彼がベッドルームを出る最後の1歩で振り返り手を振ってくれた。

「きれいな方ですね」

「でしょう?しかもどこも直してないのよ。あのコ」

直してない?整形?

「体のことですか?」

「体も顔も。どこもいじってないの」

「へぇぇ‥」

私の感嘆は彼が整形をしていないということにではなく、整形していないことが驚くべきこととして語られていることへだった。

彼女はショウを観ながら食事やお酒を楽しめる店のオーナーで、マリオンという美しい彼は1番若い従業員だと話してくれた。
ダンス教師を母に持つ彼はショウに出られるほど踊れるが、彼女の店では男性のままの体ではショウには出さない方針だそうだ。

「あのコなら先行投資で私がオペ受けさせてもいいんだけど‥まだ未成年だしね」

「未成年にオペは薦められないですか?」

「未成年だと‥気持ちが揺らぐこともあるかもしれないし」

「ああ‥そうですね」

「ちょっと待って。私のこと「未成年者のことを親身になって考えてるいい人」なんて思ってないわよね?」

「え?だって‥」

「違うわよ。未成年者相手はリスキーなの」

「リスキー?」

「昔ね、かなりヤバいことしたのに、相手が一方的に悪くなって私が無罪放免になったことがあったの。なんでだと思う?その時の私が未成年だったから。ただそれだけで、よ!」

「あ~」

「だもの。未成年を相手にする時は慎重にならなきゃ」

さっきの彼もこの彼女も話している限り特に違和感はないが、やはり違う世界に生きているのだと思い至る。

「驚いた?」

「いいえ。ただ私の周りではあまり聞かない話だとは思います」

「正直ね」

婉然と微笑む彼女。
破綻のない美しい顔も人工的な恩恵を受けているのだろうか。
いや、それはどちらでもいい。
共通の友人の名前が出たとはいえ、初めて会った人にフラフラ付いて来てしまうほどの魅力が彼女には備わっているということに変わりはない。






つづく






LOVE xoxo
 
 
 
 
食べようとした
バナナにサファイアのなかゆくいブログ-19886.gif
 
 
 
 
 
初心者マークが!サファイアのなかゆくいブログ-pic-0298.gif
 
 
 
 
 
サファイアのなかゆくいブログ-NEC_4818.jpg
 
 
 
 
バナナになって
日が浅いってこと?サファイアのなかゆくいブログ-16534.gif
 
 
 
 
 
これから
熟練のバナナサファイアのなかゆくいブログ-7749.gifになる予定だったのかもだけど‥サファイアのなかゆくいブログ-20257.gif
 
 
 
 
食べちゃったサファイアのなかゆくいブログ-70P700551_DCE.gif
 
 
 
 
 
 
 
LOVE サファイアのなかゆくいブログ-20751.gifサファイアのなかゆくいブログ-16505.gif
 


20分程でその人の到着をメイドさんが知らせに来た。
彼女は来訪者をベッドルームへ通すよう言う。

「ご苦労さま。急に悪かったわね。久し振りに絵を観ていけば」

「いいんですか?来て得しちゃった。‥‥あの‥こちら?」

「友達よ。絵を観てもらってたの」

「こんにちは。僕、マダムのところで働いてます」

「こんにちは」

「ゆっくりご覧になりました?素敵でしょ?僕、大好きなんです。お店のマダムのオフィスにも他のがあるけど、この絵が1番素敵」

そこまで言うと華奢で色白の彼が近づき、顔を寄せて来た。
思わず身を引いてしまうほど間近で見る彼の睫毛には丹念にマスカラが塗られていた。

「ねえ、あなた」

「はい」

「やっぱりkampo?」

「は?」

「すごいのね。ヒゲのあととか全然ないし、顎も首もすんなりしてる。僕は注射だけなんだけど、マダムはずっとkampoも使ってて‥」

「マリオン。彼女、本当の女性だから」

「えっ?女性なの?最初から?」

「そうよ。私達とは違うのよ。この絵ともね」

kampoが漢方だと解るまで時間が掛かった。

「やだ。ごめんなさい。マダムのお友達だっていうから。てっきり。ふふふ」

首をすくめる様子が可愛らしい。
注射というのはホルモン剤のことか。

「あなた、東洋系でしょう?」

「ええ」

「肌がちがうのよね」

彼が顔を近付けたままの位置で角度を変え、私の顔を眺める。

「前にお店に中国人の女優さんが来たことがあって。彼女の肌もこの絵みたいだった」

「この絵の人も東洋系だと思いますか?」

やっと彼が絵を返り見るために顔を離す。

「ん~。肌はね。顔は‥白人ぽいけど‥でもとってもエキゾティック。大好き。マダムは?どう思います?この人は東洋人?」

問われた彼女は「気付かないでしょ?」とでもいうような視線を私に送る。

「そうね。東洋系を白人ぽく仕上げてるんじゃない?」

「ふうん‥東洋人なの‥ね」

彼がまたこちらへ顔を向ける。
かるく上気した頰がきれいだった。

「‥ねえ、訊いてもいい?」

「はい」

「東洋人の男性って‥やっぱりこういう肌?」

「え‥っと。それは‥個人差があると思いますけど‥」

「あー。それはそうよね。じゃあ、あなたは白人の男と東洋人の男、どっちの肌が好き?」

「マリオン」

「はあーい」

彼女にたしなめられ、私だけに見える角度でキュートに顔をしかめてみせる彼。

「そろそろ戻りまあす。またお会いしましょうね」

「ありがとう、マリオン。お会い出来て良かったです」

握手の手を差し伸べると、その手を引き寄せハグしてくれた。

「こちらこそ。」

肩も腰もごつい感じが全くなくて、まるで女性と頰を合わせているみたいだった。
ホルモン剤の影響は絶大だ。






つづく






LOVE xoxo