになるとすごい数の
綺麗なアジサイが白、青、紫、赤紫と様々な色で咲き乱れる。
今年も例年以上にとても綺麗な花を咲かせている。
雨とアジサイと所々にいるカタツムリがなんとも言えず、
画になっていた。雨の日に来て正解だった。
そんな風情ある風景を歩きながら楽しんでいると
傘の持ち手が妙にいつもと違って見えた。
今までも角度によって多少色が変わって見えるときもあったが
その綺麗なアジサイたちの前に行くと明らかにその色が
青から紫へと変わって見えた。
角度によって見え方が変わるという感じではない気がした。
なんだかそれは傘が活き活きとして喜んでいるようだった。
どうやらアジサイが好きらしい。なんともよくある組み合わせだ。


大分長いこと持ち続けて何度か機嫌を損ねることもあったが
もうその傘以外を使うことはなくなっていた。
梅雨の合間に傘を干して乾かしていると、この傘が中古だった
ことを思い出し、なんとなく前の持ち主が気になった。
「やっぱり雨の日に勝手に出てきたり、機嫌悪くなったりするのが
気持ち悪くて前の人に手放されたのかな。」
と、ごく自然に傘へ声をかけてしまった。
なんだか変に恥ずかしくなり、外でこんなことしないように
気をつけなきゃと思った。

たぶん続く

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天気予報をする傘をどこかに忘れてしまった。
勝手に家に戻っていたがそれからちょっとした変化があった。
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傘をどこかに忘れたことを忘れかけたころ、久々の雨が降った。
それまで晴れが続いていたので傘を使うのも久しぶりだ。
いつもどおり傘立てから出ていたので自然と持って出かける。
だが玄関から出て傘を差そうとしたところなかなか開かない。
いつも多少開きが悪かったがここまで硬く開きにくかったことはなく
何かが引っかかっているのかと思ったがそうでもないらしい。
中古で買ったものだし、少し不具合が出始めたのかなと
その時は思った。

結局力ずくでやっと開くことができ、そのまま差して出かけると、
今度は歩いてる途中で急に傘が閉じてしまった。
傘に覆われる形になり突然だったので慌てて転んでしまう。
街中だったので恥ずかしい思いをした上に、雨にも濡れてしまった。
どうやら今日は運が悪いらしいとブルーな気分で一日が過ぎ、
帰るときには雨がやんでいた。

前回のように傘を忘れることはなく、畳んで持って歩いていると
今度は急に傘が開きだした。ちゃんとバンドで留めたはずなのに、
何度も外れて開きだしてしまう。これまたなんだか恥ずかしい。
ちょっとイラついて、どこかに捨ててしまおうかとも思ったが
いろいろと考えて思いとどまった。

家に帰り、今日は一日傘に振り回されたなと独り言を言いながら
傘の不調を調べるために開いたり閉じたりを繰り返すと
何も問題はなく、いつも通りの使い心地に戻っていた。
畳んでおいても急に開きだしたりしなくなっている。
そこで少し前に傘をどこかに忘れてしまったことを思い出した。
ひょっとして忘れられて怒っていたのだろうか。
だから嫌がらせのようなことをしたのかもしれない。
なんとなくそんなふうに感じた。

たぶん続く

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フリーマーケットで買った傘を使い始めた。
使うときは毎回勝手にドアへ立てかけてあった。
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その傘が勝手に立てかけてあるのは使おうと思ったときだけ
ではなかった。必ず雨が降る日にだけ出ているのだ。
テレビやネットの天気予報で雨と出ていなくても
その傘が出ている日は必ず雨が降り、傘が必要となる。
逆にほとんどのメディアで雨が降ると予想されていても
傘が出ていない日は一日雨が降らなかった。
それは百発百中だったのだが、初めのうちは気にせず
持っていったりいかなかったりしていたので
その度に傘から何かいわれているような気がしていた。
だんだんそのことがわかってくると
天気予報は完全にこの傘を頼るようになった。

ある日傘をどこかに忘れてしまったことがあった。
朝は傘の天気予報も必要ないほどどしゃ降りだったのだが
夕方には雲一つなく晴れていたので、帰りに傘のことをすっかり
忘れてしまっていたのだ。少し忙しかったこともあり電車だったか、
店だったかまったく覚えていなかった。
少し思い当たるところを探したが見当たらないので
仕方なく諦めて家に帰り、玄関でふと傘立てを見てみると
なんとあの傘がささっているではないか。
持っていかなかったはずはないし、誰かが持ってくるはずもない。
傘が勝手に戻ってきたというのだろうか。
奇妙に思ったが天気で勝手に出てくるような傘なので
こんなこともあるだろうと、素直に喜んだ。
しかし、そのあと傘にちょっとした変化があった。

たぶん続く

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