みりょく | ひより軒・恋愛茶漬け

みりょく


鎖




すきになることが

ぜんていで


そのひとを

みた。


そのひとを

きいた。


そのひとを

よんだ。


こころに

ひびくはずだった。


そのひとが

あなたの

すきなひとで

あるなら。


しっと

なんて

しない。


そんなに

せまく

ない。


あなたに

ふさわしく


だから

こうへいに


そのひとを

すきに

なりたくて。


なのに。


わたしには

わからない。


そのひとのなかの

なにに


あなたが

それほど

つよく

ひかれているのか。


どんなに

さがしても


みつからないと

いうことが

わたしを

ひるませる。


みつからないのは


それが

けして

わたしのなかには

ないもの


そして

これからも

えられないもの

だから


で。


いま

あなたと

みつめあうことが

かなわないなら


せめて

あなたのめになって


あなたの

すきなひとを

みたかった。


あなたと

おなじくらいに


あいじょうをこめた

やさしいめを

そらさず


しずかに。




もうすぐ

8月が

終わってしまいますね。


毎年

夏の終わりになると

やり残したことが

たくさんあるように思えて

すこし

焦ってみたりします。