閉じる日 | ひより軒・恋愛茶漬け

閉じる日

   
  赤黒蕾ひなげし


自由、を感じるとき

ひとは

孤独ではない。


誰か、を

ほしがらなくても

わたし、が

いるから。


あのとき

ここにいる、と

決めたけれど


ずっと

ここにいる、と

約束はしていない。


あなたが告げた

わたしに

理解されない苦しみ。


わたしがかくした

あなたを含む世界が

理解できない悲しみ。


愛することで

縛られていく自分に

こうしてまた

少しずつ飽きていく。


ああ

あそこには風が吹いている。


草原の青い風を浴びて

はだしで立っている子どもは

孤独だろうか。


あなたのとなりで

はだかで震え

寝返りもうてないわたしは

孤独だろうか。


かきおきに

一行、

「孤独で」と書いてみる。


白い余白の大きさで

あなたの

心を傷つける。


あなたが

けして

追いかけてこないことを願って


体も

心も

かたく閉じる。





最近

なぜか

「赤」に惹かれます。