仏壇閉眼(ぶつだんへいげん)
いわゆる、仏壇を守る人がさまざまな事情でいなくなった為、そのまま粗大ゴミとして捨てるわけにはいかないので、魂抜きをして、これまでの感謝を込めて、御供養をさせて頂くことがあります。
反対に、
仏壇開眼(ぶつだんかいげん)
は、新しく仏壇をお祀りするにあたり、魂入れをして、ご先祖様に気持ちを向ける場所を新たに定めるご依頼もあります。
最近多いのは、やはり仏壇閉眼で、
自分1人になってしまい、他に家族がいない為、仏壇を引き継いでくれる人がいないので、今のうちに片付けよう、という方が増えています。
ただ、今回のご依頼の方は、一人娘で、
お嫁に行き、自分の家の仏壇は、おじさんの家にあったそうで、そのおじさんも高齢のため、仏壇を守ることが難しくなった為、一人娘であるその方に、引き取るようにと言われた為、嫁ぎ先には旦那さんの家の仏壇があり、二つは置けないし、自分は嫁いでいる身だから、この際処分しようということで、お位牌も一緒にお焚き上げして欲しいと、こちらに依頼が来たのでした。
こちらに依頼が来るまでの話は、依頼主の方と片付けの業者さんとのやりとりなので、私が話に加わることは無いのですが、
確かに大きな立派な仏壇だったので、それが二つあったら場所も取るし、大変なのはわかります。
せめて、仏壇の中にお祀りしていたお位牌は、手元に置いて頂けると有り難いなぁとは思うのですが、宗派や宗旨が違ったり、実家のお位牌を一緒に祀ったらまずいのかも、と思う気持ちもわかります。
でも、それこそ一人娘で育ってきて、嫁いだからと言って、実家との関わりが、消えるわけでも切れるわけでもないことですから、
お位牌を置くスペースがないならば、過去帳に書き込んで、経机の引き出しに仕舞うなり、置かせてもらうなり、して頂きたいものだと、
坊さんである私は思いますが、
一般の方は、きっと、どうしていいのかわからないのだという事もわかります。
なので、今回は、いつもお声がけ下さる業者さんに細かくご説明させて頂き、
同じような事例があった場合、いつでも遠慮なくお尋ね下さるようにお願いしてきました。
自分の命は、両親から頂いたもの。
その両親にも当然両親がいて、遡ればたくさんのご先祖様が繋いで下さってきた『命』ですから、
どんな時も、感謝の気持ちを持って頂きたいものだと改めて思う、今回の出来事でした。
ちなみに、宗派問わず、過去帳に書いて欲しいというご希望があれば、もちろん書かせて頂きますので、お心当たりのある方は、
jouonkessha@gmail.com
まで、お問い合わせいただければ幸いです。