予報傘 6 | 適当に夢歩き

適当に夢歩き

なんかもう色々と適当に書いています。

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天気予報をする傘をどこかに忘れたら、勝手に戻ってきたが
少し腹を立てたようで色々と嫌がらせのようなことをされた。
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その後、防水スプレーをかけたり歪んだ骨を直したり
差すときや傘立てにしまうときも少し丁寧に扱った。
すると、どうやら怒りもだんだん収まってきたようで
ようやく普段どおりの使い心地に戻ってきた。
そんな頃、アジサイで有名な公園へ行くことになった。
アジサイを見るんだったら雨の日のほうがいいと
友人に誘われて、わざわざ雨の日を選んで行くことにした。

その公園は毎年梅雨の初めごろになるとすごい数の
綺麗なアジサイが白、青、紫、赤紫と様々な色で咲き乱れる。
今年も例年以上にとても綺麗な花を咲かせている。
雨とアジサイと所々にいるカタツムリがなんとも言えず、
画になっていた。雨の日に来て正解だった。
そんな風情ある風景を歩きながら楽しんでいると
傘の持ち手が妙にいつもと違って見えた。
今までも角度によって多少色が変わって見えるときもあったが
その綺麗なアジサイたちの前に行くと明らかにその色が
青から紫へと変わって見えた。
角度によって見え方が変わるという感じではない気がした。
なんだかそれは傘が活き活きとして喜んでいるようだった。
どうやらアジサイが好きらしい。なんともよくある組み合わせだ。


大分長いこと持ち続けて何度か機嫌を損ねることもあったが
もうその傘以外を使うことはなくなっていた。
梅雨の合間に傘を干して乾かしていると、この傘が中古だった
ことを思い出し、なんとなく前の持ち主が気になった。
「やっぱり雨の日に勝手に出てきたり、機嫌悪くなったりするのが
気持ち悪くて前の人に手放されたのかな。」
と、ごく自然に傘へ声をかけてしまった。
なんだか変に恥ずかしくなり、外でこんなことしないように
気をつけなきゃと思った。

たぶん続く

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